結花の看病
……はっ。急に目が覚めた。 寝過ぎた感じがするな……。
「あ、ゆうくん、体調はどう?」
寝ぼけた目で横を見ると、ちょうどそばに座っている結花と目が合う。
「ちょっと良くなったかな」
「良かった!」
そう言いながら俺の額に優しく触れる。
「あ、たしかにさっきより熱下がってるね」
正直また熱上がりそうなんだが、今の状況。オーバーヒートしそう。……さっきよりかだいぶ余裕が出てきたのを自分でも感じる。
「最近無理してたんじゃない、ゆうくん?」
「いや、そんなことはないと思うけど……」
結花が心配そうに聞いてくる。
結花が医者やってるのも想像できるな。白衣着てて、聴診器つけてて……。
……そのエネルギーは疲労回復に使おうな。
まあ今回の夏風邪の原因、思い当たる節がないわけではないんだけど。
最近夕食はコンビニ弁当ばっかりだったし、なんか寝るとき寒かったりしたし。
あれ、俺の家事能力……もしかして下がってません?
「まあ、あと2、3日は体調に気を付けた方がいいよ」
「そうだね、いつも以上に気をつけとく」
「今日が金曜日だったから良かった、週末私が来れるから」
「うん、ありがとう」
ていうか、結花は泊まって様子見ててくれるって言ってたけど、寝る場所どうしよ。
「ごめん、様子みてもらったりして。看てもらってて言うことじゃないけどもう寝た方が……」
「あ、うん。でもゆうくんの様子見てると疲れないから大丈夫!」
嬉しいことを言ってくれるけど、ちょっと心配なのは変わらない。俺のせいで結花に風邪を移してしまったらいけないし。
「ゆうくんは心配しなくていいから、休んでて?」
さっき寝る前も同じこと言われたなあ。
次は迷惑かけたりしないようにちゃんと自炊します。ほんとに。
俺が寝るまで結花に心配そうに眺められてるような気がしたので、目を閉じていたらいつの間にか寝てた。
「うーん」
窓から朝日が差し込んできたのを感じて目を覚ます。
「……ん?」
俺がくるまってる掛け布団の上で結花がすやすや寝てる。顔を布団にうずめていて、俺からは横顔しか見えない。
「やっぱり疲れさせちゃってたなあ……」
だいぶ体調はまともになってきたので、結花を起こさないように最大限注意を払いながら布団を抜け出す。
「なんか買いに行こ」
いちおう結花のスマホに買い物行ってくるってメッセージ送ろっと。
買うのはやはり甘いものだな、糖分は全てを解決する……!
1日しか休んでないのに、だいぶ部屋に籠ってたような気がする。朝日がまぶしい。
スーパーにたどり着いて、スイーツコーナーで甘いものを探す。
「モンブランとか良さそうだなー」
その他食材もカゴに入れて、レジに向かう。も、もちろんレンチンとかじゃないからね!
買い物を終えて家に帰る。まだ結花は寝てるだろうからゆっくりドア開けよっと。
週末は昨日の助けてもらった分まで働こう。
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