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新学期と探り入れ

いつの間にか始業式の日がやって来た。制服に着替えたのに、学校に行こうという気力が湧いてこない。


「おはよ、行こっか」


いつも通り朝やってきてくれた結花の一言でなんとか学校に行くことを決意する。


結花がいたから我慢できるけど、結花がいなかったら我慢できなかった。……って、これめちゃくちゃダサいな。


「なんか元気なさそうだね……」

「え、いやいや、そんなことないよ!」


全力でごまかす。なぜバレた……?


「無理しなくていいからね?」

「うん、大丈夫だよ」


心配してくれる結花に、いちおう違和感なく笑顔を見せる。

ここで甘えてしまったらダメダメ度が上がってしまいそうだから。学校行けなくなる。




なんとか学校を終えて、家に帰り着いた。


即着替えてベッドに転がる。

まだ今日1日だけしか学校に行ってないのに疲労感は1週間分なんだが。


「あ、なんかメッセージ来てるな」


ゴロゴロしながらアプリを開く。

どれどれ……?

橘さんからだ、珍しいな。

基本的に俺からはメッセージ送らないからね。


「チョコって甘い方が好き?」


え、なんか別の人が送ってきてないかい?

もしかして二重人格だったりした? 怖すぎる。


「急にどうしたの? 俺にくれるの?」


 ふざけてそう返してみる。端末を誰かに乗っ取られてる可能性もあるな。

瞬時に既読が付く。暇なのか?

特大ブーメランが突き刺さった気がした。


「なんで私があげるのよ……」


良かった。二重人格でも成り済ましでもないみたい。俺はほっと胸をなでおろしてから、質問を続ける。


「え、どういうこと?」

「そんなことも分からないなんて、ほんとに学年1位なの?替え玉受験とかしてない?」


うわっ、辛辣っすね。

甘々な生活を過ごしてる身にはダメージが大きいです。


「んー、まあ甘い方が好きかな」

「そう」


2文字だけで興味のなさが伝わる。別にいいんだけど、ほんの少し傷つく。


「まあ、結花のために聞いてくれてありがとな」

「は、はあ? べ、別にあんたに感謝されることじゃないし! 結花のためだから!」


なんでメッセージでこんなにも見事なツンデレを披露できるんだよ。

いや、俺に対するデレのdの文字すら感じられないんだが。ただのツンだ。


「あ、私は少しだけ苦さがあるチョコが好きだから結花にそれとなく伝えといて」

「どうすればいいんだよ……」

「あ、拒否権はないからね?」

「はいはい……」


(ちゃんと伝えとけよ、仕事しないとしばくぞ)って圧をひしひしと感じる。

ちょっと癪に障るので、もし橘さんから友チョコを貰うようなことがあれば(たぶんないけど)カカオの割合高めのかなり苦いチョコをプレゼントしてやろう。


でも、結花からどんなチョコが貰えるんだろうか。

本命とか初めてだな。


今までほんとに親からのチョコばっかりだったからなあ。

期待が高まる。


俺は、結花から貰うことを楽しみにしすぎて、お返しする必要があることは既に頭から抜け落ちていた。




いつも読んでくださりありがとうございます!


またいつもより投稿遅れてしまいました、、

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