優希、橘さんに認められる?
昨日だけでもかなりの癒しを頂いたのに、2日目もあるという素晴らしさ……!
気持ちいい朝を迎える。
しかも今日は橘さんの邪魔も入らないだろうし……!
朝起きていつも通りスマホを眺める。
『今日も楽しみだね、ゆうくん!』
明らかにテンション高そうなメッセージと謎の猫が踊っているみたいなスタンプが送られてきてた。
俺もめちゃくちゃ楽しみっす!!
翔琉からもメッセージ来てた。
『文化祭イベントは上手くいってる?』
師匠に進捗状況を報告する。
『おー、やるじゃん!
俺も2人の様子を眺めたいくらいなんだけど……』
おいおい……。
『まあ楽しんでな』
文末に泣いてる顔の絵文字付いてたんだけど、これはどうしたらいいかな?
「おはよー!」
「うん、おはよー。行こっか?」
元気の良い挨拶を合図に学校へと向かった。
「どこから行こうかー?」
「そうだね……」
偶然、昨日案内係してたところで橘さんに出会う。
「あれ、今日も仕事してんの?」
「……午前2時間、担当の友達が休みで代わってほしいって」
「そうなんだ」
「アンタは結花とデート楽しんで来なさいよ」
橘さんはいつものツンツンした口調だったけど、元気のなさを感じた。
「結花、相談があるんだけど……」
少し歩いていった先で、俺は立ち止まって結花にそう言う。
「……もちろんいいよ!」
俺はまた橘さんの担当のとこに戻ってきた。
「なんでまた来たの……煽り?」
「いや、そんなんじゃないよ。
橘さんが連れてきて欲しい人呼んできただけ」
結花が小走りで向かってくる。
「……どうして?」
「1人でやるより、3人でやった方が楽しいよ!」
「……!ありがとう」
「まあ、提案してくれたのはゆうくんなんだけどね」
「え、?」
「2時間ぐらいなら大したことないし、その、わ、私も一緒にいるからって言って」
だいぶ恥ずかしそうに俺が言ったことを伝える。
俺も恥ずかしくなって顔を背ける。
「ほんとにいいの?」
「うん!」 「ああ」
昨日と同じようにあまり人はやって来なかったので、3人で話しながら(俺はほとんど結花としか話してないけど)過ごした。
「じゃあここらへんで大丈夫かな。突然だったけど代わってくれてありがとね」
次の担当の先輩に引き継ぎを終える。
まだ10時半か。あと5時間も文化祭楽しめるな。
橘さんが何か言いたげにこちらを見ている!
「そ、その、ありがと」
「あー、別に大丈夫だから」
別に貸しを作ろうと思ったわけでもないしな。まあ結花に良いところ見せたかった、というのもないわけではないが。
「……午後は結花と一緒に回ってきて」
「え……?じゃあ……!」
「まだ認めたくないけど……一条くんなら結花を幸せにできそうだなって思ったから。結花も話してるとき、ずっと楽しそうだったし」
「……!」
そう言ってもらえて、なんだかとても嬉しくなった。他の人から見ても、楽しそうに見えるんだなって。
「でも、結花を悲しませたらホントに命はないから」
「大丈夫だって」
「2人で何話してるのー?」
「「いや、なんでもないよ!」」
いつもより少し睨みがきつくなかった。
肝心なところで素直になりきれない橘さんに結花と別れを告げて、2人で歩き始めた。
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