天才美少女の悩みと昼休み
中間テスト+イベントラッシュ、怒涛の週末を乗り越えて学校にやって来た。
今日は成績上位者のテスト結果が朝から貼り出される。
この学校なんか仕事早いんですよねー。
さてと、一年生の結果はと、
俺の名前はどこかなー?
「おー、優希載ってるじゃん!」
先に翔琉に見つけ出された。
「え、どこ?」
「そこだよ、学年25位だってな!
一学年400人だからかなり上位じゃねえか」
「おー、なかなかいいね
って、一ノ瀬さん1位じゃん!?」
「そりゃそうだろー
2位に30点差もつけてるな」
「やっぱすげーなあ」
周りのやつらも「やっぱ天才だよな……一ノ瀬さん」って言ってる。
人も増えてきたし、そろそろ席座るか……
「1位おめでとう、一ノ瀬さん」
「ありがとうございます!」
「普段からめちゃくちゃ努力してるから当たり前なのかも知れないけど、、」
「そう言ってもらえて嬉しいです……でも……」
一ノ瀬さんは廊下を眺めて少しだけ表情を曇らせる。
「……あんまり天才って言われたくないんです……。」
「んー、まあ天才って言われたら
なんか才能だけでやって来てるみたいな感じするもんなあ……努力してるからこその結果なのにね」
「……はい」
「でも一ノ瀬さんが頑張ってること知ってる人もいるから……
俺とか」
……。
それ言って良いの、イケメンだけだよ。
俺が言ったらかなりイタイぞー。
「ありがとうございます!」
パッと花が咲いたような笑顔になる。
え、こんなので元気になってもらって大丈夫なの?
可愛くて格好いい一ノ瀬さんがこんなにチョロくていいんですか?
ワンチャンあるかと思って勘違いするよ、世の中の男子が!
俺を筆頭に!
昼休み。
いつも通り一ノ瀬さんは勉強している。
その姿をついつい眺めてしまう。
「おーい、昼食べに行こーぜ」
「うん、今行く」
梅雨シーズンは外でお昼食べられないから食堂は混雑している。
今日もなんとか人数分の席を確保する。
「最近さ、めっちゃ一ノ瀬さんに話しかけられてない?」
「え、誰が?」
「「「お前じゃ」」」
翔琉をはじめとする友人3人が見事にハモる。
「俺?」
「自覚ねぇのかよ……」
「まだ学校ではそんなに喋ってないけどねー」
「ん、『学校では』?」
「あ、いやいや、ふつーに、隣の席の割にはそこまで喋ってないと思うけど?」
なんとか誤魔化しに成功する。
「おいおい、結構喋ってるだろ……
今まであんなに会話を続けられた男は優希しかいないぞ」
「まじか」
「数多の男どもの嫉妬が凄いのも気づいてないのか……?」
「え、そうなの?」
「大丈夫か……?」
3人とも顔を見合わせて苦笑いしている。
「まあここまで来たらゲットできるように頑張れよ」
「……おう」
いちおー返事はしておく。
「で、今どこまで行ってんだ?」
2人は外に遊びに行ってしまったので、翔琉と教室まで戻る。
「買い物とかなら行ったよ?」
「は……!?」
急に翔琉が立ち止まる。
「え、どうした?」
「優希ってそんなに恋愛強キャラだったのか……
圧倒的弱キャラかと思ってた……!」
「いや、失礼じゃないか!?」
「いやでも、中学のとき彼女いたか?」
「……いなかった」
「恋愛運高校生活に全振りしてるんじゃないか?」
「そうなんか……?」
いきなり真剣な顔つきになる。
「このチャンス逃したらダメだぞ!!」
「、おぅ」
「俺はいつでも応援してるからな!!!
でも先に彼女ゲットするのは俺だからな!!!」
「謎に宣言してるやん」
「もちろん」
「まあ、頑張ろー」
心強い友達を俺は高校で見つけられたみたいだ。
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