バレンタインを前に
2月13日。
たぶん世の中の男子のテンションが一番高い日。平均的に見て。テンション上がらない男子がいるだろうか、いや、いない。
俺も中学生の時は、誰かに本命貰えないかなーって思ってワクワクしてた。心のどこかでは、貰えないだろうなと思ってたけど。
男子ってほんとアホな生き物だと思います。俺含め。
「遊び行こーぜ、優希」
メッセージが入ってた。いつもの男子メンバーのグループだ。
やっぱり皆テンション高そうだ。
俺も例外ではない。
まあ、今日結花に会えないのは寂しいけどね。
日曜だからいつも通りなら家に来てくれるんだけど、今日は用事があるからって言ってた。どうしたんだろうな。
「俺の家来る?」
「いや、優希の家って今家具とかしかないんだろ?」
「あ、ほんとだ」
ミニマリストみたいな生活してるな。物あったら散らかしちゃうからしょうがない。
「翔琉の家は行ける?」
「お、いいよ」
集合が決まってから30,40分ぐらいして4人が翔琉の部屋に集まる。
高校生になったら遊ぶのに長時間の移動が必要なんだよな。
「テレビゲームとか久しぶりだな」
「たしかに、俺ら今じゃスマホゲームばっかりだからな」
高校生になると任天堂のお世話になることも少なくなりまして。
3DSとか懐かしいな。
やはり無料とは正義なのだ。課金沼にはまりさえしなければずっと無料でできるスマホゲーム神。
まあ、皆遊ぶときに1つの画面囲んでプレイできるテレビゲームもいいんだけどね。
「明日誰が一番チョコ貰えるか勝負しないか?」
唐突に翔琉が口を開く。
「いや、俺は遠慮しとくよ」
苦笑いして言う。
「「「あ゛?」」」
ぎろっと睨まれる。あ、失言デシタネ。どうか命だけは……。
「1つ貰えるのは確定してるからいいよなぁぁぁ!?」
「その発言は許されないね」
にこやかに言われると恐ろしさが倍増するんだが。
「いやでも……誰かからは貰えるって!」
全くフォローになってない自覚はある。
「そう信じて苦節15年……毎年結果は0だ」
「リア充にはこの辛さは分からないだろうな……」
皆そんなに絶望しないで……?
「じゃあ優希は明日の朝イチに神社行ってきて俺らの勝利を祈願してきてくれ」
「お、おっけ」
帰りにコンビニ寄って五円玉増やそ。人数分ちゃんと持っていくから。
「今日楽しかった……!ありがとう」
「おん、では俺たちは必勝グッズ買ってくる」
必勝グッズってなんだよ。お守り?
帰ろうとしたら翔琉に呼び止められる。
「ラブコメイベント楽しんでな」
「うん」
「今年こそは俺にもやってくるはず……甘々なラブコメイベント」
翔琉は力をこめて拳を握る。
でもたぶん翔琉のカウントの基準がおかしいだけかと。普通に貰ってはいそう。
……ほんとに贅沢な甘々生活送らせてもらってるな。
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