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モンスターテイミングオンライン (仮)  作者: 南 風
第2章 開拓村~森林フィールド~
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第3話

「Rクエスト? 苦手なテイミング? どういう事?」


 翡吹をテイミングした経緯の説明で明かしたクエストの件を話すと、スイーツさんは更に疑問顔を深める。

 まぁ、いきなり言われても分からないよな。


「最初から説明するよ。まず最初に街の住民とかと話しをするとクエストを受けれるって言うのは知っている?」


 俺の質問にスイーツさんは首を横に振る。予想通りの反応だ。彼女らはクエストどころじゃなかったんだろうと容易に想像が付く。


「詳しい説明は省くけど、話しをするとクエストを受けれるって言うのだけ今は理解しておいて。で、俺が民家で話しをしたおばちゃんからさっき言ったクエストを受ける事になったんだけど、クエストの発動条件? って言うのかな。それが設定されているクエストだったんだと思う。クエストの頭に『R』が付いていたしね。それで発動条件なんだけど、俺の想像ではクエストの内容から想像してマイナス補正が付く種族のテイミングを成功させるって内容なんだと思ったんだ。それで草原から出て開拓村がある森林の方に行って活動してたら、そこのフィールドに『コードラ』って種族が居て、それがこの子。名前は翡吹で、雌だよ」


 一気に説明したけど、スイーツさんは理解しているみたいだな。「なら私も」とか呟いている。

 実際にテイミング不可能な種族があるのかどうかは不明だ。スイーツさんにとって、というか、エルフ族にとって『ベルドッグ』などの獣種がマイナス補正がある苦手種族なのか、テイミング自体不可能なのか、こればっかりは本当に分からない。

 これからテイミングしにいって判断しようとは思うけど。


「今の話しからすると、不可能かどうかは分からないけど、そういったクエストがあるからテイミング自体にマイナス補正がある場合もあるって証拠だって事ね」


 ずばりその通り。

 だけど、俺がこの話しをしたのは、それが言いたかった訳じゃないんだな。


「うん。だけど俺がこの話しをしたのは、それを言いたいからじゃないんだよ」


 俺の言葉にスイーツさんは、更にハテナマークを顔に浮かべた。

 焦らないでもう少し付き合ってくださいな。ちゃんと説明するから。


「俺がそのクエストを受けて、翡吹をテイミングしたことでそのクエストをクリアしたんだけど、そのクエストの報酬で少しきになる事が分かったんだ」


「気になる事?」


「うん。そのクエストの報酬で『従者との絆』ってスキルを取得したんだけど、そのスキル内容が『テイミングしたモンスターの好感度が下がりにくくなる』ってものだったんだ」


 クエスト報酬で取得したスキルの事を話すと、やはり驚いた顔をしていた。

 好感度なんてパラメーターは、未だ確認してないもんね。俺もこのクエストを受けなければ分からなかったし。


「その事から分かる様に、このゲームにはテイミングしたモンスターに好感度って隠しパラメーターが存在することが判明した」


「それは、理解出来た。ビックリはしたけど……正直に言うと、だから何? って感じで分からないんだけど……それも説明してくれる?」


 いや、少し考えればわかると思うんだけど……特に俺と違って少なくない数死んでいるのに……


「だからね、好感度があるって事は、色々考えられるけど低くなると何かとマイナスな事柄が起こる可能性があるんだ。例えば、戦闘中にいう事聞いてくれないとかね。むしろスイーツさんからすれば、懐いてくれないかもって方が重要かも」


 そこから想像出来る事を説明しはじめると「確かにそれは重要よ!」と同意してくれた。

 確かにテイミングモンスターを、見た目とかの可愛いさ基準で選んでいるのだから自身に懐いてくれないのは、スイーツさんにとっては望まない事だろう。

 スイーツさんにとってこのスキルを取得する事は、別の意味があるかもしれないな。


「これは俺の想像だけど、テイミングモンスターが死んだり、プレイヤーが死んだりする事で好感度は下がると思う。それで、今後死なないでやっていきたいのは分かるし俺もそうだけど、これがゲームであり、更に開始されて間もない今の様な情報の少ない状態では、いつかは死ぬと思う」


 俺の言葉に激しく同意している。大した情報もない段階で、二人で死にまくっていた事を思い出したんだろうな。


「だからこそ、このスキルを取得するのは良い事だと思うんだ」


 漸くここまで話せた。必須とまでは言わないが、スイーツさんには欲しいスキルだろう。

 俺の言葉に合点が言ったのか「なるほどね」と納得してくれている。

 まぁ、他にも色々思う事はあるんだけどね……


「それでクエストの発動条件だけど、これは多分になるんだけど、マイナス補正のかかる苦手種族と思われるモンスターをテイミングした状態で、あの民家のおばちゃんと会話する事じゃないかと思っているんだ。で、スイーツさんはこれから苦手種族だと思われる『ベルドッグ』をテイミングしようとしているから……」


「つまりは、私が『ベルドッグ』をテイミングしたら、そのクエストを受けるのが良いって言いたいのね?」


 理解が早くて助かる。


「そう。苦手種族がどの種族かが分かってない状態で2種類探し当てるのは中々難しいかもしれないけど、やる価値はあると思う。特に1種類はもう確定している様なものだしね」


 俺の場合、翡吹が苦手種族だったのは、たまたまとしか言えない。

 翡吹のテイミングを決めた事だって、苦手種族とかクエストの事とか頭から飛んでて、単純にドラゴンを仲間にしたい! って魅力からだったし。

 エルフにとって、何がマイナス補正がついているのかは、ちょっと分からないけど、

 何はともあれ、まずは『ベルドッグ』をテイミングしないと話しは進まない。


「とにかく『ベルドッグ』をテイミングしてからだね」


「うん。そのスキルは絶対欲しいけど、先に『ベルドッグ』をテイミングしないと話しにならない感じだね。頑張る!」


 やる気十分だ。やる気と気合いに満ちているのが凄く良く分かる。

 だけどスイーツさん。1つだけ少し違うよ……

 もちろん、スイーツさんは頑張らないとダメなのは理解出来るけどね……本当の意味で頑張るのは、俺とミノール君じゃないかと思うんだ。



 そんな感じで話しも終わったし、何も理解していないけど強制的にミノール君を連行するスイーツさんと俺は『ベルドッグ』を探しにフィールドを歩き回り始める。


 何か、頭の中でドナドナが流れている気がする……ミノール君……合掌。



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