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バトルロイヤル物語  作者: BulletKumar
5/11

戦況

「この状態で聞くのもなんですが、腕、大丈夫ですか?」


戦闘の際はどの程度動けそうですか?という意味だ。


「ああ、片手でもマシンガンは撃てるさ。それに腕もまぁこの程度、問題ない」


「まじすか」


腕一本無くしたのは大問題な気がするが、会話にはどことなく余裕が感じられる。


「手持ちはブルちゃんのマシンガン、アタルんとあたしの拳銃くらいかぁ」


早くも変なアダ名が付いてる気がするが、今は置いておこう。


「この威力、スナイパーライフルというより機関銃みたいですね」


会話しながらマップを確認する。


現在地は草原を背にした森の南側。


スナイパーは反対の北側にいるとなると、距離から推測すに向こうも海岸から森に入ったばかりのようだ。


マップを探ると、ちょうど木々が目隠しとなるようなルートで、地形的に袋小路になっている岩場を見つけた。


「ブルさん、そこの木々伝いに向こうの岩陰までいけますか?」


「おう、動けはするが。一旦退くのか?」


「いえ、距離的にはまだ遠いですが、この地形を考えるとすぐ詰めてくるはずです。戦闘は避けられない」


このまま相手と反対方向に退いた場合、隠れ場所の無い草原に出てしまう。


複数人相手でしかも一人はスナイパーとなると、遮蔽物の無い草原に出るのは自殺行為だ。


まして、負傷しているブルさんには機動力は期待できない。


会敵した場合は、最悪正面からマシンガンで迎え撃てる形で待機してもらう。


「開始直後で向こうもまだ態勢は万全ではないはず。ここで叩きます」


いつの間にかこの状況に馴染み、自信すら湧いてくる自分がいた。


FPSをプレイしている時のように、頭が冴えているのがわかる。


「そうだね、いきなりジリ貧だけどやるっきゃないね!」


「初陣にしては丁度いいハンデだな!ガハハ」


悲壮感が微塵も感じられないのは心強い。


「スロープはものすごく目がいいから、索敵は任せて!」


「よし!ではブルさんは向こうの岩陰に移動、シェスはブルさんの進路をカバーしながら索的をお願い」


「索敵が成功したら、俺が詰めてくる奴らに奇襲をかけます」


「俺が注意を引きつけている間に、シェスの機動力でスナイパーを詰めてくれ」


「了解!」


「ラジャ!あとシェスカね!シェスじゃないよ〜!」


スナイプされた方向から死角になるようなルートを選び、俺たちはそれぞれ移動を開始した。


勢いでつい仕切ってしまったが、みんな従ってくれたのはありがたい。


とはいえ、シェスが言うように態勢は最悪だ。


こちらは1人手負い、しかも退路が塞がれている状況で、3人を相手にしなければならない。


また、無警戒のところをスナイプされた時点で、ある程度観察され、こちら側の装備や構成を把握されているのは確実だ。


この状況で最前と思われる指示は出したものの、索敵、奇襲どちらを取っても失敗はできない。


言葉に出さずとも、二人ともそれは理解している。


改めて考えると、ジリ貧どころか、絶対絶命だった。



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