表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
116/200

修学旅行2日目②結花たちと嵐山

乗っているバスが路面の凹凸に合わせて揺れるせいか、少し眠たくなってきたなあ……。


バスの揺れに合わせて、俺もうたた寝して前後左右に揺れる。これ授業中にやってたら一発でバレるやつ。



「んー……」

「……ゆうくん、起きて?」

「今日は結花来るの早いなー……」

「ゆうくん、バスもうすぐ着くよ?」

「えっ!? あ、ほんとだ」


一瞬夢でも結花が出てきてくれたかと思った。でも現実が一番か。すぐ手の届く場所にいるんだし。


俺は慌ててバスから降りる準備をする。

1分もしないうちに俺たちは目的地のバス停でバスを降りた。あぶね。


「一条くん、ずっと結花に寄りかかってたよー?」

「……私はすぐ引き離したかったんだけど」

「ごめん、結花。重くなかった?」


バスを降りたあと、俺のバス内での寝方をいじられた。

今の頭とか首の感じから、けっこうがっつり寄りかかってた気がする……。


「大丈夫だよ、前もそんなことあったし……あ」

「私たちのことは気にしなくていいよー、惚気ならいつでも聞くから」

「私は聞きたくないんだけど……」


天野さんの勢いには橘さんも押されぎみみたいだ。天野さんつええ。


「やっぱり2人はラブラブですなあ。さっきの結花も見たことないぐらい優しい表情して一条くん見てたね」

「え、そ、そうだった!?」


天野さんはイジリの標的を結花に変えたらしい。

結花は急に慌てふためく。


「結花は反応まで可愛いねー」

「……もう」


この修学旅行の班の中で一番強キャラなのは天野さんだなと思った。俺も強キャラになりたい、恋愛面で。



「わあ……綺麗」


渡月橋の上で、結花が感嘆の声を漏らす。

橋の下を流れる桂川のせせらぎの音が心地よい。心が綺麗に洗われていきそうだ。

山はふかふかの紅い絨毯みたいに色づいている。いつか、夜ライトアップされたのも見てみたいなあ。


橋をゆっくりと歩いて渡り終えた。

そして、「嵐山と言えば○○」で、渡月橋の次に○○に入りそうな竹林の小径を目指す。



「おー、ここかあ」


両脇には青々とした竹が、上の方まで伸び伸びとそびえ立っている。

緑の壁みたいだ。

ここ、翔琉が行きたいって言ってたなあ。アニメの聖地らしい。おすすめされたのにまだ見てないなあ……。


「あ、あそこに神社あるね」

「ほんとだ、お詣りしていく?」

「そうだね!」


その神社は森の中にあって、神秘的な雰囲気だ。

鳥居の前に、「えんむすび」と大きく書かれた看板が目立っている。


縁結びかあ。結花に出会えたから願うことはもうほとんどないんだけど。


「あの石触ったら願いが叶うらしいよー」

「どれどれ?」


こういうの、だいたい触るんだよね。 地元には石の間くぐるのとかもあったなあ。 やっぱり運気は貯めておくべきかなと思って。


石のざらざらする表面を撫でる。

お願いは……。結花とこれからも一緒にいられますように、っと。


「ゆうくんは何お願いしたの?」

「えー……結花から教えて?」

「私はね……」


結花が耳元でそっと囁く。


「へっ……!?」


俺の願いをあっさりと超えてきた。

俺は結花の顔を二度見する。まだまだ結花には敵わねえな。特に恋愛面で。俺も強キャラになりてえよ※本日2回目


「……その願い、叶えたいね」

「うん!」


俺たちの様子を見て、天野さんたちはまたラブコメしてるよ、やれやれって表情をしていた。


いつも読んでくださりありがとうございます!


ブックマーク、評価が励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ