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天使のお目覚め

冬の柔らかな日差しが窓から差してきた。俺の気持ちを表しているかのような、温かな光だ。

やっぱり天使は幸せそうな寝息を立てて眠ったままだった。


「そろそろ起こすか……」


ベッドから起き上がろうと努力してみる。抱き枕がもぞもぞ動いたら起きるかな。


「まだ寝てたい……」


3時間前よりかはお目覚めの時が近い気がする。


「んー」


目をこすって、ゆっくりと起き上がる。なんでこんなにも絵になるんだろ。衣装がはだけそうになってたのを、丁寧に直す。


「あ、ゆうくん……おはよ」


結花がパッと目を開けて、ずっとホールドしてたことに気付いたのか、少し気まずそうに挨拶してくる。



「うん、おはよー」


「ご、ごめん。暑くなかった?」

「うん、大丈夫だよ」


違う意味であつかったけどね。


「ごめん、もうお昼だね……」

「いや、大丈夫だよ。たまにはしっかり休むのもアリだから。 じゃあ俺が朝ご飯というか、昼ご飯作るね?」

「ごめん、お願いしてもいい?」


もちろん大丈夫です!!


朝ごはんを用意するという世間一般的には簡単なことが俺にとってはミッション・インポッシブルなんだが。


結花に美味しいって言ってもらえるのがゴールなので。


しかし! 俺もこの半年なにもしていなかったわけではない! ここ最近もう物が散らかっている部屋とか見てないし……

え、それが当たり前だと!? 

 男子高校生の部屋なんて大抵散らかってるだろ。……全国の部屋綺麗な男子高校生、すみません。


「すぐ作るから、待ってて!」

腕の袖をまくって、意気込んで調理に取りかかる。



「どうぞ」


机に控えめに置いたのはご飯と目玉焼き。

味噌汁も一応作れるけど寝起きで食べきれる量ではないかなと思いまして。……作れないわけじゃないよ、ホントに。


もぐもぐ味わっている結花から感想が聞けるのを待つ。


「うん、美味しい!」


結花は眩しいくらいの笑顔をほころばせる。


今日の任務、完了しました。

経験値30獲得!

一条優希の家事レベルはLv5に上がった!

まだLv5なのか。まだまだカンストへの道は遠いな。


てかずっとサンタコスなんだよな。

男子高校生にはその服装に対する耐性はありません。

どうしても胸に目がいってしまう瞬間がある。

師匠に、「女子ってそういう視線に敏感だからな!気をつけないと!」とは言われているのだけども。

欲望に抗えない残念な男ですみません……。


「あのさ、ちょっとやってみたいことがあるんだけど」


そんな俺の視線には気付かないで、結花が第三者に聞かれたら、俺が警察に引っ張っていかれそうな発言をする。


「え、なに?」

「ゆうくんと一緒に年越ししたいんだけど……?」

「おー、いいね!」

「やったー!今年こそはずっと起きてられそう……!」


え、可愛すぎ。

もしかしてこたつとかで寝落ちしちゃう感じなのかな。睡魔と格闘してるのが想像可能。



ごめん……父さん、母さん。

俺は正月も帰りません。というか帰れません。


まあ流石に冬休み明けの三連休とかで帰りますかね。


心の中で謝罪を済ませ、結花との年越しとお正月を楽しみにすることにした。


いつも読んでくださりありがとうございます!


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