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SFゲームの1000年後はファンタジー(旧名SF世界からの漂流者)  作者: アロマセラP
EPISODE1 第1章
20/58

この世界の真実2

 レイハルトたちはおばあさんの家に来ていた。どうやら、昔話をまとめた本を持っているらしい。


「確かおぬしらは遺跡を見に来たんじゃったな。恋人同士で歴史好きとはのう」


「こ、こここここここ恋人!?」


 レイハルトが驚いてうろたえる。


「何じゃ?違うのか?」


「俺たちはそういう関係じゃないですよ。旅仲間です」


 レイハルトは慌てて否定する。


「恋人、夫婦、結婚」


 リリアが何やらすごく険しい顔をしている。恋人同士に見られたのがそんなに嫌だったのか?


 レイハルトが少し落ち込んでいるとおばあさんが一冊の本を持ってくる。厚みがあり紙は変色して年代物であることがうかがえる。


「ほれ、これじゃ」


「ありがとうございます。少しお借りしますね」


「いや、おぬしらに譲ろう」


「え?でも」


「わしは子供がおらんからの。墓場にもっていくよりも若い者の役に立った方が良いじゃろ」


 レイハルトは少し迷ったが、結局貰うことにした。


 それからレイハルトは昔話の本を熟読していった。多くは誰々が魔物を倒したとか、魔王みたいなのを倒したとか英雄譚ばかりだった。


「どうしたのよ、いきなり昔話の本なんか読みだして。もしかしてあの話を信じてるの?確かに遺跡にはよく分からないものも多いけど」


 リリアが何か言っているがレイハルトの耳には入ってこなかった。マイクロチップの翻訳機能のお陰でサクサク読むことができる。


読み進めていると興味深い話があった。曰く、


 調査隊の幹部の一人が秘密裏に研究を行っていた。その研究を成功させるため調査隊員を利用しようとした。しかし、それは非人道的な行いであった。そのため、調査隊は総力を挙げて彼を止めようとした。それに対して彼は強行策で研究を実行しようとした。それが調査隊を崩壊させる可能性があると知りながら。だか、彼の研究はとある一人の調査隊員によって阻止された。


(惑星激録の3章「オルファル事件」そのままだ)


 ゲームとの共通点がいくつか上がっていく。


(1章の「原生生物の反乱」、5章の「外から来た者たち」)


 そしてとある単語を発見する。


(ラグナレク)


 その単語を見た瞬間レイハルトに頭痛が走った。そして、目の前に映るのは元の世界のゲーム画面。惑星激録のラスボス、ダークネスラグナレクとの決戦の場面。


「っつ!」


 頭痛が少しずつ引いてくる。


(俺は、ラグナレクと戦って、勝ったのか?負けたのか?)


 そこはまだ思い出せない。この世界がゲームの未来だとすると負けたのだろう。


(俺が、負けた?おそらくチームメンバーで挑んだはず。それでも負けたのか?)


 レイハルトがリーダーを務めていたチームはゲーム内でも上位に入る強チームだ。そのレイハルトたちが負けたとなると、一体どれほどの難易度だったんだろう。


 ゲームとの共通点、共通の敵の名前。


「確かめないと」


「ん?レイハルト、何か言った?」


「リリア、明日もう一回遺跡に行くぞ」


「え?まあいいけど。結局何も無かったじゃない」


「確かめたいことがあるんだ」


(俺の仮説が正しければ、あそこにはあれがあるはず)


 あの遺跡はあそこで終わりじゃない。まだ奥があるはずだ。それにもしかしたら、何かしら生きているシステムがあるかもしれない。


もちろん、仮説が間違っている可能性はいくらでもある。たまたま、本当に偶然、同じことがあっただけかもしれない。


だからこそ、確かめに行かなければ。もしそうなら、レイハルトが呼ばれた理由も分かるかもしれない。


 いつになく真剣な顔をしているレイハルトをリリアは少し不思議そうな顔で見ていた。

  



 翌朝、レイハルトたちは早朝すぐに出発した。


(テレポーター設置しておけばよかった)


 レイハルトたちは少し速足で遺跡に向かう。レイハルトは気がはやっていた。この世界の真実を知れるかもしれない。その思いがレイハルトを速足にさせた。だがその足も止まることになった。目の前に人影が立ちふさがったからだ。



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