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SFゲームの1000年後はファンタジー(旧名SF世界からの漂流者)  作者: アロマセラP
EPISODE1 第1章
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別れ、それから

ラレナと一緒の旅はすこぶる順調だった。魔物に遭うことも、盗賊に遭うこともなかった。


最初に警戒していたのがばかばかしく思えるほどに。


ラレナと旅を始めて数日。ついにラレナと別れる時が来た。


「では、私はこちらに行きますんで」


「俺らはこっちだな」


「それじゃ、元気でね」


「はい、お元気で」


 旅は出会いと別れでできているとラノベで呼んだことがある。最初は警戒していたが、数日ともに過ごしてみて、少し寂しさを覚えているレイハルト。


「また、お会いできるといいですね」


「そう、だな」


 心の内を見透かされたようなセリフにレイハルトはドキリとする。ただ、もう会わないだろう。お互いに旅をしている者同士が再び会うのはすごく稀だ。


ただ、この時のレイハルトにはなぜかまた会える確信のようなものが胸の中にあった。




 ラレナと別れたレイハルトたちは、泉に向かって歩き出した。もう血の付いた服はないのだが、水辺は寄れるならそのほうがいいとのことだ。


ちなみにレイハルトの服は最初の物に戻っている。


 泉についたレイハルトたちはここで夜を明かすことにした。泉ならば水に困らないからな。レイハルトは泉の水を汲んできて火にかけて煮沸させる。


毎回毎回そうやっているからリリアに「どうして毎回水を沸かしているの?」と聞かれたことがあった。


自然界の水には微生物が、と話したが終始?マークが浮かんでいた。どうやらこの世界では微生物についての知識はあまりないようだ。


煮沸したほうが安全というところだけは理解してくれた。そんなことを言っているレイハルトも、この世界に来て初日に煮沸せずに水を飲んでいるんだがな。


腹は壊していない。もしかしたら、あまり微生物がいないのかもしれない。それはそれで問題だが。


 泉ならば魚は取れるし、身体も洗える。水が自由に使えるのは旅をしている身としてはありがたいことだ。


リリアが水浴びをしている間、レイハルトはオルガとともに木の実や動物の採取に向かった。


この近くにはそれなりに食べれられる木の実があり、今後の食料分も少しは取れそうだ。ただ、動物は小動物しか見当たらなかった。


よって、たんぱく源は魚のみとなる。まあ仕方ない。


戻ってレイハルトが水浴びする番になると、リリアとオルガで薪を拾いに行ってくれた。オルガは水浴びしなくていいのかと聞いたら、あとでするとのことだった。


 食料、薪と集まれば夕食の準備、今日は取れたての物だけだ。なんて豪華。


(魚、滅茶苦茶生臭い。血抜きとかいうのをしてないからか)


 豪華っちゃ豪華だがそれでも素人料理、しかも野外料理。


森にいた時にも感じたがこの魚の生臭さ、どうにかならないかね。


ふとリリアのほうを見ると、平気な顔で食べている。この世界ではこれが普通なのだろうか。


「この辺りは魔物も少なそうね」


「そうだな。少し歩いてみたが何も出なかったな」


 出なかった=居ないではない。ただ隠れている可能性もある。しかし、数が多ければ数匹とは出会うはずである。


「とはいえ、火の番しないわけにはいかないよな」


 火の番。ラレナがいた時は不必要の物だったがいなくなった今は違う。結界を張る魔法が使えない以上番は必要である。 


 そう、使えなかったのだ。ラレナと一緒にいる時にラレナの魔法を習得しようと思ったのだが、攻撃魔法はもちろん、生活系魔法も何もかも使えなかったのだ。


 レイハルトが使っている魔技はマイクロチップを経由して発動する。対して魔法は魔力を言葉によって形作る、らしい。


つまり、無詠唱では魔法は発動しないのだ。そして、レイハルトはマイクロチップを使って今まで魔技や武技を使用してきた。逆に言えば、マイクロチップを経由しないと魔力を使えないのだ。


この世界の魔法を何らかの方法でマイクロチップに登録できれば使えるが、そんな方法思いつかない。よって、現状レイハルトがこの世界の魔法を使うことはできないのだ。


だから、こうしてまた、火の番をしなければならないのだ。


(魔法って便利だなー)


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