第9話
毎日言っていますが、今日も言わせてください!
お気に入りが60件を超えているって!?
本当にこんな私の書いた作品に……今後も頑張ります。不安もかなりあるのですが……
暗転からゆっくり瞼を開けると、そこは新型VR機のバイザー越しに見える自分の部屋の天井。間違っても「見たことの無い天井だ」という事は無い場所だ。
VR機を外し身体を起こしてから腕を回して体のコリをほぐす様に動かしてみる。
長時間に渡ってログインしたりすれば、さすがに体の調子も変わるだろうが、まだ帰宅してからそこまでの時間は経っていない。
昼過ぎという事で、さすがに空腹を感じはするが。
高校生の立場で寮生活でもない立場としては、当然の様に家族と住んでいるため、ご飯は基本的には母親が作ってくれる。
自分でも料理は出来るが、片づけが苦手で母親に怒られるので滅多に料理はしないことにしている。
そんな事を思いながらキッチンへと足を向ける。
「何やってるの!? ご飯の前にシャワーで良いから浴びてきなさい!」
キッチンの扉を開け、キッチンに立つ母親と目が合った瞬間に怒られた……
確かに4日徹夜後、帰宅してすぐにゲームするとは……母親からするとありえないのだろう。
そんな、汚物を見るような目で見なくても良いと思うのだが……
母親に言われるまま、大人しくシャワーを浴びに風呂場に向かうのだった。
昼食は、簡単に済むものでと思っていたら、心配することもなく素麺だった。
夏真っ盛り、とまでは言わないが暑い日が続いているのでそれも仕方ないだろう。
ただ、素麺はそこまで好きではないのだが……
素麺を半ば流し込むように食べ、食べ終わった食器をシンクに運び部屋に戻る。
部屋に戻りベッドにVR機をセッティングしログイン……の前に、インターネットで情報サイトを検索することにする。
すると、やはり既に情報サイトがあった。
掲示板などの搭載されたそれは、嘘か本当か分からない情報が交換されているのが分かる。
掲示板のログやレスを流し読みする。
中には『ばぶるん』相手に何度も爆死した話しもあり、やはりと思う内容の物もあった。
まだ初日で開始されて数時間しか経っていない状況では、あまり有用だと思える情報も発見出来なかった。
まぁ、今後のためにブックマークに登録はしたけど。
――― さて、そろそろINするか。
情報サイトを調べていたノートパソコンを閉じて改めてベッドに行きVR機を装着する。
――― とりあえずレベル上げ。後は、何か良さそうなモンスターが居れば、テイミングしたいな。
INした後の事を思いながら、本日2回目の軽い意識の浮遊感を感じるのだった。
軽い浮遊感を感じた後、前回はキャラクターの作成などがあったが、今回目を開けるとそこは、ログアウトした場所だった。
俺に少し遅れてすぐ隣で発光がある。特に魔法陣の様な物は出なかった。それは、先ほどテイミングした俺の可愛い相棒である『ベルドッグ』黒緋だ。
「ワン!」
出現して、と表現していいのか、現れてすぐに俺の方を向き嬉しそうに鳴き声を上げた。
可愛いな……やっぱり犬は最高だ! 特に、自分に懐いてくれているのが良い!
「ただいま。黒緋」
しゃがんで目線を近づけ、戻ってきた挨拶をすると黒緋は嬉しそうにこちらに擦り寄ってくる。
いや、この子本当に俺をどうする気だ? 可愛すぎるだろ。
「それじゃあ、落ちる前に言っていた様にレベルをもう少し上げようか。それと良さそうなモンスターが居れば、テイミングもしたいと思ってるからそのつもりでね」
落ちる前に言っていた通り、レベル上げとテイミングに向かう為街を出ようと黒緋に声をかけ歩き出す。
10分後
何故か、俺と黒緋は、未だ街の中に居た。
いや、何故かって事は無いな。理由は分かり切っている。というか、目の前にある。いや、居る。
「なぁー本当に頼むよ。そのわんこ譲ってくれよ!」
「あのね、悪いのだけど本当にお願い!」
落ちる前に狩りに行く気力を無くした原因に捕まり、落ちる前同様黒緋をくれとお願いされている。
いや、無理だって! 絶対無理だから! というか嫌だから!
本当に何でこいつらは、自分でテイミングしろよ…………
「あのさ、俺言ったよね? 自分でしてきなよ。『ベルドッグ』探しながらレベルも上げればすぐにテイミング出来るでしょ?」
思わず初対面の時よりも冷たい言い方になってしまった。
しかし二人とも特に何か思う事は無いみたいだ。
「そうなんだけどさ……その『ベルドッグ』ってモンスターは見つからなかった。というか……レベルすら上がらないんだよ……」
「そうなんです。どうしていいのかも……」
とりあえずは、俺の言った事を実行しようとしたらしい。
上手くはいかなかったみたいだけど。というか、レベルすら上がらないって何でだよ。
最初のフィールドでレベルが上がらないって、致命的なバグか、致命的なほどゲームが下手かしか……いや待てよ。
もしかして……掲示板にあった書き込みの様に、この人たちやっちゃった人か?
まだ決めつけるのは早いか。とりあえず理由を聞いてから判断しよう。
「『ベルドッグ』に遭遇出来なかったのは分からないでもないです。俺も数時間フィールドに居たけど黒緋だけとしか遭遇していないので。でも、レベルが上がらないって言うのが今一分からないのだけど、理由を聞いても良い?」
『ベルドッグ』との遭遇は、遭遇率自体が低いのかもしれないとは俺も思っていた。あれだけ動き回ってフィールドボスっぽいモンスターにすら遭遇したのに黒緋以外には遭遇しなかったからだ。
そんな俺の疑問に答えてくれるのか、落ち込んだ感じのテンションのまましゃべりだした。
「あの後フィールドに出て探し始めたんだけどさ。中々見つからないからついでにレベルも上げるかって、目的のモンスターに出会うまでに遭遇した他のモンスターを倒そうって話しになったんだよ」
あぁ……やっぱり……やっちまった人っぽい。
「そうなんです。でも『ばぶるん』ってモンスターと戦ったんですけど、ヤツらの自爆に巻き込まれて……」
確定だな。というか、あれは自爆では無いと思う。爆発の原因作ってるのはこちら側だし。
「そうですか。でも、あれからそこそこ時間経っているし、無理って思ったなら捜索に専念すれ良かったんじゃ?」
「それが……ミノールが、1回は倒そうって。自爆前に相手の体力を削り切ればいいんだ! とか言い出して……」
「いや、だってそうだろ!」
だから自爆じゃないんだよな。というか、体力を削り切っているから爆発するんだよ。
そんな事を思っていたら、俺には想像も出来ない事態をこの人たちは経験していたらしい事実が発覚したのだった。
「だからって、もう10回以上も死んでいるんだよ!? 別に痛くないけど、死に戻るのはもう嫌なの!」
女エルフさんの魂の叫びを聞いてしまった。
って言うか、10回以上も死んでもやり続けてるのかよ!?
昨日は更新出来ずに申し訳ありません。
連続更新は、本日は出来るかはまだわかりませんが、近いうちに2話投稿して昨日の件の穴埋めをしたいと思います。
今後も楽しみにしてくださってる方のため、自分の為に頑張って更新していこうと思うのでよろしくお願いします。
【修正】感じるはするが→感じはするが
街のを→街を




