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モンスターテイミングオンライン (仮)  作者: 南 風
第2章 開拓村~森林フィールド~
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第15話

 まずは開拓村にある、民家へ足を運ぶ。

 中では開拓村に移住してきた人が居て、色々話しを振ってみたが、特に新しい情報がある訳でもクエストが発動することもなかった。

 前に受けたクエストの様に条件があるのかもしれないが、現在の状況でそれを推測するのは難しい物がある。

 以前来た時と似たような事、それと「森林は草原と違いモンスターが強い」とか「森林は草原と違って、夜になると危ないモンスターが出るわ」とか、話しを聞いて受けた感じだと、やっぱり草原との違いを指摘する様な感じの話題が多かった。

 ただ、以前来た時には、皆が皆こんなことを言わなかった気がする。


――― 確か、3軒目にして漸く草原とは違うっぽい事を聞いた気がする。


 実装初日だったからなのか、それとも俺が開拓村に来るのが2回目だからなのかは分からないが、ある意味でこのゲームの高性能AIの真価を見た気がした。こうやって変わっていくのか。


 クエスト発動としては、そういった話が多い事から、その辺りに何かヒントがありそうだけど、やはり現状でそれを探すのは厳しい。

 


 民家での話しを聞き終え、次いで向かうのは、以前立ち寄らなかった商店だ。

 商店と言っても、そこまで立派な感じではないけど……

 前の時は、お金もないし買い物自体をしようと思わなかったから足を運ばなかったが、今日は色々情報収集が目的でもあるし、開拓村で販売される物を見てみるのも良いだろう。


 掘立小屋っぽい感じの建物のドアを開けて中に足を進めると、そこには、カウンターっぽい物とその奥に1人のおじさんが椅子に座っているだけだった。


「すいません。ここはどんな商品を扱っていますか?」


「すまんな。まだ移住して間もないから商品は並べていないんだよ」


 俺の問いに間髪入れずに返答をくれたおじさん。

 なるほど。

 以前村で話しを聞いた時の事を思い出した。あの時も似たような事を民家に居る人が言っていた。

 これは、きっと時間が経つか何かあるかで、商品が出てくるシステムなんだろうと予想出来る。

 村人の話しが変化したことからもそれは確定だろう。

 とすれば、今はここには用は無い。

 そのまま特に話しを続ける事無く、商店を後にした。


 さぁ、やる事が無くなったぞ!?

 まさか、情報すら皆無であり、更には商店は営業状態にすらなっていないとは想像もしていなかった。

 予想よりもかなり早く終わってしまったため、ある意味困惑だ。

 俺の困惑を読み取ってか、黒緋と翡吹もシュンとしている。1人と2匹揃ってテンションだだ下がりだ。


「やる事無くなったね。まさかこんなに早く終わると思っていなかったし、どうしようか悩むんだけど、クエストの話しをした2人も気になるし始まりの街に向かおうか。ついでに道中のモンスターを倒しながらレベル上げもしよう」


 俺のレベル上げもしように反応したのか、黒緋は「ワン!」と元気良さそうに返事をし、翡吹も「キュイ!」と肯定の意思を出した。

 2匹とも良い子本当に良い子だな。2匹の頭を撫でてあげ、村から始まりの街に向かう事にした。



 村を出て森林フィールドでのんびり始まりの街の方に歩いていると、いきなり黒緋が俺の前に飛び出し「ウゥー」と低い唸り声の様な声をあげた。

 黒緋の視線を追ってみると、そこには体長3メートルほどあろうかという蛇が木からぶら下がっていた。

 俺は、すぐにモンスター鑑定を発動する。


 モンスター鑑定使用

 モンスター名:ジャジャ

 Lv17:竜種:ランクF


 と表示された。

 ジャジャって…… 蛇蛇とでも書くのだろうか。確かに蛇だけど……

 それに蛇は竜種になるんだな。このゲームのモンスターの種族が何種類あるのかすら未だ分かってないから何とも言えないところだが、見た目まんま蛇のこのモンスターが竜種に分類されるとなると、あまり種族数は多くは無いのかもしれない。

 確かに蛇は、龍に似ているかもしれないけど、あまり竜種には分類されていない気がする。


「黒緋、翡吹、気を付けて! レベルは俺らの方が高いけど、油断しないように! 後、蛇っぽいから毒とかに気を付けて」


 蛇と言えば、最初に連想するのはやっぱり毒関係だと俺は思う。

 実際に居る蛇も毒を持つ種族と持たない種族とあるが、状態異常としてステータスに何かしらの効果を及ぼす危険がある攻撃方法を持っていても何もおかしくは無い。

 俺の言葉を受けて「ワンワン!」「キュイキュイ!」と返事を返してくれる2匹。

 そのまま黒緋は『ジャジャ』に向かって突っ込んでいく。翡吹は、昨日の夜と同じく俺の少し前に出て俺を護るような、後衛的ポジションだ。


『ジャジャ』の体長は約3メートルほど。太さは、俺の腕よりも少し太いぐらいか。

 攻撃方法として考えられるのは、巻き付いて絞め殺すか、毒などがあれば、それを飛ばすことも考えられる。


 そんな事を考えているうちに、黒緋が『ジャジャ』に肉薄。『ジャジャ』は、にゅるにゅると動くだけで、特にこれと言って大した行動をとらない。

 そのまま黒緋が『ジャジャ』の胴体を切り裂く。牙を使って咬み付くのではなく、牙を突き立てたままスライドさせ斬った様だ。

 あんな攻撃も出来るのか。改めて黒緋のポテンシャルの高さに驚く。


「シャーシャー!」


 攻撃を受けた『ジャジャ』に痛覚があるのかは分からないが、変な声を上げながら尻尾を鞭の様にしならせ黒緋に攻撃をするが、黒緋はそれを危なげなく回避する。

 そのまま、黒緋が再度咬み付き攻撃。今度は咬み付いた。と同時に、俺の腕よりも太い胴体を真っ二つに分断した。そのまま『ジャジャ』はポリゴン片を散らしながら消えていった。

 どうやら倒せたようだ。毒攻撃も無ければ、他のそういった攻撃は一切なかった。というか、尻尾を鞭の様にして攻撃してきただけしか攻撃はしてこなかった。

 いや、黒緋がさせなかったと言うべきなのかもしれないが…… 黒緋は凄いと言う事が改めて分かった。

 むしろ、森林フィールド程度だと無双出来るんじゃないかと思ってしまうほどの動きだ。

 結局黒緋しか動かなかったし。


 戻ってきた黒緋を「良くやったね」と撫でてあげると、嬉しそうに「クゥーン」と喉を鳴らして喜んで居た。その少し後ろで、それを羨ましそうに翡吹が見ていたので「翡吹も俺を護ろうとしてくれてありがとう」と撫でてあげると、こちらも嬉しそうに「キュイキュイ」と鳴いていた。

 本当にこの子たち可愛い。

 

 少し落ち着いたところで、2匹を連れ、また森林フィールドを歩き始めた。

 それから何度か『ジャジャ』『コードラ』と遭遇したが、黒緋が危なげなく撃退。俺は本当に何もしなかった。

『ジャジャ』に関しては、どうも攻撃方法が尻尾を鞭の様に使って攻撃するか、巻き付くかしかないらしく黒緋は余裕を持って回避しながら撃退。

 翡吹の同種である『コードラ』に関しても黒緋無双であっさり撃退していた。


 翡吹をテイミングする時に分かっては居たけど、どうも黒緋は強すぎる気がしないでもない。確かにレベルはすでに20になっていたし、出現モンスターよりも高かったのだけど、それにしては強すぎる気が。

 それでも、弱いよりは全然良い。頼りになってくれるのであれば何も文句はない。

 翡吹に関しては、どうも黒緋との間に何か話し合いがあったのか、俺を護る様なポジショニングで動いている感じだ。

 特に黒緋に加勢する事もなく、俺の少し前に立ち黒緋の戦いを見ている。

 昨晩の様に、黒緋の攻撃の効かない相手が出てこない限りは、このままなのかもしれない。

 それに、黒緋が『コードラ』と何度か戦っているのを見て気が付いたが、どうも『コードラ』は竜種だが、物理的にはあまり強くない感じがした。

 翡吹自身もそうだけど、接近戦が苦手なのかもしれない。

 そういった事が分かっただけでも、収穫ではあった。今後のレベル上げに役立つし。


 そんな感じで数回の戦闘を経験し、森林フィールドを抜ける事となった。




 森林フィールドを抜けたら、今度は俺の番だ。

 草原フィールドは『ばぶるん』が多数いるから…… 俺が武器を投げないと危険だからだ。





 

累計PVが750,000、ユニーク数が11,000を超えました!

皆様ありがとうございます。


今後も頑張って更新、投稿していきますので、応援よろしくお願いします。

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