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モンスターテイミングオンライン (仮)  作者: 南 風
第3章 第2の街~目指せクラン設立
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第2話

大分遅くなりました。申し訳ありません。

 4人で集まり、とりあえずの指針である全員で第2の街に向かうと決定し、ご飯に。


 皆それぞれメニューから思い思いの物を注文。メニューを見ながら会長が「このハンバーグに使っているお肉は何処産なのでしょう?」とか言っていた。

 高校生である俺らの年齢で、そんな事をファミレスで聞く人が居るとは思わず、俺は唖然としてしまったが、慣れているのか隣に座っている哀川さんが色々教えていたのが印象的だった。

 やっぱりお嬢様は、ファミレスでご飯とかあまりしないんだろうなと思った瞬間だった。

 その後は特に問題も無く食事を終え、哀川さんはキャラ名にしている様にデザートのスイーツを注文しそれも完食。

 全員ドリンクバーのお代りを取りに行く、4人席に着いたのを見計らって、俺は第2の街に到着してからの事を話す事にした。


「それで、第2の街に到着してからの事なんだけど。どうも第2の街には冒険者ギルドがあるみたいで、そこで色々なクエストが受けられるみたい。基本的にあのゲームのお金稼ぎはそういったクエストを中心にして稼ぐみたいだから、冒険者ギルドには行く事になると思う」


 俺の言葉に観刈谷と哀川さんは納得顔で頷いてくれた。会長は、多分何も理解出来ていないので、今は放置する。


「それ以外にも、クランの設立がどうも第2の街で出来るらしいんだ。俺と哀川さんはすでに2匹のモンスターを連れているし、上限がどうもはっきりしないみたいなので、テイミング出来るモンスターの上限を増やす方法があるクランに関しては調べるなりして、加入か、設立か、考えないといけないと思う」


「そうね。でも、誰か見知らぬ人のクランに加入するって言うのは、少し考える方が良いかも」


 クランの件に関して哀川さんは思う事があるらしい。


「確かに、知らない人のクランに加入するのは未知の部分もあるけど、否定的っぽいのはどうして?」


「まず、雫お姉ちゃんが居るからって言うのが1つ目の理由」


 自分の名前が呼ばれたので、隣に座ってアイスティーを飲んでいた会長が哀川さんに目を向けるが、その視線を気にせずに続きを話し出す。


「2つ目は、私たちの強みって、やっぱりリアルでの繋がりだと思うの。それは情報の共有もそうだけど、それに加えて詐欺られたり、裏切られたりのリスクが段違いに低いと思う」


 確かに。

 もちろんリアルで関係を持っているから100%裏切らないとは言えないが、それでもネットだけの付き合いの人よりはそのリスクは極端に下がるだろう。

 特に俺を抜かした3人で言えば、幼馴染だ。

 その関係性からすれば、裏切りとか詐欺とかは100%無いと言える。もちろん俺もそんな事するつもりは無いから、俺からすれば4人内ではと言いたいけど、3人がそう思うには俺はまだ関係性が低い。

 観刈谷と哀川さんとの付き合いは同級生でもあるし、それなりにあるが、会長とは直接かかわったのは今朝が最初だし仕方ないだろう。


 それに哀川さんの言う、裏切りや詐欺に注意するっていうのも間違っては無い。

 特にネットゲーム初心者である会長も一緒に行動するのであれば、その点は気を付けるべきかもしれない。

 会長自身が気を付けるとしても、やはり慣れている慣れていないのはあるだろうし。


「そうだね。1つ目も2つ目も、納得できる。でも、そうするとうちら4人でクラン設立って事になるけど……良いの? あ、俺抜かして3人でってのもありだと思うけど」


 俺が抜けている方が良いかもしれないと言うと、哀川さんが凄い顔して「それはない!」と突っ込んできた。

 隣の観刈谷も「ねーだろ」とか言ってるし。会長は、何も理解していない顔で微笑んでいる。


「いや、だって3人だけの方が繋がりが強いだろうしさ」


「神宮寺君が居なかったら、今後のテイミングに関して心配が尽きないから却下!」


「神宮寺が居ないと、色々とやばいからダメだ」


「神宮寺君、何処か行っちゃうのですか?」


 3人(1人は理解していない感じだが)とも、俺が居ないとダメだと……

 って言うか、哀川さんの心配が尽きないって……まぁ頼りにされるのは嬉しくはあるけど。

 観刈谷の言う「やばい」が、何を指して言っているか…… 何となく分かってしまった。きっと、今現状何も理解していない方の事だろうな。俺は、緩衝材役なんだろう。それはそれで別に問題はないが。って、問題起きない様にするって考えは……無いんだろうな。


「分かったよ。じゃあ、クラン設立の件を到着後に調べて、最初は4人でクラン設立に向かって動き始めるって事で良い?」


 クランに関しての決定を言うと、2人とも了承し頷いてくれた。1人は未だ理解していない感じで疑問顔をしているが「雫お姉ちゃんには、後でちゃんと教えるからね」と哀川さんがフォローしてくれている。

 会長に関しては、哀川さんに任せる事にしよう。


 そんな事を考えていると、隣の観刈谷が口を開いた。


「ってかさ、クランって作るのに何かいるんじゃねぇ? 普通ネトゲとかで何かの団体作るときってパーティーみたいな小規模じゃない限り、金とか必要だったりしねぇ?」


 確かにそうだ。

 実際に過去やっていたネトゲでは、金銭的な物と設立する時のマスター役のキャラのレベル制限などもあった。

 モンスターテイミングオンラインのクランが、どういった形になっているかは、まだ不明ではあるが、何もないとは到底思えない。

 色々な部分で仕様的におかしい感じを発揮しているあの運営の事だ。テイミング出来るモンスターの上限が増えるらしいクランの設立……絶対厳しい制限がある。


「そうだね。何も無しでそのまま設立出来るとは、考えない方が良いかも。でも情報の無い今の時点でそこまで考えても仕方ないよ。お金が必要なのか、それともマスター役の必要レベルがあるのか、それとももっと違う条件があるのか、それは行ってから実際に確認するしかないね」


 不明な部分が多すぎるし、正直、現状でそれが分かっても仕方ない気もする。

 行った後に条件を見てから考えればいいと思う。クラン設立自体焦る必要はないのだから。


「それじゃあ、ログインしてから第2の街に皆で向かうって事で良い?」


 哀川さんの言葉に、俺も観刈谷も、そしてさっきまで話に全く付いてこれなかった会長も頷くのだった。

 そのまま解散し、携帯での連絡でログイン時間を合わせログインする事になった。

 

 第2の街がどんなところか分からないけど、この人達と行くなら退屈はしないだろうな。苦労はあるかもだけど……それもまた楽しみだ。





 ちなみにファミレスの代金は全て会長の奢りだった。

 お嬢様、御馳走様でした!



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