朝カフェ
「お洒落なところで勉強するの、気持ちよくていいですね!」
「こんなきれいなカフェあったんだなあ」
俺はつい感嘆の声を漏らす。
朝スタバ。
初めてスタバ行くのが、こんな風に一ノ瀬さんとの勉強会イベントになるとは思わなかった。
ガラス張りで外の公園の景色も綺麗に見える。そして木の匂いがいい感じ。マイナスイオン(?)感じる。
家で少し勉強してたんだけど、俺の集中が持たなくなったので、2時間限定でスタバ勉強会をすることになった。
とりあえずストロベリーフラペチーノ頼んで、と。一ノ瀬さんはバニラフラペチーノ頼んでた。
俺たちはフラペチーノの入ったコップを持って、席につく。
こうやってお互い向かい合って、女子、それも美少女と2人で優雅にカフェを楽しむのは初めてのことで、なんだか緊張さえする。
「……先飲まない?」
「そうですね!」
あれ、勉強は?(小声)
俺、このままだと何も勉強進まないで帰ることになりそうなんだが。
「「いただきます!」」
ストローではなく、あえてスプーンを受け取って使う。ストローだったら早くなくなる気がするんだよな。
口の中でとろけるホイップ。甘々。
こんなに美味しい飲み物があるとは……。
「その味、ちょっと飲んでみたいです、!」
「ダメ、ですか?」って言い出しそうな表情で聞いてくる。もちろん、いいに決まっているよ!!
この感じ、ちょっと前にも見たな……!
「んー、美味しいです!」
ちょっと唇にホイップついてる感じが、なんて言うんだろう、んー、一ノ瀬さんらしくなく微エロだった。
……何考えてんだ俺。
健全な思春期男子かよ。(いや、そうだよね?)
「優希くんも、私の飲んでみますか?」
一ノ瀬さんは唇をぺろっと舐めてから、驚きの提案をしてくる。
「うぉ、うん」
びっくりして、謎の声を発してしまった。
俺の心の中なんか知らずに(おそらく純粋な心で)お誘いをしてくる。
目の前に静かにクリームが乗ったスプーンが差し出される。
「こういうときって、何か言ったほうがいいんでしょうか? あーん、とか、ですか?」
「え……じゃあ、それでお願いします」
顔が湯気出てそうなぐらい熱くなってる。
「あーん」
俺はぱくっと一口で飲み込む。
一ノ瀬さんってクーデレと見せかけてふつーにデレデレなんだよな。
あと押しステータスいつの間にか上がりまくって……。
って、一ノ瀬さんも顔真っ赤じゃん!?
「じゃあ、そろそろ優希くんの家に戻りましょうか」
「そ、そうしようか」
結局満足に勉強することなくスタバを後にすることになった。
ちゃんと家では勉強進めるんだぞ、俺。
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