第11話 帰省の準備
「今日は帰ったら小旅行か…。自分で考えておいて実感無いって言えば麗華に怒られるだろうな…。」
廊下で俺がボソッと呟いていると
「お、悠真じゃねぇか〜。何を呟いてたんだ?」
急に話しかけてきたコイツは俺のクラスメイトの川田希だ。
「いや、何でもない以前に、お前に話す必要は無い」
「なんか、小旅行って聞こえたんだけど、もしかしてお前…彼女の麗華ちゃんといかがわしいことをするつもりか…!?俺はまだなのに…」
「まず、俺は大学卒業するまでそういう事はヤらない。あと、お前は単にその勇気はあってもお前が彼女に勝てないだけだろ」
「な…」
まぁ、こんなわけでしょっちゅう絡んでくるため、正直言ってウザい。俺もコイツも彼女持ちだが、俺の彼女は剣道で俺よりも上、そして希の彼女は柔道師範代クラスの強さらしい。まぁ、そんなこんなで襲おうとすると必ず返り討ちで次の日は包帯ぐるぐる巻きにして学校に来る。
「あ、ちょっと用事思い出したから教室戻るわ」
「え、あ、ちょ…俺も連れてってくれよ〜!」
「ねぇ、希くん?何に連れてって欲しいの?」
俺はこうなる事が嫌だったためこの場から逃げたのである。毎回希が俺と話している時に爆弾発言をし、それを報告するのがその希の爆弾発言を聞いた人になっており、直接制裁を下すのが小野寺優子という役割分担(?)ということになっている。希の悲鳴は学校中に響いた。
なんやかんやで今日はどこに居ようと問題だらけの日だった。
まずその1、何かとこの馬鹿な希が俺に突っかかってきては彼女に鉄拳制裁を喰らう。
その2、以前のヤンキー共に兄貴扱いされ、俺の変な噂を聞いたこと。
その3、麗華と話したせいかそれ以前からかで霊がよりはっきりと見えるようになり、会話もできるようになってしまった事。
その4、もう思い出したくない
などの様々な問題事(俺にとっては)があった。
そんな事があって、疲労困憊で部屋に入ると、何故かテンションMAX状態の麗華が飛び出してきた。部屋の中で走り回るのはまぁ、霊体化してるだけマシだが、こういう時に限って具現化してくるため、対処の仕様が無い。
「悠真くーん♪」
「うわっ!?」
ほら、こんな風にだ。
「頼むから、その使い分けはやめてくれないかな…。肉体的に疲れるんだけど」
「あはは…ごめんごめん(笑)」
「さて、それじゃ今から支度するか」
「え?どっか行くの?」
「ん?あぁ、ちょっとした小旅行だよ」
「小旅行って、どこに?」
「俺の実家だよ。案外近くに歴史的建造物が残ってたりして、意外と凄いんだよ」
「そ、そうなんだ…」
そう言う麗華を他所に、俺はとりあえず荷物をまとめた。家に帰るまでに4時間はかかる。親父と母に帰るとは伝えてないが、急に帰るとびっくりするだろうか…?いや、そんなはずはないだろうな。何せ6ヶ月ほど顔を見てないんだし(親父は1ヶ月ほど前に顔を合わせている)。 そんなこんなでお互い荷物の整理は出来た。霊が見える俺にとっては、霊は俺の親友みたいなものだ。俺が引っ越す前は、いつもお気に入りの場所で霊達と色んな話をしたりした。たまに悪意のある霊が来て、襲われそうになったこともあったけど、今となっては懐かしい思い出だ。
「あいつら…元気にしてるかな…。まぁ、幽霊だから元気だろうな…」
と、気づけば俺は独り言を呟いていた。
こんな小説を読んでくれてる皆様には、言葉も出ません。表現力皆無ですが、これからもしっかり勉強をして、より精を出そうと思います。長く待たせてすみませんでした。次からはしっかりと、1週間に1話のペースでやっていこうと思っています。