一ノ瀬さんの料理チェック
「おはようございます、今日もよろしくお願いしますね」
「うん、おはよ」
さっきまで目をこすっていたけど、ばっちり目が覚めた。
夏を感じさせる、白の肩出しワンピース。
正直、他の人に見せてほしくないなと思ってしまうぐらい可愛い。
???「推せますよね?」
どっかのアニヲタイケメンの声が聞こえてきた気が……
はい、推せますね!!
いつも朝からありがとうございます。
あと、よろしくお願いするのは俺なんだけどね。
「今日は何からしていきましょうか?」
「お昼ご飯にはまだ早いから、勉強する?」
「いいですね!」
俺たちは机で課題を広げる。
「ごめん、ここが分かんないだけど……」
「ここですか? これはあの公式を使って、、」
え。もう1学期の内容忘れかけてるやん。
これで一ノ瀬さんに勝つって言ってる俺。
夏休み後半はもっと勉強するんだぞ。
「お腹空いてきましたね」
「そうだねー
……今日は俺だけでお昼作ってみてもいい?」
「分かりました……!
完成楽しみにしてますね」
「うん」
一条優希の一ノ瀬さん超え計画、始動。
(超えじゃないです、追い付くんです)
今日のメニューは俺でも作れそうな、白ご飯と目玉焼きと味噌汁で行かせていただきます!!
今まで3ヶ月ぐらい一ノ瀬料理長の下で学んで(?)きた成果を見せるぞ。
とりあえずお米は無洗米を使おう。俺はまだお米をとぐ技術を身につけてない。
水を適量入れて、炊飯器にセットする。
(あとは頼んだ)
次は味噌汁作りだ。
具材は豆腐と人参と玉ねぎで行こうかな。
最近はピーラーの扱いにも慣れてきた。
慣れるも何もない? 聞こえないね。
まあ大きさは不揃いながら切り終える。
あとは沸騰してから味噌入れるだけかな。
ほぼ完成みたいなもんだ。
目玉焼きはわりと簡単だからね!!
「あと少しで出来るから、もうちょっと待ってて?」
「はい!」
(優希くんが作ってくれるなら、どれだけ待ってでも食べますよ?)
って声が脳内再生されそうな聖女的笑顔。
……ただの俺の妄想だって? ソンナコトイワナイデ。
お米が炊き上がった。味噌汁冷めてないかな……
「どうぞー、お待たせー」
「ありがとうございます!」
さっそく食べようかな。
「「いただきます!」」
「美味しいです!」
「ほんと? そう言ってくれて嬉しい」
「私も、いつも優希くんに美味しいって言ってもらえて嬉しいんですよ」
「うん、やっと作り甲斐みたいなのが分かったよ」
「また食べさせてくださいね?」
「もちろん!」
「それじゃあ、2学期始まってからいつかお互いのお弁当作りませんか?」
「おー、楽しそうだね」
「毎日食べたいくらいです!」
俺も一ノ瀬さんの愛妻弁当楽しみだよーって言いかけた。あぶね。
でもほんとに楽しみだな。
読んでくださりありがとうございます!
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