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三話

「楽に……ですか?」


「はい、楽にです。先程の人数ですと大体半分の時間で終わらせる事ができると思います」


「そこの所詳しく!」


 おっと、マリーさんじゃなくてさっき登録について教えてくれたお姉さんが食い付いたぞ。


「あっ!失礼しました。私エミリーと申します」


「すいません、私もまだでしたね。マリーです」


「あたしはシャルロッテ。シャルって呼んでね」


「僕はハチです。そのままハチって呼んでください」


 エミリーさんは僕と歳はそんなに変わらないくらいに見えるけど、どこか大人な雰囲気を感じさせる。

 マリーさんは二十歳前後位かな?

 シャルさんは高校生位に見える。


「いくつかお伺いしますが、まず冒険者にはランクは存在しますか?」


「ええ、Fから始まりSまであるわ」


 エミリーさんが答えてくれた。真剣なのか口調が砕けている。


「ありがとうございます。ちなみにFランクの冒険者がAランクの依頼を受ける事は出来ますか?」


「それは出来ないわ。依頼にもランクが設定してあるんだけど、自分のランクの一つ上の難易度まてましか受理してはいけないことになってるわ。例外もあるけどね」


 冒険者、依頼、共にランク付けしてあると。


「そうですか。では次の質問ですが、依頼の種類はどのようなものがありますか?」


「種類?大まかに分けると討伐、納品、採取、護衛かしら。後はここだと開拓の手伝いとかね」


 カテゴリーの概念はあると。


「このギルドだと、どの依頼が多いですか?」


「さっき言った順になるわ。討伐、納品、採取、護衛」


「依頼は複数同時にこなすのは問題ないですか?」


「問題無いけど同時受注は採取以外ほとんどしないわね」


「それは何故?」


「納品はもちろん討伐も討伐証明が必要なの。空間収納魔法や魔法鞄(マジックバック)持ちで無い限り、荷物で手がふさがってしまうもの」


 魔法や魔道具もあるの!?いいねいいねぇ!って違う!にやけそうな顔を引き締める。


「成る程、ありがとうございました」


 大体把握出来たかな?まだまだ確認したい事はあるけど機会があれば次でいいや。


「エミリーさん、この後冒険者の方々は依頼を受けに来ますか?」


「さっき受けた依頼が早く終わればもう一度来るわね。だいたいお昼位かしら?他にも冒険者はいるけど彼らは今日は休息日だから」


 今が七時前だから十二時までとして五時間。それだけあれば余裕だ。


「これから早速始めようと思うのですが一つご相談が。今回の件での報酬を決めたいと思います。きちんと効果が確認出来るのは明日の朝になるのですが、今持ち合わせが無く報酬の幾らかを前金としていただきたいのです」


「前金?」


「はい。と言っても今日のご飯代と宿代程度でいいのですが」


「……寝る場所はこちらで用意しても?」


「はい、それで大丈夫です」


 エミリーさんが銀貨だろうか?一枚差し出してきた。


「今日一日だとこれくらいでいいかしら?」


「はい、ありがとうございます」


 飯代ゲット銀貨一枚でだいたい千円くらいかな?後で買い物がてら調べてみよう。


「それでこれからどうするの?」


「ちょっと確認するの忘れてたんですが依頼書、僕が触っても大丈夫ですか?」


「破いたりしない限り大丈夫よ」


「では、早速これを……」



 ーーーーーーーーーーーー



 作業をやり終え腕時計を確認すると十一時半過ぎ。思っていたより時間がかかった……幸い他の冒険者は来なかった。


「これで終了です。後は二回目の依頼を受ける人達に説明してあげてください。明日の朝も忘れずに」


「わ、わかったわ。でもこれで本当に楽になるの?」


 エミリーさん達が首を傾げている。


「はい。ギルド側でやる事が少し増えたので疑問に思うかもしれませんが、その一手間が後々楽にするんですよ。明日になればわかります。では、僕はこれを返却してきますね」


 そう言ってギルドを後にする。


 作業している間、ギルドカードを作ってもらった。ギルドカードを作り終えたら自ら仮の入場許可証を返しに行かなければならないらしい。なのでこれから返しに行く。


 すぐに門に着き返却手続きをお願いした。朝にいた門番とは違う人だ。

 手続きはギルドカードを提示するだけですぐに終わった。次は腹ごしらえだ。向こうとこっちの時間の感覚が同じならオールした挙句、一食抜いていることになる。


 この村は現在開拓中で定食屋のようなものはまだ無く食べると言ったら屋台らしい。少し歩いた所に屋台村のようなものがあるみたいなのでそこへ向かう。


 匂いにつられ屋台の密集している場所に辿り付いた。お腹も減ったけど水分補給をしたい。半日ぶっ通しで動いていた気がする。


 ガッツリお肉っいう気分では無かったので野菜スープとケバブサンドの様な物を頂いた。ちなみに肉料理が大体銅貨二枚で、その他は大体銅貨一枚だった。


 簡易テーブルの様な物がそこかしこにあり、そこで食後の余韻に浸っていると、ローブを来た小さな二人組が近づいて来た。


「さ、先程はありがとうございました!」






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