表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
165/200

誕プレ選びwith翔琉

「お待たせ、翔琉」

「全然待ってないから、大丈夫だよ」

「……なぜ俺は朝からラブコメテンプレを翔琉とやってるのだろうか」


俺は頭をかかえながら言う。


「優希が一ノ瀬さんへの誕プレ選ぶから、ついてきてくれないかって言ったんだろ?」


……そうだけどさ。

朝からラブコメテンプレやって?とは頼んでない。

あと妙にクールな感じで言うのやめて? 思い出したら吹き出しそうになったんだが。


「まあ気を取り直して、行きますか」


翔琉はそう言うと、歩き始める。……今日俺メインなんすけど。




「どういうのが良いとかあるのか?」


様々なお店を見てまわっていると、翔琉は俺に心配そうに尋ねてくる。


さては翔琉、俺が計画なしに店を回ってると思ってるな? ……ちゃんと計画はある。


「結花に似合って、俺も着れるような服を探してるんだ」

「ペアルック……!?」


なんでペアルックが必殺技みたいな響きしてんだ。


「彼氏がしてみたいことランキングトップ5には間違いなく入るな。繋がりを感じられてむずがゆいような喜びが……ま、俺も付き合ったらぜひやりたい」


翔琉は謎の早口で前半を言い切り、正直な本音が最後に出てきた。


「じゃあ早く告白しよう」

「……」


分かりやすく静かになるイケメン、本当に面白すぎる。


「こんなのはどう?」


暖かそうなパーカーを指差して、翔琉は言う。

確かに、結花に着てほしいなとは思う。

けど、暑くなってくると出番が減りそうだ。


「んー、それもいいけど……パジャマとかどうかなって」

「なるほど……って泊まりの時だけじゃないか」

「いや……まあ……結構泊まったり旅行行ったりするから」


答えてて恥ずかしくなってきた。


「普通に羨ましいっっ!」


翔琉は両の拳を握りしめて言う。俺も立場が逆だったら、たぶん同じリアクションしてたわ。


冬だったら、もこもこしたパジャマを絶対買ってた。それを着てもらってぎゅっとしたら、気持ちよかったに違いない。


「こんなのは?」


翔琉はベージュの半袖シャツを見つけ出して俺に渡す。


「おお、着てみる」


俺は試着室に入って、さっと試着してみる。


「どうでしょうか」


翔琉は無言で親指を立ててくる。そのキメ顔すんなし。

俺はこれは買いだなと思いつつ、半袖シャツをたたむ。


「上から羽織るのも買っておこうかな」


さっき見たパーカーよりも多少風通しの良さそうな生地のを手に取る。


シャツ+パーカー姿の結花を想像してみる。

チャック付きの、ねずみ色のパーカーで、あえてチャックは閉めないでいてほしい。

俺のベッドの上にちょこんと座っててほしいな。


「……これも買いだな」


そう呟いてからレジに向かいかけて、俺は足を止める。


「どうした?」

「いや、これも……ありだなと」


俺は猫耳つきのパーカーを指差す。俺が着るとなると微妙だが。


「もう買っちゃおう」


俺は、腹を決めてカゴに猫耳パーカーを追加する。ばいばい……諭吉。また会おう。


「喜んでくれるといいな」

「そうだな、あとなにかしらサプライズもしたいな」


そういうわけで、俺たちは買い物を続けた。
























いつも読んでくださりありがとうございます!


ブックマーク、評価が励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ