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Phase1-4 Desired world

3人は、高槻駅の改札へと逃げ込んだ。


「ミユ!? 色々あるから私の実家に逃げるから!」

『いや、大丈夫!? すごい銃声だったけど』


先程の銃撃音は、ミユ達が泊まっていたホテルにも聞こえていた。


「大丈夫。今どこにいる?」

『ホテルの前。実家ってどこにあるの?』

「嵯峨嵐山駅の辺り……とにかく、嵐山ね」

『荷物まとめて行くから…………え、ちょっと待って!? え!?』

「どうしたの!?」


それ以降、ミユからの通信が途切れてしまった。


「え……」

「どうした……?」


ミハヤの脳裏に、悪しき予感がよぎってきた。

慌てて、タクミに通信を繋げた。


「大丈夫!? 何も起きてない!?」

『こっちのセリフだ。お前達こそ』

「ミユはどうしてるの!?」


タクミの話を遮るように、ミハヤがミユの安否を確認した。


『ミユがどうした?』

「まさか……さらわれた!?」


最悪の事態を、自己判断で想像してしまったミハヤ。


『は? 外見てくる』

「ダメ!」

『何でだ?』

「なんか周囲にいるから」


そう言って、ミハヤは通信を切った。


「ミハヤちゃん……どうした……の?」


心配そうな目で、ミハヤを見つめるヒカリ。


「いや……なんでもないよ。嵐山の実家に避難するから」


ミハヤが、3人分の切符を買った。

すると、駅員が慌てて近寄ってきた。


「ちょ、大丈夫ですか!? 手当しますんで!」




取り敢えず、駅員室の中へと。


「かすり傷みたいですね。大事に至らなくて良かったです。止血しておきますね」

「ありがとうございます……。でも、どうして私たちを?」


ヒカリは、何故『反逆罪』の容疑がかけられている自分たちを助けたのかが理解できなかった。


「我々も困っています。あの東山政権が、収益の10%を取る『鉄道税』を課してましたから」


この鉄道会社も、東山政権の迫害に遭っていた。


「東山政権をどうにかしてください。迫害にはもう耐えられません」

「え……」


ミハヤは困惑していた。


自分の力で、政治を、国を変えられるのかという不安。

歯向いたら、確実に殺される。

それでも変えろと。


「え……」

「ミハヤちゃん……」


「俺がやる」


「「!?」」


力を失っていたはずのリョウが、しっかりと挙手をして名乗りあげた。


「俺は、東山カズヒロの隠し子だ。狂った親を処理するのは、考えたくはないが、息子である俺の仕事だ」


「あんた……」


今のミハヤには、リョウが『(日常)を救う為に、戦いに名乗り上げた英雄』に見えていた。


「私もやるよ。あんただけに任せるのは不安で仕方がないからね」


ミハヤも名乗りを上げた。少しだけ照れている。


「私も……できる範囲で…………」


ヒカリも、右脚を抑えながらではあるが、手を挙げた。


「ありがとうございます! こちらからも、申し訳程度ではありますが、運賃を無料にします!」


払った切符の代金を、全て返却された。


ここにいるもの全員が持つ共通認識。

それは、『あるべき明日のために戦う』ということ。




戦え。

絶たれた『望み』の為に。


戦え。

『日常』を繋げる為に。



戦え。

『明日』の為に。

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