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脅威の襲来

エレナとの模擬戦後、場所をリリアの部屋に移動した。


「本当に強いですね」


「ありがとうございます」


エレナは貴族とは思えない、素直な感想を述べる。


「エレナが貴族らしくないなって思っているでしょ、レイハルト」


リリアに内心を当てられてドキッとする。


「彼女の家は男爵だし、もともとの性格からあんまり威張ったりしないからね」


リリアがそう説明する。


「まあ、貴方が見てきた貴族は基本的に威張ってたり、見下してるような奴らばっかりだったからね」


そう言われて何人かの貴族が思いついた。


「確かに、貴族軍以外だと初めて見た気がする」


そんな話をしているとエレナが話題を変えてきた。


「あの、次のフィルリリア様のお茶会なんですが」


2人はエレナの方を見る。


「私も同行させてもらえないでしょうか」


リリアが少し考えて首を振る


「確かに貴方は強いけれどさすがに」


「良いんじゃないかな」


レイハルトが口を挟む。


「え?でも」


「前回のお茶会は良かったけど、今後は男の俺が入れない状況もあるかもしれないし」


レイハルトの言葉を聞き、リリアは考え込む。


「エレナさんなら、大抵の相手なら俺が行くまでリリアを守り通せるだろ」


「もちろんです!」


エレナも食いつく。


「分かったわ」


リリアが了承し、エレナの同行が決定した。




お茶会は特に何も起こらずに終わった。基本的に前回と同じように、リリアとレイハルトの関係を聞く質問ばかりされた。


「お二人ともお疲れですね」


「ええ、まあね」


リリアとレイハルトは馬車でぐったりしていた。


「お二人とも質問攻めされてましたからね」


「前回もそうだったけど今回も」


そこまで言ってレイハルトは馬車の外の方を見る。


「レイハルト、どうかしたの?」


レイハルトは椅子から立ち上がり、武器スロットを操作し、大剣を装備する。


(なにか、くる)


レイハルトが大剣でガードをする。


その瞬間馬車をものすごい衝撃が襲った。


「きゃあ!」


周りが明るくなる。周りには馬車の残骸が散らばっている。


「な、なにが」


衝撃が来た方向を見ると、子どもが1人いた。いや、子供のような何かがいた。レイハルトには見覚えがあった。


(ダークネス・アスタロス)


「こども?」


リリアがアスタロスに近づこうとした。それを無言で止めた。


「レイハルト?」


レイハルトはアスタロスを睨み続けた。


「んー、ここら辺に強そうな気配を感じたんだけどなー」


アスタロスは周りをきょろきょろ見回す。そして、レイハルトを見付ける。


「みーつけた」


アスタロスはこちらに歩いてくる。見た目はこどもだ。少年か少女かは見た目からはわかない。黒色に紫の線が入ったローブのようなものを着ている。


「グルルルルル」


周りからエネミーの声が聞こえてくる。狼型のエネミーや鳥型のエネミーが現れる。そのエネミーは全て、黒いオーラに包まれていた。


「レイハルト!」


レイハルトはアイテムストレージを操作して、リリアにナイフと靴を投げる。これはお茶会に行く前にリリアに渡されたものだ。


リリアがそれを受け取ると靴を履き替え、ナイフを構える。


「フィルリリア様!レイハルトさん!」


エレナが叫ぶ。エレナの視線の先を見ると、馬車の御者と馬が血を流して倒れていた。


「あれはもう無理ね」


リリアが首を振る。


エレナが近づこうとしたがエネミーに邪魔される。


「ねえ、きみ。僕と遊ぼうよ」


アスタロスは手を上にあげる。すると上空に巨大な炎の玉が出来上がる。


アスタロスは手を下ろすとその炎の玉がレイハルトに向かって飛んでくる。


レイハルトはそれをジャストガードで防ぐ。


「あれ?今のは。もしかして君って」


アスタロスは首をひねる。


「まあ、楽しめるなら何でもいいや」


しかし、アスタロスはどうでもいいという様に笑う。


レイハルトは2人の方を見る。さすがというべきかエネミーを次々と倒していく。


「よそ見するなんてひどいなー」


アスタロスは自分の周りに氷の槍を20本生成する。それを連続に打ち出してくる。


「ちいっ」


レイハルトはそれをバックステップで回避する。


レイハルトは距離を一気に詰めて大剣を振り下ろすが簡単に躱されてしまう。


「ふふ」


アスタロスは不気味に微笑みながら手に稲妻を纏う。そして、その手を振る。


すると、手に纏っていた稲妻が地を這ってレイハルトに襲い掛かる。


レイハルトはジャストガードでそれを防ぎ「ダイブシュラーゲン」をレベル20で起動する。上空に飛び上がり大剣をアスタロスに向かって叩きつける。


レイハルトの攻撃は当たったかのように思えた。しかし、当たる直前でアスタロスの姿が歪み。大剣は地面を叩きつけただけだった。


「いいね、いいね」


アスタロスは少し離れたところで笑っていた。


「じゃあこれはどうかな?」


アスタロスは手を地面につける。地面が揺れ、アスタロスの目の前に地面から炎が噴き出す。それがどんどんレイハルトに迫ってくる。


「うそ、でしょ!」


エレナの驚いたような声が聞こえる。


レイハルトはジャストガードでそれを受ける。さらに立て続けに氷塊が飛んできたが、それもステップ回避の無敵時間で受ける。


そのまま近づき、「スラッシュサイト」をレベル20で起動する。横に構えた大剣を思いっきり振りぬく。


大剣がアスタロスの服を掠める。


「へえ、やるねえ」


周りを見るとエネミーはあらかた倒し終わっていた。


アスタロスが両手を横に広げる。アスタロスの上に炎の鳥が、右に水、左に雷の獅子が現れる。


「え?」


エレナの目から光がなくなる。彼女には分かるのだろう、アスタロスの実力が。


レイハルトは大剣を構える。


炎の鳥と水、雷も獅子がレイハルトに襲い掛かる。炎の鳥をステップで回避し、水と雷の獅子をジャストガードで受ける。


「あは、これも防がれるか」


アスタロスは笑う。


「いやー満足した。まさかまだこれほど強い奴がいたなんて」


そう言うとアスタロスはものすごい速さで飛んでいった。


「待て!」


レイハルトが声を出した時には既に遠くに行ってしまっていた。


お待たせしました。ようやく最新話を投稿できました。

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