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お泊まり後の朝

「んー、眠いな」

 ほんとに全く寝れなかった。寝れなすぎて昨日より疲れたまである。


(一ノ瀬さんは……?)

 一ノ瀬さんの方を見る。


(……可愛い)

 枕をぎゅっと抱きしめて寝ている。

 寝顔は見たいけど、流石にやめとこう。俺にも一応自制心はある。


「んー……」


 一ノ瀬さんは寝返りを打ってこっち側を向き、小さな寝息を立ててすやすや眠っている。

 一条優希は意図せずに寝顔を拝むことに成功した!

(これは狙ってないからセーフ!)

 とりあえずこの光景は目に焼き付けておこう。



「……おはようございます」


 一ノ瀬さんはパッと目を開く。

 俺はびっくりして、見とれていたことを悟られないように慌てて目を逸らす。


「そんなにびっくりしなくても大丈夫ですよ?」

「え、いや、びっくりシテナイヨ?」

「別に優希くんに寝顔見られても気にしないので!」

「……可愛かった」

「ええっ!? は、恥ずかしいです」


 ついに本音が口から漏れ出てた。

 距離感バク(バグ?)ってるのに可愛いって言われることには慣れてないらしい。

 耳まで茹で上がったような赤色になってる。


「あ、朝ご飯食べましょう!」


 一ノ瀬さんはバタバタと台所に逃げて行ってしまった。

 そういうところも普段のクールな感じとのギャップでめちゃくちゃ可愛いんだよなあ。


「何食べますかー?」

「一ノ瀬さんが作ってくれるならなんでも食べたいよ」

「その言い方はずるいです……!」


 ちょっと照れてた。

 それを隠すように、ぷくーと頬を膨らませる。

 ……その表情も回復力がすごいんです。



 朝から絶好調だ。

 普段の7時間半睡眠より、今日のこの起きてからの30分の方が体力回復してると思います!




 一ノ瀬さんはフレンチトーストを作ってくれた。

「どうですか?」

「めちゃくちゃ美味しい……!」


卵と砂糖と食パンでこんなに甘くて美味しい食べ物が出来るんだ、と俺は感動した。


「えへへ、嬉しいです」


 一ノ瀬さんはなんだか溶けていきそうな感じで笑ってる。

 尊い。


 あと、久しぶりに誰かと朝ごはんを食べられることの素晴らしさにも気づきました。

 いつも朝は黙々と食パンを口に詰め込むだけだったけど。


「今日は何しよっか、?」

「どこか行きますか?」

「んー、でも一ノ瀬さんも疲れてるだろうし、俺も今日あんまり寝られなかったから、良かったら俺の家で過ごさない?」

「いいですよー」


(家でなにしようかな……)

 俺ん家、そんなにものないわ。

 一人暮らしに必要なものしかない。

 家具といえば、冷蔵庫、洗濯機、ベッド、ロボット掃除機(あんまり働いてない)とテーブル、椅子ぐらい。

 テレビ? そんな文明の利器はねえ。


 やっぱり前言撤回。

 どこかに行こう。


「ごめん、やっぱりウチあんまりものないから、どっか行かない?」

「いいですよー! でも、家でゆっくり過ごすのもアリだと思いますよ?」

「んー、じゃあ何か家でも遊べるもの買いに行こうかな」

「いいですね!」


「じゃあ、支度するからちょっとだけ待っててー」

「分かりました!」

「一回一ノ瀬さんの家寄った方がいいよね?

 一ノ瀬さんの準備もあるだろうし」

 別に他意はない。

 そのときに家上がりたいとか思ってないからね、ほんとだよ?

 ……上がりたいのは上がりたいけどね。



 そんで俺たちは一ノ瀬さんの家の下までやって来た。

 かなり高いな。。。

 何階建てなんだろ。上の方見てたら首痛くなるよ。


「じゃあ準備してきます!」

「うん!」

(家上がりたい……)


 俺の隠れた願いには気付かずに走って行ってしまった。


 ……結局今日のところは一ノ瀬さんの家に上がる夢は叶わなかった。

 まあ、俺の夏はまだまだ始まったばかりだ!!



読んでくださりありがとうございます!


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