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沖縄旅行③

俺たちはお風呂から上がってきて、部屋へと戻ってくる。長く入りすぎて全身がふやけてしまいそうだ。


「さっきみたいな、いつもと違うゆうくんをもっと見せてね」

「あれくらいたまにやってる気がするが」


結花は俺の心もふやけさせようとしてくる。


……俺、そんなにいつもひよってるかなあ。


結花はごろんとベッドに転がる。結花はいつか着ていたのとは少し違うけれど、同じようにはだけていて解放感があるネグリジェを着ている。


俺は、抑えきれなくなって結花に近づく。

そして、上から結花に覆いかぶさろうとする。


「ゆうくんにしては、大胆だね?」


結花がまだ余裕そうに言う。少しでもその余裕を崩したいなと俺は思う。


「……」


俺は無言で結花に顔を近づける。結花は俺が何をしようとしているのか気付いたみたいで、ゆっくりと目を閉じる。


俺は結花の唇に自分の唇を重ねる。


結花は腕を伸ばしてきて、するすると俺の体に絡ませる。そしてさらに俺を結花と密着させる。


俺は長い間結花の柔らかな感触を味わいながら、結花の表情が徐々にとろけてきているのを感じる。


ふにゃあと結花の腕の力が抜けていく。一旦離れるか……。


結花は顔を赤くして、息を荒げながら俺のことをじっと見つめる。


苦しいからちょっと休憩させて?、っていう目にも、もっと続けて?って感じにも思える、懇願するような少し潤んだ瞳を結花は俺に見せる。


まあ、どちらにせよ続けるけど。


俺は再び結花の唇を奪う。

結花も、俺を求めてまた強く抱き寄せる。


俺は結花の唇をさらに味わおうとする。

それが思いがけないことだったらしく、結花はぶるっと小さく震える。

普段は整えられている黒髪が、乱れきってベッドの上に広がっている。



結花は、さっきよりも息を荒げている。耳まで真っ赤になっていて、それに気付かれないように顔を背けようとしている。……俺、気付いてるけど。


今の結花の行動ひとつひとつが、俺のブレーキを壊していく。


俺は3度目の口づけをする。


結花は目がとろんとして、口元もゆるんできている。


「……んっ」


悩ましい小さな声がその口元から漏れる。


「なんだか、ゆうくんが狼みたい」

「俺が狼なら……結花は狙われた可愛らしい赤ずきんってとこ?」


……いや、赤ずきんと言うには結花は攻めてきすぎでは?

最初の頃の少し甘い空気になっただけで恥じらっていた頃ならともかく。


「ゆうくん、どうしたの?」


俺はそう考えていると自然に微笑んでいたみたいだ。結花にじっと見つめられている。


「いや、結花は赤ずきんではないかなと」


そうちょっと笑いながら言った次の瞬間、視界の天地がひっくり返った。


結花に袖をぐいっと引っ張られて、俺はベッドに仰向けになっていた。


「……そうだよ? 私もどちらかと言えば狼、かな」


さっきまでと逆転して、俺が結花に覆い被さられている。

結花がなんだかめちゃくちゃカッコよく見える。


結花の頬の赤みはさっきまでよりも増している気がする。


「今からは私の番だね」

「あの……お手柔らかにお願いしま……!?」


俺が言い切るまえに口を塞がれる。


結花のスイッチも俺は押してしまったみたいだ。















いつも読んでくださりありがとうございます!


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