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勉強合宿の夜

 「うー、眠い……」


 夜ご飯を食べ終えて、午後9時になった。夜ご飯を作る時間も、食べる時間も楽しかったけれど、あっという間に過ぎ去ってしまった。ちなみに、夜ご飯はグラタンだった。



 俺は目を擦りながらなんとかペンを握りなおす。結花はさきにお風呂に入りに行った。


 今日やろうと決めた分はあと2問で終わるけど、明日以降楽をするためにも先に進めておきたい。

 正直、こんないいとこに来て勉強だけして帰るわけにはいかない……! 

 結花とイチャイチャしたいし。それが主な目的だろって? ……そうです。


 結花がお風呂から出てくるまでは、しっかり勉強しよ……。


 

 ◆◇◆◇◆


 「お風呂上がりましたー!」


 私は、髪を軽くタオルで拭いてから、あとはゆうくんに乾かしてもらおう、と思いながら脱衣所の扉を開ける。


 ゆうくんに優しく髪を梳いてもらいながら乾かすの、好きだな。いつも大切にしてもらってるけど、さらに大事にしてもらってる気がするんだ。


 「ぐぅ……」


 ゆうくんは、ペンを握りしめたまま、テーブルに突っ伏して寝ていた。ずっと勉強してて疲れたんだろうな。


 このまま寝てると確実に首とか肩とか痛めてしまいそうだな、とゆうくんを見ながら思う。


 よし、寝心地が良さそうな場所に連れて行こう、と私は決意した。

 けど……正直、私の力じゃベッドまで運べそうにはないな。


 ……そうだ!


 私はちょうどいいゆうくんの寝場所を見つけた。テーブルの高さ的にも……大丈夫だね。


 すやすやと気持ちよさそうに、夢の世界にいるゆうくんを現実に引き戻さないように、ゆっくりと移動させる。


 ……やっぱり、男の子だなあ。体もガッチリしてて、かっこいいな、なんて思う。


 私は、私は太ももの上でかわいらしい寝顔を見せて眠るゆうくんを眺める。うーん、ゆうくんはやっぱり、かっこいいよりは可愛いが勝つかなあ。


 ゆうくんの髪の毛を優しく撫でていると、胸の奥から愛しさが込み上げてきた。


 「ふふっ」


 太ももにかかる寝息がくすぐったいのと、ゆうくんの可愛い寝顔で、つい笑いがこぼれた。


 テーブルに置いてある、私のスマホまで手を伸ばして、カメラを起動する。


 私は、ゆうくんの寝顔を1枚撮ると、大事にスマホを握る。その画像は、しっかりとお気に入りに保存した。


 ◆◇◆◇◆


 んー……気持ちいいなあ。

 あれ……? 俺、勉強してたはずなんだけど。こんなふわふわな感覚って、勉強中に味わえるものだっけ。


 次の問題解くかあ、と思って、ごろんと90度回ってからゆっくりと目を開ける。


 ……へ?

 

 目を開けると、結花の嬉しそうな笑顔が見えた。あと胸も近い。……さすがに正直すぎる。


 「ゆっくり眠れた?」

 「うん……って、太もも、痛くない?」


 俺は後頭部の柔らかな感触が、結花の膝枕によるものだと今さら気付いて、飛び起きる。


 「大丈夫だよ。私も、ゆうくんの寝顔見てたら眠くなってきちゃったな」


 結花は、目をこすりながら、ふわーっとあくびをして言う。

 今日は、ここらへんで寝るとするか。さっさとお風呂入ってこよう。

 

 「明日の午後は遊ぼうね? 午前中頑張るためにも、早く寝ないと」

 「結花の言う通りだね」


 明日は、楽しい1日になりそうだ。……あっ、半日だったわ。


 

 


 

 

 

 




 




 


 




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