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体育祭当日

 なんやかんやあったが、準備は滞りなく進んで体育祭当日がやってきた。……「なんやかんや」で片付けられない気がするが。


 「おー、一条くんじゃん」

 「おお、おはよー」


荷物を運んでいると、天野さんと橘さんに出会った。


 「こないだ美味しい思いしたみたいじゃん?」


 天野さんは肘で俺のことをつつきながらニヤニヤして聞いてくる。そういうとこ、ほんとに翔琉と似てると思うよ。


 「なんで知ってんの」

 「結花から、一緒に閉じ込められたって話は聞いてさー」



 「で、どこまでイチャイチャしたの? キスの先も?」 

 「ぶはっ……!」


 隣でスポーツドリンクを飲んでいた橘さんがむせ返る。


 「……はあ!?」


 息ができるようになったらしい橘さんは顔を真っ赤にする。


 天野さんって橘さんの反応も楽しんでそうだな。てか俺まだ何も言ってないのに睨むのやめて? 


 「流石にそれはないよ。体育倉庫をその思い出の場所にはしたくないし」

 「それもそうだね」


 天野さんは俺の反応が思ったよりも普通だったらしく、ちょっとだけ残念そうだった。


 「じゃあ、競技も運営も頑張ってねー」


 そう言って手を振りながら天野さんと橘さんは去っていく。橘さんは無理やり手を動かさせられてたように見えたけど。



 「最初の競技は二人三脚かー、って俺出るやつじゃん!?」

 

 本部のプログラムを見て、俺は驚く。あとちょっとで始まるところだ。

 

 「遅かったなー、相棒」


 翔琉はニヤリとして、走ってやってきた俺の方を見る。競技前なのに少し汗をかいてしまった。


 「すまん、遅くなった」

 「まあまあ、大丈夫だよ。スタートには間に合うし」

 「いいとこ見せられるようにお互い頑張ろう」

 「そうだな」


 気付いたら俺たちはスタートラインに立っていた。


 「あそこに一ノ瀬さんたちいるな」

 「余計緊張するだろ」

 「まあ、たしかにな」


 翔琉に言われてから、前の方を眺めると結花たち3人は最前列で応援しようとしてくれていた。


 スタートの号砲と同時に、俺たちは息をぴったり合わせて駆け出した。


 大声援の中でも、結花の応援ははっきりと耳に届いた。


 俺たちは二人三脚を終えて、退場していく。


 「まあ、俺のペースで行けば1位になれると思ってたよ」

 「上手くついていけてただろ?」

 「おう、いいとこ見せれたな。……たぶん」


 なんでそこ自信なさげなんだよ。


 「ゆうくんたち、速かったね」

 「うんうん、やるねー」


 結花と天野さん、それに橘さんが出迎えてくれた。


 「はい、お疲れ様!」


 結花は冷たいスポーツドリンクが入ったペットボトルのキャップを開けて、手渡してくれる。

 運動したあとにぴったりな、爽やかな味わいだ。


 「去年結花と出たのが懐かしいな」

 「ほんとだね」

 

 競技の希望は揃えたはずだけど、人数の関係上無理だったらしい。


 「で、結花は結局何に出るのか聞いてないような」

 「えっと、私はね……」

 「ちょちょ、ストップ!」


 突然天野さんが制止してくる。どうしたの?

 なにやら結花の耳元でごにょごにょアドバイスしている。


 「……そうだね。楽しみにしてて、ゆうくん?」


 これは、これからの全種目を入場のときからばっちり見ておかなければならないみたいだ。




 



 


 

 




 


 


 










いつも読んでくださりありがとうございます!

更新遅くなってしまい、すみません!


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