第12話 帰省
俺は自分の荷物と麗華の分の荷物を車に載せた。ちなみに車の免許は持っている。そして、車は何故と思うかもしれないが、アルファードだ。ちなみにこれは、自分が長旅に行くことになった時のためだ。やはり、車内が広いとのんびり寝れると思って買ったのだが、隣町ぐらいまでしか今は行ったことがない。それもまだ買い物だけの用であって、旅と言うには程遠い。そして、今回のも小旅行と言えるのかが怪しくなってくる。実家に帰るだけなのに何が小旅行か。それならまだデートの方が良かったかな?過ぎたことを言っても仕方ないため、もうこれ以上考えるのはやめよう。
それはそうと、アパートを出てから30分経つが、麗華は俺のスマホを使って何かをしている。信号が赤で停まって居る間に覗き込むと、モンストをしていた。
「なんだ、モンストやってたのか。」
「だって、前にやってたから」
「やったことあるの?」
「うん」
「そ、そうなんだ…。じゃあ、お前が元に戻れたら、もう1度会わないか?」
「え、なんで…?」
「いや、ほら…俺らこうして付き合ってるじゃん?」
「うん」
「だから、今度は本当の麗華と会いたい。でも、それが難しいのは分かってるつもりだ」
「分かった。それなら、私も頑張ってみるよ。いつか絶対に悠真くんのお嫁さんになるんだから!」
そうして俺が話したいことは終わった。それにしても、どうしてこうまで家に着かないのかがようやく分かった。原因はこの渋滞だ。2km程の渋滞になっていて、車が進んでいる感覚がしない。こうなるともう家に着くのは夜中になってしまうだろう。それも、渋滞のほとんどがトラック、そして近くに信号機が固まっているせいでもある。麗華はそんな事を気にせず、パズドラやモンスト、そして3DSでモンハンをしたりしている。ちょくちょく見ているが、モンハンがかなり上手い気がする。
「麗華、ちょっといいかな?」
「なぁに?」
「お前さ、なんで俺よりモンハンの操作が上手いわけ…?それに、ほとんどの武器使ってないか?」
「だって、私は初期からやってたんだからね?」
「おいおい…、それは先に言ってくれ…。初耳だぞそれは」
「えへへ〜」
まぁ、そんなこんなで渋滞もいつの間にかなくなっていた。
それから1時間ほど経っただろうか。どうにか家に着くことができた。しかし、来る途中に鹿が何匹飛び出して来た事だろう…。
「着いたぞ」
「うーん…」
しかし、着いたら着いたで今度は麗華が爆睡していた。幸い具現化していたのが良かった。そのおかげで麗華を運ぶ事ができた。明日は少し大変な事になるだろう。