表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SFゲームの1000年後はファンタジー(旧名SF世界からの漂流者)  作者: アロマセラP
EPISODE1 第1章
19/58

この世界の真実1

村についたレイハルトたちは遺跡についての情報収集を始めた。といってもここは農村らしく酒場とかはない。


だから村の人から話を聞くしかない。農村の人は朝から畑で仕事をしているため人はすぐに見つかった。


「遺跡?この近くにはねーな、この先の村のほうならあるらしいが」


 すでに持っている情報と一緒だった。誰に聞いても、返ってくるのは同じ返事だった。


「やっぱこの先行くしかないみたいだな」


「ここに遺跡があっても先にも行く予定だったわよ」


 さいですか。


「若いのに遺跡に興味あるたーね。歴史にでも興味あるのかい?」


「いえ、トレジャーハンターやってるんです」


「トレジャーハンターか、まあ、気をつけなされ」


 この村には宿泊できる場所がないらしいので情報収集をしたのち村を出ることにした。



 

 村からさらに数日。町を出発して1ヶ月経つか経たないかくらいが過ぎたころ、目的の村にたどり着いた。


「遺跡?ああ、あそこか。村からさらに西に行ったところにあるよ」


 情報通り。


「でも、あそこは魔物の巣窟だ。今やだれも近づこうとはせんな」


 ここでも遺跡は魔物だらけらしい。元の世界では遺跡は観光名所のところもあったから変な感じだ。


「この村で泊まれるところはありますか?」


 村についたのが夕方近くだったので遺跡には明日から行くことにした。それに数日滞在するかもしれないし宿泊できる場所があるならそれに越したことはない。


「泊まれるところ、か。ちょっと村長に聞いてくるわ」


 村の男性が村長に話してくれたおかげで、一番家が大きい村長の家に泊まることになった。


「遺跡を見に来たんだって?行くなとは言わんがあそこは危険じゃぞ」


 村長老夫婦(イメージ通り)と夕食を共に食べているとそう言われた。


まあ、若い男女が二人。フェンリルがいるとはいえ付いてるとはいえ魔物の大群に対応できるようには見えないよな。


「お気遣い感謝します。ですが、私たちはすでにいくつかの遺跡を回ってきているので大丈夫です」


「それはそれは頼もしいのう」


 久しぶりの大人数(4人と1匹)での食事はなかなかに楽しかった。


レイハルトは祖父母は生まれる前に死んでしまったらしいのでおじいちゃんやおばあちゃんってこんな感じなのかなと思った。




 レイハルトたちは遺跡に来ていた。遺跡は前に行った町の近くの遺跡とほとんど同じだった。違いがあるとすれば四角い箱の壊れ方ぐらいだろうか。


(ここも、やーっぱり見覚えがあるんだよな)


 前の遺跡と同じことを感じるレイハルト。何かないかと探し回るリリア。お姫様が城を抜け出してどのくらい経つのか知らないけど、もう板についてるな。


「ここも何もないわね、薬草くらいかしら」


 残念そうなリリア。一通り見終わると、地下へと続く階段の方へ行く。地下の作りも前の遺跡とほとんど同じだった。それ故に、レイハルトは考えてしまう。どこかで見たことあると。


 何事もなく行き止まりまで着いてしまった。収穫は特になしだ。リリアは少ししょんぼりしながら帰路につく。




「この国、いや、この星はな、昔はもっとずっとすごかったんじゃ」


 村に戻るとおばあさんが村の子供たちに昔話をしている。


「この星のすべてに人間は行っておった。火山が多い場所や、砂ばっかりの場所。そこへ一瞬で行ってしまったんじゃ」


(え?)


 レイハルトはその話に聞き耳を立てた。


「どうやって?どうやっていったの?」


「それはのう、何と言ったか、カガクとかいう今はもうないものを使っていたという」


(科学)


「そのカガクを使って、各地を調査していたそうじゃ」


 レイハルトの頭がズキリと痛んだ。


「じゃが、この世界には凶悪な魔物が住んでおった。その魔物に人々は滅ぼされてしまった」


「じゃ、じゃあ今いる私たちは?」


「人が全員死んでしまったわけじゃあない。その魔物を何とか撃退したが、家とかは皆壊されてしまった。それでも生き残った人間たちは何とか生き抜こうとした」


 ズキ、ズキ。頭が痛む。何か忘れていたことを思い出せとでも言っているように。


「レイハルト、どうしたの?」


「なあ、あの話って」


 おばあさんの話をリリアに訊ねる。


「ああ、あれね。あれはこの国に昔から伝わるおとぎ話よ。昔は今よりすごかったなんて誰も信じてないわ」


 科学の力、調査隊、強力な魔物。


 レイハルトの中で何かが繋がろうとしていた。しかし、何かが足りない。もしかしたら、でも確証がない。


 子供たちに話を終えたおばあさんにレイハルトは近づいた。


「なんだい、兄ちゃん」


「昔話の本ってありますか?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ