28古本屋
「うー……気持ち悪いー」
下校中に、さっきの悪夢を思い出して、胸をおさえる。
僕は20分ほど教室で寝て、悪夢で飛び起きた。久しぶりに普通の夢を見てしまった。
最近はいつも明晰夢を見るために儀式をしていたが、今回はただただ眠気に従って寝てしまった。そのせいで悪夢を見る羽目になった。
明晰夢を見る力に目覚めるまでは、ああいう悪夢ばかり見ていた。
そもそも僕は臆病でささいなことでも不安や恐怖で身動きがとれなくなるような人間なので、夢でも不安や恐怖が反映されている。
一時期、悪夢を見るのが嫌で寝れなかった。そのくらい悪夢を見る。まあ、その悪夢よりも現実から逃げた結果、明晰夢を見る力に目覚めたけど……。
「さっさと家に帰って、ご飯食べて、寝よう」
僕は自転車をこぎながら、そんなことを考えていた。
そのまま帰ろうとしていたが、僕は帰り道にある小さな古本屋を見つけて、足を止めた。そういえば最近、本を買ってなかった。図書室や図書館で借りることが多いけど、古本屋で掘り出し物を探すのも、夢の世界を発展させるアイデアを仕入れるのに使ってる手段だ。
僕は古本屋に入り、棚を眺める。品揃えは前に来た時と変わらない。
「これは……」
僕は一冊の本を見つけた。カバーが無くなっていて、ページもよれていた。気になったのは題名だった。
『夢迷宮 著者:蝶野幻屋』
値段は100円だった。
僕はカウンターに本を持っていて買った。




