表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/200

お花畑デート①

土曜の朝。

ワンピース姿の結花が俺が出てくるのを待っていた。


「今日すごく楽しみにしてたんだー!」

「俺もだよ。じゃあ、さっそく行こう?」


 スマホのカメラじゃなく、性能が高いカメラをわざわざ買ってくるレベルには楽しみにしてた。


「うん!」


朝早くから俺の家に集合して、国営ひたち海浜公園を目指す。


ラッキーなことに雲ひとつない快晴だ。

今日のMVPは移動性高気圧だな。ありがとう。


「わー、すごい!」


少し遠くに黄色の絨毯のような菜の花畑が広がっている。

あ、ネモフィラは5月ぐらいに咲くらしいです。時期を外してしまったらしい。

 またゴールデンウィークとかに行くべきかな。


「行くよ、ゆうくん?」

「お、おー」


結花は俺の手を取っていきなり走り出した。

結花は弾けるような笑顔で、菜の花畑までの野原を走る。


「ついてきてね?」

「うん」


それ、俺が言いたかったんだけど。

格好いい表情で言われたら普通に「うん」って返すしかないよ。


「着いたー!」


はあ、きっつ。

結花のスピードけっこう速かったんだが。

まあめちゃくちゃ楽しそうな結花を見るとそのきつさも一瞬で忘れてしまうんだけどね。


白のワンピースを着て、麦わら帽子を被った結花が黄色の菜の花畑の中に立っている。


もともと花だけで美しい風景はほぼ完成されているが、そこに結花がいることで絵画的な美しさになる。誰かこんな絵描いてたよね。誰かは忘れたけど。


「写真撮ろっか?」

「あ、うん! お願い!」


両手を合わせてお願いされる。……あと上目遣いも見られたら最高でした。

俺の方が高いけど、そこまで身長差ないから見られないのが残念だ。 セノビック飲むか。


結花から少し離れたところでカメラを構える。


ほんとモデルみたいだな。

透明感が溢れてる。写真集作ったら売れそう。

まあ、こんなに可愛い結花を知っているのは俺だけでいたいのでもちろん世の中には出回りません。俺が全部買い占めるので。


静かに菜の花の中に佇む姿は美しさの象徴みたいだ。女神がいるとしたら、その姿は結花みたいだろうな。


「撮るよー」


シャッターを切る。

風で少しはためいている白のワンピースがいい感じだ。爽やかさを感じる。

そして、太陽が上がってきてちょっと眩しそうな結花の笑顔も自然な美しさにつながってると思う。


 いいカメラ買ってて良かった。大活躍だ。


「撮れたよー」

「ありがと、あとで一緒に見よー?」

「もちろん!」



「ゆうくんもこっち来てー」


手を大きく振って、少し遠くにいる結花が俺を呼ぶ。

こういう子供みたいな仕草も普段とのギャップで可愛いんだよな。


「うん、いま行くー!」


可憐な菜の花を傷つけないように、それでも上げられるだけスピードを出して結花のもとに駆け寄った。

春らしい爽やかな風を顔に感じる。


「寝転がったら気持ちよさそうだね」

「そうだね」


あとで野原で寝転がってみるか。


「まだ色々あるから回ろー?」

「そうだね!」


俺たちはゆっくりと公園内を回ることにした。







いつも読んでくださりありがとうございます!


ブックマーク、評価が励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ