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モンスターテイミングオンライン (仮)  作者: 南 風
第3章 第2の街~目指せクラン設立
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第12話

 帰宅後、すぐに母親から昼食を言い渡され、更に……作らされ、しっかりと素麺を作り上げて食した後、夜ご飯まではゲームを許されることになった。

 ただ「宿題と言う名の学生の義務を少しは果たさないと、どうなるか分からないよ?」と、半ば脅されたので、昼食後1時間は机に向かう。


(まぁ、半分ぐらいは攻略サイトを覗きに行っていたけど)


 そんなこんなでもう昼過ぎ、午後2時過ぎになってしまったが、漸くログインする事になった。

 今日クラン名を決めると話していたので、皆と約束はしてはいるのだけど、会長の都合上夜ご飯が終わってからの集合になっている。


(会長は忙しいから、今後も集まるのは夜になりそうだな)


 そんな事を思いながらVR機器をセッティングしてベッドに横になりダイブする。

 今回の目的は、一人でスキルの検証をしようと思うのだ。

 ホームセンターでペットショップを横目で見て、早く黒緋たちに会いたくなった訳ではない。会いたくない訳でもないけど……


 まだ3日しか経っていないのに、もうログイン時の酩酊感になれたのか、特に普通にログイン出来た。


 第2の街のクラン協会前にログインすると、すぐに横に黒緋と翡吹も現れた。

 ログインしている間のこの子たちの意識って、本当にどうなっているのだろうか。

 実際はプログラムであるからして、実際の動物などと同じ様に考えてはいけないとは思うけど、どうしても考えてしまうのは仕方ない事なのかな。


「黒緋、翡吹お待たせ。夜皆も来るけど、それまでに少しスキルとか色々試したいからよろしくね」


 俺の言葉に2匹は「ワンワン」「キュイ」と了承(?)をしてくれた。


 そのまま2匹を連れて街の外に向かう。

 俺の初期設定スキルで今回試すのは付与魔法だ。

 ゲーム作成時に選択する時にも思ったが、このゲームではサポート色の強いスキルらしい。

 物質に魔法を付与する行為というよりも、プレイヤーやテイミングされている味方モンスターに対して何かしらの効果を与える魔法の様だ。一般的に言われている『バフ』と呼ばれる魔法だろう。


 本当はもう1つ試したいスキルがあるのだが…… それは回復魔法なのだけど、流石にダメージを受けないと調べようもないので今は見送る。

 もちろん敵モンスターと戦うのだからダメージを受けないとは言えないが、どうもこの2匹…… 特に黒緋はダメージを受けるイメージがわかないんだよね。


 荒野フィールドを街から少し離れた場所で改めて2匹に説明する。何となくだけど、こっちの言葉が分かっている感じがするから説明は大事だよね。


「えっと、さっきも言ったけど今日は、スキルを色々試したいと思います! と言っても、まだレベル的にそんなに種類が無けど、時間も余裕あるしゆっくり調べて行こう」


 2匹に向けてそう説明すると、黒緋も翡吹も「ワン!」「キュイ!」と了承(?)の返事をしてくれる。

 改めて本当に言葉を理解しているとしか思えないよな。こっちもそのつもりだったから説明した訳だけど。


 さて、今使える付与魔法のスキルは2つ。

 1つ目は『スピードアップ』と言うスキルだ。これはそのまま付与した相手の行動速度が上がる付与魔法だろう。移動速度が上がると言うより、戦闘中の行動自体のスピードが上がって回避率や攻撃の速さが上がるのだろうと思う。

 2つ目は『ブレッシング』と言うスキル。名前から想像する……のは、少し難しいかもしれない。昔やっていたネットゲームで見たことがある名前だったけど、ゲームによって効果が様々だった。あるゲームでは、ステータス増加効果だったり、別のゲームでは、神聖属性の付与だったりした。

 こればっかりは、使ってみないことには分からない。その為に早くログインして試すんだけどね。


「じゃあ、最初は『スピードアップ』の付与魔法からだね。行くよ!」


『スピードアップ!』


 詠唱などは無く、スキル名を告げながら対象である黒緋に手を向けると手の先から淡い緑色の光が出現し、黒緋を包んだ。

 掛けられた黒緋も最初は少し驚いたみたいだけど、特に問題無く身体が薄く淡い緑色に光ったままだ。これは効果時間中は光ったままなのだろう。

 効果が続いているか、切れているかが一目で分かるのでありがたいシステムだ。


 そのまま黒緋には、色々動いてもらう。

 実際にスピードが上がっているかは、ハッキリ言って、余り良くは分からない。若干動きが機敏に見えなくもないが、そこまで劇的に効果が出ているといった感じには見えない。

『スピードアップ』自体にレベル設定は無いので、もしかしたら効果はスキルを使う術者のレベルによるのかもしれない。俺のレベルが上がったらもう少し効果が上がると期待しておこう。


「黒緋、どう? 俺からはそんなに分からないけど、自分の動きが早くなったりしてる感じある?」


 黒緋に尋ねると「ワンワン!」と肯定する様な返事が返ってきた。どうやら黒緋自身には、体感出来ているみたいだ。今後積極的に使っていくようにしよう。


 次は『ブレッシング』の検証だ。

 こっちは今一効果の予想がついてないから、敵との戦闘も視野に入れた検証が必要かな。次は翡吹に頑張ってもらうことにしよう。






分割更新のため、少し短めです。


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