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お正月の予定決定

俺は差し出されたケーキを頬張る。


「美味しい?」

「こふっ……うん、もちろん。甘さ倍増だよ」


ケーキが思ったより大きくて、喉に詰まらせかけた。

死因がケーキによる窒息って笑えねえよ。

まあ結花の甘々なケーキが最後の晩餐となるならわりとありです。


……本格的になに言ってんだ。脳外科かなんかに行くべきかも。


「……結花も」


俺は作ったケーキをできるだけつぶれないように、フォークに刺して結花の方に差し出す。


結花は、パクッとケーキを口に入れる。


「美味しい! もう一口もらってもいい?」


結花は口の中でケーキのホイップがとろけるのをしばらく楽しんでから言う。


「うん、いいよ!」


そう言って俺がケーキをフォークに刺した瞬間、机の上の俺のスマホが振動する。


心の中で、今電話かけてくるなよ……。と呟きつつ、ケーキを結花の方に差し出す。

電話取らんのかい。


「え、電話取らないの?」

「まあ、このタイミングで俺に電話かけてくるのは翔琉1人しかいないから」


翔琉ならラブコメを察知して2回目はかけてこないはず。

同じ空間にいなくても察知できるのは超能力者だと思います!


電話が切れてから、俺たちはラブコメを再開しようとする。


フォークに刺さったケーキを結花が食べようとしたとき、また電話が鳴る。


俺はフォークを仕方なく置いて、スマホの画面を確認する。


あ、親さんでした。

結花に一言断りを入れて電話に出る。


「もしもしー、優希だけど。どうしたの、母さん」

「お正月は帰ってくるよね?」

「あー、えっとー、どうしよっかなー」


俺は結花の方をチラッと見ながら言う。


「今の家いても暇でしょ?」

「いやべつに……暇じゃないけど」

「え……もしかして、彼女いるの? 優希に?」

「言い方ひど!?」


俺がそう言うと、母さんは明るくけらけら笑う。


「それなら、一緒にうちに泊まっていったら?」

「……はい?」


予想外の提案をされて、俺は耳を疑う。


「いや、私も未来の優希のお嫁さんに、『お義母さん』って呼ばれてみたいなーって。どんな娘かなあ」


ま、一回会ったことあるんですよねえ。

っていうか『お義母さん』って呼ばれてみたい、ってどういうことだよ。


「もしかして、今一緒にいたりするの? クリスマスだし?

わー、ラブラブだね」


俺の親もラブコメ好きだったのかもしんねえ。


「一緒にいるなら話したいなー」

「今度でいいでしょ、行くことになったら連絡するから。じゃあ切るよ」

「はーい」


その声を聞いて、俺は電話を切る。嵐が過ぎ去ったような感じだ。


「……ってことで、お正月、俺の家来る? あ、周りなんもないかもだけど」

「大丈夫だよ、むしろゆうくんの実家、行きたいな」

「ほんとに?」

「うん、ゆうくんのご両親にも挨拶したいな。じゃ、お正月の予定は決まりだね!」


メッセージアプリを開くと、熊……?が踊り狂ってるスタンプと「色々揃えとくねー」ってメッセージ来てた。


……色々ってなんですか。












いつも読んでくださりありがとうございます!


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