テスト勝負の結果
テストの終わりを告げるチャイムが鳴る。
「やっと終わったー!」
今回は俺の人生史上一番勉強した気がする。
来週の順位表が楽しみになるほどに。
(これなら学年1桁は行ったかも……)
「テストどうでしたか、優希くん?」
「まあまあ良いかなー、一ノ瀬さんは?」
「どの教科も結構自信あります!」
(まじかよ……。)
「ま、とりあえずテストおつかれー」
月曜になる。
「俺、何位かなー」
お、見っけた。
「3位!?」
「おー、優希、トップ10入れてんじゃん!」
「「なんだと?」」
周りの男子たちが俺の方を見る。
「あの一ノ瀬さんにいつも話しかけられてるやつ、頭いいのかよ」
「なんだよ、勝ち組じゃねーか」
「非リアの敵……!」
そんな声が聞こえてくる。
褒めてくれてありがとー。
しかし! 俺は勝負に負けている。
一ノ瀬さんと20点差もつけられた。
まあテスト前しか勉強しないから当たり前なんだけど……
(いつか勝つんだ……!
一ノ瀬さんと同じレベルまで行きたい……!)
それにラブコメにありがちな勝った後の告白もハッピーセットで。
「優希くんに勝ってましたね」
「えへ」って声が聞こえてきそうな感じな笑顔。
「そうだね……まだ一ノ瀬さんほど頑張れてないかな」
「次も勝ちます!」
「俺も頑張るよ」
「「テストおつかれー」」
週末。
翔琉をはじめとする友達4人でカラオケに来た。
今日は家事代行の予定をキャンセルして、
「たまにはゆっくりした方がいいよ」
と送っておいた。
テスト後のカラオケは高校生の定番すぎる。
「一番点高かったやつに菓子買うぞ」
「おー、いいね」
「燃えてくるな」
「7時間もいたんだな」
「はい、優勝賞品」
「おー、ありがとう」
なんか俺が一番点高かった。
って、これ子供が食べるやつじゃん!?
あの練ったりするやつ。
「優勝賞品ってこれ?」
「久しぶりに食ったら案外旨いかもやん?」
「ほんとか……?」
帰ってから食べよ。
翔琉とは帰る方向が同じなので、一緒に電車に乗る。
「で、一ノ瀬さんはどんな感じなの?」
「ん、なにが?」
「付き合えそうなん?」
「んー、最近は距離縮まってきてる気はするんだけどね……」
「じゃあもう告ればいいじゃん」
「いやー、テストで勝って、かっこ良く決めたいんだよー」
「……ははは」
「なぜ笑う……。」
「なんかそういう純粋なところいいよね、優希。
ラブコメテンプレ主人公か」
そう言ってまだ笑い続ける。
「そんなに笑うか!?」
「いやー、ちょっとおかしくて
でもそんなところが好きになってもらえる要素なんだろうな」
「おー、それ褒め言葉?」
「じゃあそういうことで」
「まあ、頑張れよ
夏休みでなんか良い報告聞かせろよー?」
「……おん」
正直俺も夏休みは期待で一杯だ。
一ノ瀬さんとどっか行けたらいいなー。
今のうちに行きたいところ考えとこー。
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