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夢の世界で淡々と生きる  作者: 送間
1章 明晰夢で作り出した世界
5/100

5美女湖

美女湖は僕が明晰夢に目覚めた後、夢の世界を定着させる方法を編み出して最初期に作り出した創造物だ。


明晰夢を自由自在に使えるようなった僕が最初期にやった行いといえば、まあ、その、僕も健全な高校生なので、エロい妄想を夢で実現させまくった。


その時は世界に大陸をなんとなくポンッと作り出して、そこに湖も作ったのだ。


美女湖は湖から全裸の美女が出続ける。金髪で白い肌で巨乳の美女、黒髪で褐色で巨乳の美女、大和撫子で巨乳の美女……。様々な巨乳の美女が湖から現れては、その場で水遊びをしたり、美女同士で……。


最初期の性欲全開の自分を思い返して、顔が熱くなる。最悪だ。


「なーんだ、やっぱりご主人様、こういうの好きなんじゃないですかー」


木の陰で美女湖を見ている僕に、空子がにやけて言う。


「うう……今は、今は違うんだ。この世界は僕にとって本当に大切なモノなんだ。だから、あの時みたいに無茶苦茶をやりたくないんだよー」


現実がクソで、その発散する先に夢の世界を使っていた。

でも、居れば居るほど、この世界が愛おしくなってきた。ただエロい妄想をして発散するだけのモノじゃなく、ただ、のどかな風景を見たり、夜に釣りをしたり、落ち着く場所にもなっていた。


それにエロい妄想ばかりだと、世界の秩序が矛盾というか、支離滅裂になって、結果的に夢から覚めやすくなる現象も発覚して、最初期の後は、世界のルールづくりに徹底していた。


美女湖を見て、僕は恥ずかしさと共に、今となっては愛おしいと、やっぱり思ってしまう。


「無くそうと思ったけど、このままにしておこう。彼女たちを失いたくないし――」


「どーん!」


「ぶえ!?」


空子が後ろから僕を押した。そして美女湖の美女たちの前で無様に倒れた。


「本当はエロいことしたかったくせにー。ご主人様の創造物であるボクが、ご主人様の気持ちを理解できないとでも?」


「う……!」


美女たちがぞろぞろと僕の前に集まってくる。


「さあさあご主人様、快楽に溺れてくださいー。ボクは待ってるんで、じゃあ」


「空子! た、助けて――うわあああ!」


美女たちが僕ににじり寄り、抱擁し、接吻する。全身のあらゆる箇所が彼女たちの手で触れられる。


「と、溶ける……」


十数分後。湖の近くで快楽に溺れてフニャフニャになった僕が倒れていた。

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