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モンスターテイミングオンライン (仮)  作者: 南 風
第3章 第2の街~目指せクラン設立
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第5話

 街の中に入り、まずは全員で冒険者ギルドに向かう事になった。

 このゲームでの冒険者ギルドの立ち位置は、一般的な他のゲームなどにあるものと余り変わりはない。

 クエストと呼ばれる依頼書を受注し、それを達成し設定されている報酬(金銭や物品)を受け取る方式だ。

 モンスターからのドロップ品がほとんど無いこのゲームで金銭を入手しようとすると、どうしてもこのクエストを受けざるをえないという事だ。

 実際には、モンスターからドロップする事はほぼ無いというだけで、皆無ではなく、そのドロップ品を売る事によって金銭を入手する事も出来ないことは無いらしいのだが、ドロップ確率が極端に低いうえに、ドロップするのはボス属性のモンスター限定だという事だ。

 良くあるゲームなどと違い、ドロップするものは総じて価値ある物という認識で良さそうであるが、情報サイトなどにも、未だボスモンスターを討伐した記載がない事から、どの様な物がドロップするのかは今は分からない。


 そんな訳で、今後金銭が必要になる事を思い、まずは冒険者ギルドに登録に向かっていると言う訳だ。


 第2の街の中でも大きい部類に入る建物。木造の建物で、冒険者ギルドと書いてある巨大な看板が掛かっている。その大きな建物の扉をあけ、中に入る。

 中は、割りと簡素な造りだ。

 クエストが掲示されているっぽい物が片隅にあり、そこには数人の人影がある。

 その反対側は、受付カウンターらしき場所が数か所あり、女性と思われる人が座っている。あれはNPCなのかな?


 俺たちは登録をするために、一先ずは掲示板ではなくカウンターの方に向かう。


「すいません。登録をお願いしたいのですが、こちらでいいのでしょうか?」


 カウンターまで行き、座っている女性に声をかけると、ニッコリと微笑みながら対応してくれた。


「はい。こちらで登録が出来ます。登録は、皆様でしょうか?」


「ええ、4人とも登録をお願いします」


 全員登録をする事はあらかじめ決めていたので、全員分の登録をお願いすると「かしこまりました」と言って何かを操作する素振りを見せる。

 すると、視界内に半透明のボードが浮かび上がった。


【冒険者登録をしますか? Y/N 】


 何と言うか、説明も無しにいきなりこれは少し驚くな。

 他の3人も少し困惑の顔を浮かべながら、目の前に浮かんだボードを見ているようだ。

 一先ず登録のYボタンを押すと【冒険者登録を完了しました】と浮き出て、少しすると消えた。

 登録を済ませてもう一度カウンターの女性に声を掛けると、クエストの受注手順を教えてもらえた。


 どうやら先ほど想像した通り、向こうにある掲示板っぽいのにクエストがあるらしい。

 ただ、想像と違っていて、受注自体はその掲示板の前で出来るらしい。こちらにあるカウンターでは、クエスト達成の報告と新規の受付だけらしい。

 そして、説明されて初めて知ったが、クエストを受けると対象モンスターが特定のアイテムをドロップする様になるらしい。

 イベント的な扱いのアイテムらしいのだが、そのドロップ品もこちらで買取をしてくれるらしい。もちろん素材をそのまま製造や製薬などと言った、物作りにプレイヤーが使用する事も可能らしい。

 この辺はサイトで得られなかった知識あったので、ありがたい。

 実際に物作りに関しては、今後どうなるかは分からないが、こういったゲームでは総じてプレイヤー作成の武器防具は性能が高い。

 きっとこのゲームでもそうだろうとは思う。

 今はまだプレイヤーのほぼ全員が手探り状態であろうが、もう少しして落ち着いてくれば、素材持ち込みで作成を依頼したりすることも出てくるだろう。


 登録も無事終わり、説明も簡単ではあるが受けたので、4人で掲示板にどの様なものがあるか確認しに行った。


 そこでも、少し驚くことがあった。

 ゲームや小説でよく出てくる冒険者ギルドでの受注などは、大体が掲示板に貼ってあるクエストの依頼を剥がし受付カウンターで受注するという流れがほとんどだ。

 でも、先ほどの登録でも分かったが、ここでは掲示板で直接受注出来る。

 というのも、掲示板の前に行くと、システム的な介入があり、半透明のボードが浮き出てくる。

 これには色々なクエストが掲載されており、そのままそこで受注出来るかららしい。

 そして、珍しい事に受注資格などは特になく、冒険者登録をしていれば、掲示されているクエストを全て受注可能らしい。中ではパーティーでしか受注できない制限もあるみたいだが、レベルなどの制限は全くないらしい。

 当然レベル等を参考にした難易度は掲載されているのだが、それでも受注資格と言うものは、冒険者登録をしているかどうかしかないのは驚きだろう。


 一通りクエストに目を通してから3人に声をかける。


「クエストはとりあえず後回しにして、先にクランを作りに行こうか」


 俺の言葉に3人とも頷き、そのまま冒険者ギルドを後にする。

 ミノール君は、少し残念そうにしていたが、どうせ後で来ることになるんだから我慢してほしい。じゃないと……スイーツさんにまた叩かれるよ?


 冒険者ギルドを出て広い通りを進んでいくと、先ほどの冒険者ギルドと似たような大きさの建物が目に入る。

 看板には『クラン協会』と掲示されているところから、ここでクランの事が出来るのだろうと思う。

 実際にどうなのかは、情報も出ていなかったし中に入ってから話しを聞かないと分からないのだけど、とりあえず目的地である場所に間違いは無いだろう。


 そんな訳で、早々に当初の予定通りクラン設立のための場所に到着するのだった。




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