第1話
第2章開幕です。
ログインし、目を開けるとそこには黒緋と翡吹がそろってこちらを見ていた。
何処か寂しそうな目を向けている。ってそれはそうか。
いきなり何も言わずにログアウトだったもんな。この子らに意思の様なものがあるのは、すでに分かっていることだ。
ここは、甘えさせてあげないと……の前に、場所を変えないとな。すぐ横で「あらあら」とかおばさんが言っているし。
おばさんの家を出て、少し離れてから改めて2匹に向き直った瞬間、思いっきり頭を下げる。
「黒緋、翡吹、本当にごめんね! 俺も予期しないことだったんだけど勝手に落ちちゃって寂しかったよね?」
俺の謝罪に黒緋は、即反応して俺の元まで尻尾を振りながら駆け寄って来て、頭を俺の脚に擦り付ける様に甘えてくる。
それとは対照的に翡吹の方は、ゆっくりとそんな黒緋を見ながら俺の反対側の脚に体を寄せて来た。翡吹は、甘えべたなのかもしれないな。でも、今回はいっぱい甘えさせてあげよう。
2匹の頭や首筋を引っかくように撫でてあげると、2匹とも気持ち良さそうに「ワンワン!」「キュイキュイ!」と更に甘えてきた。
これは、癖になるかも……今後もどんどん2匹とスキンシップを取ることを心に誓った瞬間だった。
と、そんな和やかな触れ合いをしていると、頭の中に「ポーン!」と機械音が響き、半透明のチャットウィンドウが立ち上がる。
以前フレンド登録したスイーツさんとミノール君だ。
『今ログインしました。神宮司君は、今何処にいますか? こちらは、実と一緒です』
『俺は、始まりの街に居るよ。ってスイーツさん。ゲーム内で本名はだめだよ? ジンクでよろしく』
『あ! ごめんね。 では、街の入り口で待ち合わせでいいかな?』
『了解しました。』
軽いやり取りの後、指定された場所に2匹を連れて向かうことにする。
何て言うか、初めてのチャット機能を使ったけど、空中に浮かぶ半透明のウィンドウに半透明のキーボードを操作するのって、違和感半端ないな。滅茶苦茶やりにくい。
これ他の人には見えてないんだろうから、怪しさも全開な気がするし。
そんな事を思いつつ、2匹に軽く説明をする。
「今日はこれから、黒緋は前に会った事ある人たちと一緒に行動するからね。翡吹は初めてだけど、怖い人達じゃないから仲良くしてあげてね」
怖い人、ではないはずだ。ただ、二人とも少しおかしいだけで……スイーツさんは、主にモンスターに対して。ミノール君は、全般変かな……
2匹にそう言い含めてから、街の入り口に向かって歩き出す。2匹とも俺の左右隣をくっついてきた。どうも、まだ甘えたりないのだろう。凄く可愛いから良いけどね! 可愛いは正義だし!
だけど、約束したから行かないわけにいかないしね。2匹を少し落ち着かせ、そのままゆっくりと街の入り口に向かうのだった。
「ジンク君! ここだよー!」
街の入り口の近くまで着たら、呼ばれたので声のする方へ向くと、そこには満面の笑みで手を振るスイーツさんとその横で若干ぐったりしているミノール君がいた。
満面の笑みって、テイミングを楽しみにしているのは分かるけど、それと対照的なミノール君との対比が凄く歪に見える。きっと付き合うのが嫌なのだろうとは分かるけど。
「お待たせしました」
「全然平気だよ。むしろこっちから頼んだことだし申し訳なさいっぱいだよ」
さすがに無理を言っている自覚はあるのか、申し訳なさそうな顔を見せるスイーツさん。
「なら俺を解放し「何か言った?」いえ、何でも……」
おぅ…… 何か黒緋の後ろに見た幻影の般若が、スイーツさんの後ろにも一瞬見えた様な…… ミノール君ご愁傷様です。
「えっと、とりあえず街を出てフィールドで話しをしましょう。ちょっとおおっぴろげに出来ない話しもしたいので」
俺の言葉に疑問顔を見せる二人だが、素直に俺の言葉に従ってくれるようだ。
あのRクエストの話しを混ぜて今後の計画を立てたいんだよね。
苦手種族のテイミングが課題な訳だし。今回はスイーツさんのテイミングだから『ベルドッグ』を探すことになると思うし、この前の状況を考えれば十中八九苦手種族だろう。
ただ、最悪テイミング不可能な種族かもしれないと言う若干の懸念はあるけど……
ミノール君は、クエストとかあまり拘らない人っぽいし、今はまだ考えなくてもいいだろう。というか、竜人の苦手種族とか分からないし。竜と愛称の悪い種族ってなんだろう。『ベルドッグ』の種族である獣種は、到底苦手とは思えないし、翡吹の種族である竜種も確実に苦手ではないだろう。
今のところフィールドで俺の見かけたモンスターは、『ばぶるん』の精霊種『ベルドッグ』の獣種『コードラ』の竜種の3種類しか遭遇していない。
時間帯的に今は夜だから、昼間とはまた違ったモンスターも出るだろうし、その中にいるかもしれないけど、スイーツさんのテイミングをしながらそれを調べるのも中々に難しい気がする。
まぁ、ミノール君に見たことのない種族を勝手にテイミングさせるって手も、あると言えばあるけど……それも結構無責任な気がするな。クエストの為だけにテイミングするのも俺の主義には反するし。やはり本人の好みとか重要だと思う。
「って!? ちょ、ジンク君!? その子何!?」
そんな事を考えていると、スイーツさんから驚きの声が出た。視線は俺の足元。まぁ、翡吹を見てだよね。これは。
「それも含めて話しをするから、とりあえず移動しよう」
やばいぞ。スイーツさんの目がおかしい。
黒緋に続いて翡吹もスイーツさんの琴線に触れたらしい。滅茶苦茶羨ましそうな目で見てる。
竜種である翡吹に、やはり男の子であるミノール君も反応しかけたが、スイーツさんを見て態度に出さない様にしているっぽい。
『ベルドッグ』の件もあるし、それは一緒になって乗ってこれないよね…… 乗ってきたら何言われるか分からないだろうし……
そんな感じで3人と3匹は街を出て、草原フィールドを街から距離をとる様に移動するのだった。
移動中黒緋と翡吹とミノール君の『ベルドッグ』がじゃれながら歩いているのを、凄くニヤケタ顔(気持ち悪い笑顔とも言う)でガン見するスイーツさんが居た。これ、テイミング成功させないと本気でやばい気がする。色々な意味で。
第2章は、テイミング関係の話しを開拓村&森林フィールドの話しを中心に展開されていく予定です。そこに、少しリアルサイドの話しも。
しばらくは、この3人で進みますが、この章でもう1人仲間が増えるかもしれません(まだ未定です)
私の作品が何か、色々おかしい事に。
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これ夢じゃないですよね?
こんな私の作品を読んで頂いて嬉しいのですが、余りの多さに不安で胃が…… 今後も頑張ります。




