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お正月と言えばおせち

「お正月といえばなんでしょう、優希くん?」


初詣から戻ってきて、結花が先生みたいに聞いてくる。

結花が先生だったら、男女問わずモテまくりそうだな。

 ……え、それ俺ピンチでは?


「んー……こたつでごろごろするとか?」


それしか思い付かないなんて……。 我ながら軽く引いてしまう。

いつも正月から怠惰な生活を送ってきてたのか、俺。


「わー、家にこたつあったんだね。羨ましい」

「うん、なくなってから分かるありがたみ」


こたつで寝てしまって干物になりかけたのもいい思い出なのかも。

ホントに死にかけたので気を付けた方がいいです、マジで。


「んー、でも不正解かなー」

「え……あとは餅食べまくるとか?」


 さっきから正月太りコースすぎる。


「さっきよりはだいぶ近づいたかも」


じゃあ食べ物系か。


「正解は……おせちです!」

「なるほど」

「ほんとは今日作ろうと思ってたんだけど……時間かかりそうだったから」

「まあたしかに俺、何もできないしなあ……」

「あ、いや、そういう意味じゃないから!」


 別にそこまでネガティブな感じで言ったわけではないけれど、結花は慌てて言う。


「でも、もう少し自炊能力を上げたい……」


そんなこと言ってるうちに豪華なおせちが目の前に出される。いかにもお正月って感じがする色とりどりの料理。


「俺こんなに豪華なの初めて見たかも。というか、おせちそんなに食べたことないな」

「えっ、そうなんだ……」


なかなかのカルチャーショックだったみたいだ。

日本人は皆おせち食べるという認識だったらしい。


「色々入れたけど、おせちの中で嫌いなものとかない?」

「全くないです。というか結花が作ってくれるものはなんでも美味しいです」


つい早口で答えてしまう。また影響が……。


「じゃあリクエストしてくれたら何でも作るよ?」

「え、いいの?」

「うん!」


俺の返しを聞いて、結花は「任せて!」って言いそうな感じで、服の袖をまくりながら笑顔を見せる。


こうやってデレデレ彼女に甘やかされてダメダメになっていく男が生まれるんだな。現在進行形で生まれてるよ。

将来ヒモになってないことを願う。

……だから、他人事じゃないぞ。



前から気になってたけど、結花が作れない料理ってあるんだろうか。ま、あったとしてもたぶん俺が食べるようなものじゃないかな。

めちゃくちゃ名前長くて皿に少しだけ盛ってあるようなの。フランス料理的な?


「黒豆も卵焼きも甘くて美味しい!」

「うん、普通より甘めにした方がゆうくんの好みに合うかなと思って」


あれ、好きな味付けも甘いのなのか?

俺、ホントに糖化してる……糖尿病になってしまうかも。


「ま、幸せだしいいや」


小声で呟く。


結花には聞こえなかったみたいで、?が浮かんでそうな表情をしている。


思ってたよりも俺は甘々な生活を手に入れていたみたいだ。


高校入るまではモテなかったのにな。

バレンタインなんか悲しかった記憶が……。 思い出したくない。


ん、バレンタイン!? あと1ヶ月後ではないですか!

楽しみだな。


少しニヤついた俺の顔を見て、結花の上にはさらにたくさんの?が浮かんでるような気がした。










いつも読んでくださりありがとうございます!


普段より投稿遅れてすみません、、


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