クリスマスの朝
「んー、よく寝たあ」
今日はクリスマスだ。昨日もパーティーをしたから、まるでクリスマスが48時間あるかのようだ。
小学生のころとかは枕元に何が置いてあるかな、ってワクワクしたなあ。
サンタさんの正体を知ったときは複雑だったのを覚えている。知らない方がいいことも、たぶんこの世にはいっぱいあるのかも、と幼いながら思った記憶が……。
「……え!?」
俺の枕元にプレゼントが置いてある。俺、置く場所間違えたかなあ。寝ぼけてたのか。
そう思って、結花へのプレゼントを置いたはずの場所を見ようと、体を起こす。
そうすると、優しく微笑んでいる結花が視界に入る。
「メリークリスマス、ゆうくん」
「わっ……ありがとう」
結花は俺が置いていた箱を手に持っている。良かった、置く場所は間違えてなかったみたいだ。
「一緒に開けよう?」
「そうだね」
俺は今までとは違って、結花にピッタリなクリスマスプレゼントを自分で考えた。
翔琉に相談しようかな、と思ったけど。
そういうわけだから、結花が喜んでくれたらとても嬉しいな。
「結花も……メリークリスマス!」
俺がそう言って、2人で同時にラッピングを開けて、プレゼントを取り出す。
「すごい偶然だね」
「うん、ほんとに……たまたまだよね?」
「うん」
俺たちはプレゼントの中身を確認して、お互い目を丸くする。
それもそのはず、出てきたのはまったく同じネックレスだったから。
俺たちは意図せずにお揃いのものを持てた、ってことか。
「こんなこと、あるんだね。ゆうくんから貰えて嬉しい。あと、お揃いだからもっと嬉しい」
結花はネックレスを手に取って、まじまじと見ながら微笑む。
「俺も嬉しい。結花に似合いそうなデザインだな、と思って買ったんだ」
結花は俺の言葉を聞いて、さっそく身に付ける。
ネックレスは胸元でキラキラ輝く。真っ白なネグリジェの良いアクセントになっている。
「どう、かな?」
昨日の夜に見た結花よりももっと大人な雰囲気が出ている気がする。
「……すごく似合ってる」
「じゃあ、毎日着けるね。ゆうくんも着けてみて」
結花にネックレスをかけてもらう。元々身に着けていなかったものなのに、ずっと昔から着けていたかのような感覚を胸に感じる。
「ゆうくんも似合ってる」
そう言ってるわりには、なんだか吹き出しそうでは?
「サンタのパジャマでネックレスしてるの、面白いね」
「あ……」
俺、なぜか洗面所に置いてあったサンタ衣装(2着目)を着てたんだったわ。
俺も笑いをこらえきれなくなって、2人とも笑い出す。
「今度着けて一緒にお出かけしよう?」
「そうだね」
俺は結花のお誘いに頷く。
そのあと、結花が洗面所の鏡の前で、「ゆうくんとお揃いかあ……えへへ」って言いながら身に付けたネックレスを何回も確認してた様子を見たのは、俺だけの秘密だ。
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