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出発の時

「じゃあ行ってくるよ、向こうについたられんらくするね。」

俺は、改札口で見送りに来てくれたオカ研のメンバーにそう告げる。




「えーーパイセンもういっちゃうんですか?なんか寂しいです、、」

オカ研のメンバーで俺の後輩でもある照井春奈が悲しげな表情でそう言った後、唐突に抱きついてきた。

「ちょっと!やめろよ公共の場だぞ!?」

思わず自分でも情けない声を上げる。毎回抱きつかれるたびに思うんだが、春奈は結構かわいい。オカ研のメンバーだから普段は意識しないが、丸く、どこか幼さがみえる顔に可愛らしいツインテールが魅力的だ。俺みたいに前髪もろくに切らず、死んだ目をしている人とは違って近づくだけで活発なオーラが見えてくるようだ。

「だってー先輩と夏休み中会えないとなると急にさびしくなっちゃってー」

つぶらな瞳をこちらに向けてきてそう続けた。




しかし、おれは知っているこいつは毎回俺をこんな風にいじめて楽しんでいるだけだと。だから、こちらが少しでも変な反応をすると、彼女の思うつぼだ。

「はいはい、分かったよ」

俺はできるだけ意識しないように彼女を体から引きはがす。




「いつものじゃれあいは終わったかい?」

声がした方向を向くと江倉瑠衣があきれた顔をして立っていた。彼はかわいい顔立ちをしており髪もきれいなエメラルドブルーをしているが男だ。彼とも長い付き合いをしているが未だに勘違いしてしまいそうになる。

「瑠衣、来てたのか」

俺が口を開くと、瑠衣は冷たい口調で

「イチャつくならさ、もっと時と場所を考えたら?」

と言われてしまった。

別にイチャついてない!!というツッコミをしたかったが、不毛なやり取りになりそうだったので止めた。




「まあまあ、せっかく別れの時なんだしギスギスするのはやめとこうよ」

空気が冷たくなりそうだった時に陸人が助けを差し伸べてくる。マジ感謝、ありがとう陸人

「そういえば陸人、俺がお世話になる家の主の名前は、、?」

陸人から、家の大まかな場所は聞いていたけれど名前までは聞いていなかったので、ふと気になって聞いてみる。

「あれ?まだ伝えていなかったっけ?」

陸人が驚いたような顔をして答える。

「あんたねえ、、もっと段取り良く伝えなさいよ、、、」

瑠衣が呆れた顔をして釘を刺してくる。

「うっ、、ゴメンって、わーったよ!伝えてない俺が悪かったって!」

すこし涙目になって陸人が叫ぶ。そのあと俺に向き直って、

「いいか、お前がお世話になる家の娘さんは桐谷さんだ。覚えとけよ!」

とやけくそ気味に叫んだ。




なるほど桐谷か、よく覚えておこう。

陸人の叫びを聞いた直後、駅のアナウンスが鳴り響く。

「あっ!列車くるよ~早くいかないと~」

「そうだね、じゃあ行ってくるよ」

俺はそう告げ改札を通る。少し話しすぎた、急がないと間に合わない。

「とっておきのスクープ期待してるよー!せんぱーい!」

後ろから春奈の叫び声が聞こえる。悪い、急いでいるんだ。そう心の中で呟き、俺は急いで階段を駆け上がる。

そして俺は結局――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――───間に合わなかった。








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