2人でクラスマッチの練習
今日は土曜日。
ということで普段なら結花に家事手伝ってもらうはずなんだけど……。
なぜか朝からROUND1に来ていた。結花と2人で。
事の発端は昨日。
帰り道にまたクラスマッチの話になって、「バッティング練習しないとなー」って言ったら、「私もバレーボールしたいな」ってなったというわけだ。
結花は髪を結んでいて、服装も白のスウェットに、紺色のパンツと体を動かしやすそうな感じだ。
「ここ、初めて来た」
結花は辺りを見渡しながら言う。
「お、そうなんだ」
「わ、いっぱい遊べそー! 楽しもー、ゆうくん!」
「うん!」
いろんなスポーツができる、ということで結花のテンションも高そうだ。
朝のROUND1は良い。全然人いないからね!
順番とか気にせずにずっとバッティングしてても大丈夫だ。
「頑張れ、ゆうくん!」
俺ら以外に誰もいない空間に、結花の声援が響く。
「うん!」
ソフトボールが飛んでくるところは時速65kmとかで、逆に打ちづらい。
「あ、あれ?」
豪快に空振りする。
「惜しい……」
結花はネット越しに熱い視線を送ってくる。
(ちょっと球を待ってから振らないとな)
もう一度集中する。格好良いとこ見せたいしな。
カーン。
いちおー当てることはできた。打球の速さはないけど。
「おー!」
大したことないのにめっちゃ嬉しそうだ……
俺も、ファインプレーした時と同じぐらい嬉しくなる。
おっし、次の球だ!
結花も目を輝かせて待っている。
……ん?いくら待ってもボールが飛んでこないんだが。
……さっきので終わったの!?ずっとバット持って立ってたんだけど。
「じゃあ次、私やってみてもいい?」
「うん!」
「バッティングマシンも初めてだなー、どうしたらいいか教えて?」
「おっけー」
「ボタン押して、ここに立ってたらいいんだね」
結花はそう言ってバッターボックスに立つ。その立っている姿も様になっている。これは軽く打ってしまうのでは……?
「うん。じゃあ、ボタン押すよ?」
「わかった!」
「わぁっ」
1球目はタイミングが早くて対応しきれなかったみたいだ。
「意外とすぐ飛んでくるよー」
すぐにキリッとした顔で前を見据える。
カキーンと、快音が響く。
「打てた!」
結花はさっきまでの集中した表情とは違って、褒めてほしそうな感じで俺を見る。
「めちゃくちゃうまい!クラスマッチ、一緒にソフトボールしたいぐらい!」
「そ、そんなに? わぁ、1球飛んできてた」
結果、10球中8球ヒット。
2球も前見てなかっただけなので実質全部ヒットみたいなものだ。
結花さん、かっこよすぎです……!
バレーボールも2人で楽しんだ。
やっぱり結花さん、上手すぎ。
……アグレッシブにプレーするから、健全な高校生男子には少々刺激が強かった。
「あの娘、めっちゃ揺れてない?」とか言ってた大学生っぽい男たちをしばこうかと思ったけれど。
「楽しかったねー!」
結花は汗を拭いながら爽やかに言う。
「うん、結花といたらどこでも楽しいよ」
「え、ちょっと、恥ずかしい……けど、嬉しい」
恥ずかしがる感じもマジで天使です。
「また行こうね?」
「もちろん!」
また2人で一緒に行きたいところが増えた。
いつも読んでくださりありがとうございます!
更新遅くなってしまい、すみません!
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