料理の腕鍛えてもらいます
「おはよ、結花」
俺が家のドアを開けた音で、結花は目を覚ましたらしい。ぼーっとしたような目で俺のことを見て、数秒経ってから完全に目が覚めたみたいだ。
「うん、おはよ。もう体調大丈夫なの?」
「うん、寝たらすっかり元気になったかな」
1日寝たら体調良くなるとか、わりとありがちだよね。
「で、スーパーまでちょっと買い物行ってきたんだー」
この通り、と俺はレジ袋を掲げてみせる。
「え、無理してない?」
「うん、大丈夫だよ」
「ならいいけど……。無理しちゃダメ、だよ?」
結花のお姉さん感が凄い。こないだの誕生日にそんな話したなあ。
「ダメ、だよ?」とかそれに類する言葉って男子人気高いと思います。(俺調べ)
ちなみに最高ランクは「めっ!」だそうです。ソースは翔琉。異論はありません。
「ま、ケーキ買ってきたから食べて」
「わ、ありがとー!」
俺たちは糖分摂取を終えて、片付けをする。
「……ゆうくんの風邪の原因って最近の生活の乱れだよね?」
結花は片付けを終えると、いきなり名推理を披露してくる。
なぜバレた……!?
「たまたまゴミ捨てようと思ったら大量のコンビニ弁当のごみを見つけちゃったので」
バレたか……。
「というわけで今日はゆうくんでも作れる料理を教えていきます!」
謎に料理教室(?)が開催されることになった。さっき食材も買ってきてて良かった。
「これだけあるなら色々作れそうだね」
結花は冷蔵庫を見て満足そうな表情をする。いつの間にかエプロンつけてた。
今度は俺のエプロンも用意されてるようで。
……なんか初々しく一緒に夜ご飯作って食べる新婚夫婦みたいでは? また熱出てきそう。今度は恋の病ですかね! やかましいわ。
「今日はオムレツ作ってみようかー」
「おっけ」
卵を割っていく。殻が入らないように割れるようにはなった。
卵液はこしたらいいらしい。あと焼くときは濡れた布でフライパンの温度が上がりすぎないようにするとか。
思ってたよりも早くオムレツが出来上がる。見るからにふわふわしてそう。
「「いただきます!」」
うお、めちゃくちゃふわふわだ。
俺1人だったらこんなの作れません。
オムレツを頂きつつ結花からアドバイスをもらう。
「卵料理だったら色々種類もあるし、材料もそんなにいらなくて済むから毎日でも作れると思う」
「わかった、やってみる」
「あとサラダとインスタントスープとか付けたらいいかな、栄養的に」
もしかして管理栄養士だったりする? ライザップは今から雇ってもいいと思います!
「平日も行ける日は行こうか?」
「あー、でもこれ以上負担かけたくないから」
結花はむーっとした表情になる。あれ、解答ミスった?
わりと模範解答だと思ったんだけど。
「私のことを心配してくれるのは嬉しいけど……その、私もゆうくんと一緒にいて楽しいから」
「なる……ほど」(瀕死)
「じゃあ、よろしく」
「うん!」
結花はふにゃっとした笑顔になる。俺たちの半同棲生活は更にレベルアップするようだ。夏休みも近いし、楽しみだな。
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