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その壱、異世界に召喚された

これが書きかけだった第一作目だったりします。在り来たりすぎたのと、タイトル被りだったのでやめようかと思ったのですが…投稿してみる事にしました。


続投希望があれば続けるかと…知っての通り?他で目いっぱいなので気力次第です(汗

 「お願いします。この国を救ってください」


 まずは状況を説明しよう。ここはどこかの城の謁見の間と言う所だろうか?部屋と言うには広すぎる空間には、ずらっと騎士風の屈強そうな男達が辺り一面に並んでいる。それだけでも現代風景では異様な光景なのに、目の前の王様・王女様みたいな人含めて全員が頭を下げていると言う状況に戸惑うなと言うのが無理な話である。以上、状況説明でした…


 と、現実逃避として状況説明している間にも進展・・・が全くしてない状況・・・どうすんだよ、これ?何時もならリーダーシップを発揮してくれる友人に目を向けても、思考停止してますの表情で固まっているし…その他のメンバーも同じような感じである。ここはやはり、一番冷静なこの俺様が逝くしか ※誤字じゃないです ないようだな!・・・逝くぞ?本当に逝っちゃうぞ?・・・先に逝くなら今しかないぞ?・・・時間稼いでも無駄?そうですか…分かったよ!逝けばいいんだろう!?


『あ~…先に言っておくけど、俺は言葉遣いが悪いからそこは考慮して欲しい。もし、それが不味いと言うなら他の奴が現実に戻ってくるまで待つ手もあるが・・・暫く掛かりそうだから、とりあえず頭を上げてくれるか?誠意を見せてくれているんだろうけど、いきなり頭を下げられても困惑するだけなんだよ…』


 俺がそう言うと、やっと王様らしき人が頭を上げた。そして、小さくだが威厳のこもった声で「皆、頭を上げよ」と言うと他の頭を下げていた人達も頭を上げてくれた。これで話が聞ける…いや待て?その前に・・・


『先に良いだろうか?さっきの件の返事を貰いたいんだが…』


「そうだった。済まないな、先ほど其方が言った件については問題ない。言葉遣いがどうとかそう言う事を言っている状況ではなく、こちらが一方的に呼び出した訳だしな…」


『それは助かる。それならこれから状況などを説明してくれるってことでいいのか?』


「無論だ。先ずは誠意を見せるために頭を下げさせて貰ったが、説明もせずに返答を貰えるとは思ってはいない。これから説明を…」


『何度も話を遮って悪いんだが、その説明やら話し合いやらをする前に2つほど条件をのんで欲しい・・・』


「大抵の条件はのむつもりだが…常識を逸脱するような条件ならのめないな」


『勘違いしないで欲しいんだが…この条件は、さっきのこの国を救って欲しいと言う願いの対価と言う話じゃなくてだな…簡単に言うと、ちゃんとした話し合いをするための前提条件と言うところかね?』


「話し合いをするための前提条件か?まずはその条件とやらを聞かせて貰えるかな?」


『わかった。まず一つは、部屋を移動すること。これは周りを見ての通り、話し合うにはこちらがプレッシャー・・・威圧感を感じると言うかな…騎士が多すぎて話し合いをする状況じゃないと言うかだな・・・』


「確かに、これだけ敵になり得る者がいる中で対等に話し合うのは無理な事だな…。済まない、直ぐに部屋を手配しよう。…いや、その前にもう一つの条件を聞いた方が良いだろうか?」


『ああ、もう一つはそれと付随した条件だから大したことじゃないんだけどな。さっき言ったように、威圧感を感じないように俺達と同じそちらも5人で話し合いをしたいんだよ』


「成程な、それなら二つの条件とものもう。すぐに部屋を手配するとしよう…すぐに用意出来る近場の部屋はあるか?」


「それなら、リンデンの間が良いかと思われます」


「ではそこで良い。すぐに応対の準備を始めてくれ」


「畏まりました。すぐに準備させます」


 近くの如何にも大臣とか宰相とかそんな感じの人と話し合っている王様を何となく見つつも、このまま俺が代表で良いのか?と思って近くにいる友人達の様子を伺うと…まだ固まっていらっしゃる・・・。分かりましたよ、俺がこのまま話進めれば良いんだろ!などと一人で自棄になっていると…


「準備は直ぐに出来ると思う。このままその部屋に案内しようと思うのだが良いかな?」


『ああ、俺はそれで構わない。皆もそれで良いか?』


 そう問いかけてみると、返事はないが皆頷いて答えてくれたのでそのまま移動することになった。


 お互いにこれからの話し合いが大事なものになると分かっているだけに、無言のまま部屋に着いた訳だが…やはり、俺達が普通に考える部屋より広い。この部屋だけで俺の家より広いんじゃないか?コンチキショー!!

 などと、脱線した愚痴を浮かべているが、苛立っているのはそう言う事ではなくて…何故、俺が机を挟んだ席の真ん中で王様と同じ真ん中なのかと言うことだよ。流れとしては当たり前なのかもしれないけど…しれないけど!いつもは俺にツッコミ入れてくる両隣の二人も含めて全員大人しすぎるだろ?

 そろそろ俺一人に押し付けていると後悔するぞ?そこんところどうよ?と、見回しても反応なし…分かってた、このまま話せってことだろう?チクショー!!などと、一人思考で荒れていると…


「そちらの代表はやはり、其方で良いのかな?」


『まあ、流れからいってそうなるな。別に、俺達に誰が上とか下とかはないから今回はたまたまそう言う流れになっただけだと伝えておく。だから、これからの話し合いでどうなるかは個々の判断に任せるからな?俺の意見を総意ととって、全員が納得したなんて判断しないでくれよ?』


それとなく言いつつ、隣にいる4人を見回し俺に責任ないからな?と念を込めてみる。通じてるのか、いないのか?特に反応がない。こいつら本当は偽物なんじゃないか?とか下らない思考を始めた俺をよそに王様の話が始まる。


「まず、お互いの自己紹介から始めようか?こちらから始めても構わないかな?」


『問題ない。確かに、お互い名前も分からないまま話し合いも何もないよな』


「では、私から始めよう。私の名は、モントゥラル・カエルドと言う。この国の王をしているが、貴君らを召喚せねばならないほどの事態を招くような情けない王なのだ・・・王だと言う事実は考慮せずにこの後も話を聞いて判断して欲しい」


 と言いつつ、また頭を下げたよこの王様…国の、民のためならプライドなんて捨てられる良い王様なのか?こんな話をしたら周りが騒いで割って入ってくるはずなのに、何のアクションもしないと言うことは統制もちゃんと取れているんだろうな。意外と名君なのかもしれないな…まだ、油断は出来ないけどな!


「シャライア、次はお前が挨拶をしなさい」


「畏まりました、お父様」


 では、王様の軽い紹介が終わったので相手方の紹介をまとめよう。まず、王様の容姿は…でっぷりとしたお腹の如何にも王様です!ではなく、髭を生やしたナイスミドルのオジサマと言う感じだ。さすがに王様と言う所だろうか?国の運命を握る話し合いを始める前でも、緊張しているようには見えない。おそらくは、そう見せていないだけなのだろうけど…


 次に王女様だが、琥珀色の綺麗なストレートロングヘアに平時なら見惚れてしまうような整った顔、胸はフツウです。大きすぎず、小さすぎず、丁度良いんじゃないでしょうか!?・・・っと、危うく吸い込まれるところだった…アブナイ。


 次は宰相のおっさん、え?扱いが違う?…わかるだろ?皆まで言わせるなよ恥ずかしい…。宰相さんの名前は、ラディニ・スカルス。まあ、普通のおじさんですね。自己紹介なのにやたらと王様の人柄良いんですよ!エピソードが多かったとだけ伝えておこう・・・


 次は、この国の国防軍トップ…いわゆる、騎士団長とかそんなかな?その名を、ヴァルター・ツオッセンと言う…如何にもガッチリとした体格のおじさんですね。威圧するなと遠回しに言ったのに、このおっさんだけで十分されてますよ、ええ…


 最後に、メイド長のサフナ・メイリオーネさん。メイド長なのに若い。20代前半…下手すると俺らと同年代じゃない?と思えるくらいだ。容姿は、髪色がアッシュブロンドでセミロングのいわゆる美人さん。だが、これだけは言わなければならないだろう!身長は小さいのだが、ある部分が大きい!?…どことは言わないぜ?だが、自己紹介しているとき、隣の友人の目線が少し下を向いていたと言っておこう。


 ・・・で、何でこのメンツにメイド長を?と思ったら、今後俺たちの世話をするに辺り5人に入れたんだそうだ。後で紹介でも良い気がするが、そこは色々とあるのだろうと思っておく。


「それでは、次はそなたたちの自己紹介をしてもらっても良いかな?」


『まあ、あんたたちみたいな大層な肩書はないんだけどな。俺は、ふせ…いや、ハヲウ・フセイシ。ただの高校生…と言っても通じないだろうから、ただの一国民だと言っておく。右回りでいいだろ?翔、次よろしくな?』


「ああ。俺…私の名は、ショウ・タオダと申します。特に特筆することはありませんが…」


 まあ、身内の紹介は端折っていいだろ?…え?ダメ?分かったよ…。まず、俺の右に座っているのが、垰田翔(たおだしょう)。リーダーシップを発揮するイケメンと言えば良いか?異世界召喚でよくいる、勇者くんですよ、ええ。


 そのさらに右に座っているのが、金嶺奏(かなみねかなで)。特筆するところがないイケメンだ。え?イケメンってだけで特筆するところ?ハハ・・・何言ってるんだかワカラナイデス。このグループでは一番俺が身長は高いんだぜ!!え?聞いてない?…デスヨネー。


 次に、俺の左に座っているのが、雨谷瀬音(あまたにせいん)。…今、名前を聞いただけでおっとりした可愛い娘を想像した奴には悪いが、見た目はともかくその性格は凶暴の一言。しかも、俺限定と言う素晴らしいおまけ付き!…残念ながら、俺はMではないのでそのオプションは要りません・・・


 俺の異世界での死因は、こいつのつっこみと言う名の暴力になるのではと戦々恐々としております。だってこの瀬音女史は、俺を手で持った物で反射的に殴る癖があるんですよ?武器を持っている時にされてみ?死ぬぞ。ダメだ、考えるのは止めよう…


 その瀬音()の左に座っているのが、東藤縁(とうどうゆかり)。こちらは、キリッとした美人なのに中身はマイペースなおっとり型である。ただ、甘いものには目がないようでそれに関するときだけは別人のようになることもある。なのにスレンダー美人。世の中は不公平で一杯なのである。


 え?俺の自己紹介?仕方ないな…名乗ってやろうではないか!俺の名は、天上院(てんじょういん)ハヲウ。名前について何も聞くなよ?見た目はイケメン!・・・の訳ないがない。見た目に特別な所はない。・・・敢えてあげるなら、ちょっと目つきが悪い普通の男子高校生ってところかね…


「互いに自己紹介も済んだところで、本題の現状説明と今後についての会合を始めても良いだろうか?」


『そうだな。まずは、話を聞かないと何とも言えない状況だしな。話を聞いた後で質問させてもらうことにする』


「では、なるべく簡潔に話させてもらうことにしよう」


 当たり前だが、話は物凄く長かったので簡単にまとめるとこうだ。


 この国の名前はセルヘン。国と言ってもこの城下町だけで成り立っている小さな国だと言う。ある理由から100年以上世界から孤立していて、その理由からこの世界が何と呼ばれているかわからないそうだ。その前の記録などから分からないものなのか?と思って質問したが、余り長く保管出来る書物もないようなのでやはり分からないと言う答えしか貰えなかった。


 これは余談に入ると思うのだが、この国の貨幣はいわゆる硬貨で日本みたいに細かいデザインなどなく、薄い丸型で色が違うだけである。色によって10倍の価値があり、

銅色=1 赤色=10 銀色=100 金色=1000 と言う価値である。


 因みに、この国は基本的に日払いで赤硬貨一枚貰えれば十分高額収入者らしい。その説明のタイミングで宰相が「こちらの依頼を受けてくれれば金貨を人数分出そう」とかのたまったからまあ大変。皆さん、「え?マジで!?」って感じに流されそうになったので、すかさず『内容を聞かないうちに受けるなよ?』と釘を刺しておいた。


 肝心の依頼については、この国は北に海(湖?)、東・南には砂漠が広がっており、唯一の道である西に荒野が広がっている。ここから昔は他国に渡れたらしいが、距離が長い上にこの世界には魔物がいて迂闊には国から出られない。それでも、荒野の魔物なら何とかなっていたのだが、途中の森には強い魔物が存在するらしい。


 それの対策に塔を建て、そこで結界石を使った強力な結界を張って中間地点として使って何とか行き来出来ていた。だが、この結界石の扱いが難しいらしく、内包されている魔力がなくなるとただの石になってしまう。


 その対策として、魔法使い(この世界にはやはり魔法があった!)がうまく調整した魔力を石に送ることによって維持していたようだが、一週間で空になってしまう魔力を少しの気の緩みから忘れてしまい、結界が解けたところに魔物による襲撃を受けて塔とその周辺の集落が崩壊に追い込まれた。


 もちろん、奪還しようと兵を何度か送ったが、ことごとく全て大敗を喫したようだ。そこで、諦めて国を豊かにしようと先代王から頑張っていたところに、塔が崩壊した影響かはかわからないが魔物が増え続け、国にまで被害が及ぶのは時間の問題となるくらいの危険な状況に陥ってしまったようだ。


「改めて、頼みたい。この国を救って…」

『待て』


俺が話を遮ると、王様は困った顔でこちらを向いた。


『何で止めたか分かるよな?もし、分からないと言うなら手伝う気にはなれないな…』


「いきなり召喚されたどう見ても戦いに慣れていないような子供に、こんな国を挙げて挑んでも無理な難題を押し付けようとするのは不思議だ…と言う事だろうか?」


『まあ、当たらずもってところか?とりあえず、そこの説明とか先にしてくれないと…俺たちも正しい判断を出来るわけないだろ?俺たちみたいなただの学生…って言っても通じないのか?まあ、子供に頼むようなことじゃないってことだ。どう見たってそっちのおっさん一人の方が強そうだろ?』


「一般的な感性で言えばそうなるであろうな。しかし、それは私が何の知識もない場合に限っての話だ…。確かに、召喚術に置いては不明な点が多い…しかし、分かっていることもある。それが、大昔に召喚術によって召喚された者が普通なら有り得ない力を発揮し、国々を救ったと言う記録が文献として残っているのだよ」


『なるほどな。つまり、その…文献が存在したから、とりあえずはそれに倣って召喚してみましたって所か?一方的過ぎて話にもならないな…』


「確かに、あながち間違ってはいないが…それだけ、私たちが切羽詰まった事態だと言う事は理解して欲しい…」


『何か言い訳をしてくると思ったんだが…認めるわけか?自分勝手な都合だけで俺たちを召喚したことを?』


「どう言い繕った所で、私がしたことは人さらいみたいなものだ…。しかし、それでもお願いしたい!どうか…どうかこの国を救って欲しい!救って下さい!!」


 またも一斉に頭を下げて来た。それほどの覚悟を持って俺たちを召喚()んだんだろうが…それでもな…


『悪いが…』

「分かりました。俺たちで力になれる事があるのなら出来る限り協力します!」


『おい!翔!!お前、何言ってるのか分かっているのか!?言葉通り命懸けになるんだぞ!!今まで静観してたくせに、いきなり肝心なところで割り込んで来るんじゃねぇよ!!』


「しかし、これだけの覚悟を持って頼んで来てるんだぞ?俺たちの力が本当に役に立つなら、助けになってあげるのが人道ってものだろう!」


『くっ…またか…』


 こうなったこいつを説得するのは骨だぞ?これは、覚悟して望まないとな…

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


中途半端なのは仕様です!(キリッ

今後はもっと短いかもしれない…続けられたらいいのですが…


気に入ってもらえたなら、今後も是非よろしくお願いします。

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