結花さん家お泊まり⑤
結局、コーヒーを飲んだあとはずっと起きたままで朝を迎えられた。結花と色々喋ってたらいつの間にか時間が経っていた。
結花はいまさら眠気に襲われて、目が少しとろんとしている。これは、超デレデレモードに進化しちゃうかも。
「……結花?」
「あ、ゆうくんー。どうしたのー?」
「起きてる……?」
「おきてるよー、でもわたしのへやにゆうくんがいりゅから、ゆめのなかかもー」
賢さを1000ぐらい奪われてしまった結花は、俺の顔の方に両手をゆっくりと伸ばす。
「わ、ゆうくんのほっぺた、やわらかい」
俺の顔をつんつんしてくる。
……前から思ってたけど、これ、もしかして計算しての行動だったりする? 寝ぼけてて、こんなに変わるものなの?
まあ可愛いのでなんでもOKです。
「ふふっ、ぷにぷにしてるー」
あ、これ、絶対ガチで寝ぼけてるやつだ。
結花は俺のほっぺたを優しく引っ張ってる。
「いひゃ、ふにふにしてなひとおもふけど」(訳…いや、ぷにぷにしてないと思うけど)
結花に触られているので、いつも通り喋れない。
しばらくして満足したのか、ほっぺたふにふにの手は止めてくれた。もう少し続けてもらっても良かったんだけど。
「ふふっ、つかまえたー!」
そんなことを考えていると、結花はそう宣言しながら俺の上に覆いかぶさる。やわらかっ。あと、俺の鼻は結花の甘い香りだけしか感知していない。
「んー、でもなんかほんとに触ってるみたいだなー。ゆうくん、あったかいし」
少し間が空く。……ん?
「……!」
結花の顔が急に真っ赤になって、慌てて起き上がる。良かった、やっと目を覚ましたか。でも、この超デレデレモードの結花ともう少しお楽しみの時間を過ごしたかったな。
「……え、私何してた?」
「俺のほっぺたつんつんしてた、あと今の体勢の通り」
「……ごめん」
「いや、デレデレ結花は貴重だから良かったよ?」
「え、私っていつもゆうくんにデレてない?」
なんか違う方向に話が行っているような……?
「じゃあ、普段からもっとゆうくんにデレるね?」
「おお……」
俺の中の結花のイメージ、この1年ちょっとでだいぶ変わったなあ。
今は、少し天然で天才で、俺にデレてくれる彼女です。
天然で天才で美少女だとか、神様は色々与えすぎてると思います! 神様ありがとうございます。
あのあとに向かいあって朝ごはん食べるの、なんか恥ずかしいな。
そう思いつつ結花と一緒にフレンチトーストを頂いた。
朝ごはんを食べ終えて、少し話したり遊んだりしたあと、帰る時間がやってきた。今日は昼前までしか居られないっぽいんだよな。
「ありがとう、楽しかった!」
てか最後まで結花の親には会わなかったな。会ってもなんか気まずいし、いいんだけど。
「また来てね? いつでも泊まっていいから」
「うん、近いうちにまた行けたらいいなー」
「待ってるからね」
結花と同棲し始めたらどうなるんだろうか、とまた想像してみる。いつも美味しい料理作ってくれて、朝は寝ぼけてデレデレしてくれるんだろうか。
そう思うと、少しにやっとしてしまった。気がはえーよ。
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