表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
118/200

修学旅行3日目①清水寺へ

「これ朝の疲労感じゃねえだろ……」


俺は朝から窓の外を眺めて遠い目をする。

昨日は同室組のコイバナをずっと聞かされた。

俺は何も話さず、ただ聞き役に徹した、というか話そうとしたら遮られた。おい。


まあもちろん学年1の美少女である結花の話題は出たんだけど。

「クールな感じがいいよねー」とか、「スタイルいいよな」とか。 俺ならそんな稚拙な言葉だけじゃなくて、もっといろいろ言えるけどな!!


とりあえず、うんうん、そうだよねって感じに笑顔で頷いてたら、また枕投げ戦争が開戦された。理不尽。

そして今に至る。


「昨日一ノ瀬さんと会って充電MAXになってたから大丈夫だろ」

「適当だな……。まあ朝ごはん食べに行くか」


俺たちは昨日と同じく、豪華な食事をレストランでいただいた。

美味しい料理で半分ぐらい充電貯まったかな、まだ結花には会えてないからフル充電ではないが。



部屋に戻り、今日の班別研修の荷物を持って、また下に降りる。


「おはよ、ゆうくん」


後ろから肩をツンツンつつかれて、俺は振り返る。結花はとろけそうな笑顔を俺にだけ見せる。


「今日も楽しもうね?」

「もちろん!」


俺は結花にニッと笑いかけて、一緒に歩きだした。



「今日は、まず清水寺に行って……そっから北野天満宮だったよね」

「「うん、そうだよ!」」

「……そうよ」


結花と天野さんが返してくれる。橘さんは……さっきじゃんけんで結花の隣争奪戦に敗れたことを若干根に持ってるのだろうか、遅れて返事をする。

それでも俺はこのポジションは譲らないけど。


「……八つ橋はルートに入ってるよね?」


橘さんが念を押すように聞いてきた。


「ああ、清水寺の参道に美味しいお店があるらしいから、そこに行く予定だよ」

「なら良かった」


わりと甘党なんだよな、この人。普段の言動からしたら辛党っぽいのに。

あ、甘い物で中和してるってことか。なるほどね!


そんなこと考えていたら、甘党氏にじとーっと見られていた。

やば、心読まれてないかな。


「あ、もう次のバス停だよ」


バスの表示を見て気づいた結花がそう言って、俺たちはバスを降りる準備をする。



俺たちは清水寺の下のバス停に着いた。秋らしいそよ風がバスを降りた俺たちを迎えてくれる中で、俺たち参道を上っていく。


「八つ橋はあのお店だよ」

「あ、あれね」


橘さんはちょっとそわそわし始める。そんなに食べたいのか。


「そんなにそわそわしないでも、帰りに寄るから大丈夫だよ」


俺はそんな橘さんの様子を見て、少し笑いながら言う。


「別にそわそわなんかしてないけど?」

「ちょっとそわそわしてるよ、花奈」

「そ、そう?」


結花がくすっと微笑んで指摘すると、橘さんは少し恥ずかしそうに言う。

あのー。俺の時も、もうちょっと甘く返してもらってもいいんですよ?


そうこうしてるうちに、清水寺の本堂がすぐそこに見えてきた。




いつも読んでくださりありがとうございます!


ブックマーク、評価が励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ