表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒼月の覇者  作者: 鎖賦
18/21

6章:3つの再会(2)

 

「あっ」

リリアの顔がぱっと明るくなった(もともと明るいようなものだが)。

「ストリガロ、ケレス、ジェイ!」


彼女が言ったのは、3人の妖精の名前だろう。

名前を言った時に彼女が見た妖精を考えると、黒い妖精がストリガロ、緑の妖精がケレス、紫の妖精がジェイ。

いずれも男の妖精だ。


ストリガロは確かに黒の似合う落ち着いた顔で、髪は背中まで伸ばしていた。

それと対称的に、ケレスはひょうきんそうな顔に絶えず笑みを浮かべている。

残るジェイは全体的に丸く太っているが、それがなかなか愛らしかった。


「上手く隠れたつもりだったんだがなぁ」

頭を掻きながら、ケレスが口を開いた。


「当たり前だ」

と、無表情でストリガロが彼を見やった。

「妖精には仲間を感知する力があるのを忘れたか」


「あー、そうだった!」


「本当に忘れていたのか……」

ストリガロは呆れて言った。

「だからお前はもてないんだ」


「何っ!?」

ケレスは面食らって大声を出した。

「それとこれとは別物だろう!」


「似たようなもんだ。もてる男は頭を使うんだ」


「俺が馬鹿だって言いたいのかっ!?」


「違うのか?」


「うぉぉぉ、殺す!」

と、ケレスは鬼の形相でストリガロに飛びかかろうとした。


「まぁまぁ、そこは落ち着かないと」

と、2人の間に太ったジェイが入った。


ブレーキをかけたように、ケレスは止まった。

「でもよ、ジェイ…」


「ストリガロが言った事は間違っちゃいないだろぉ?」

ジェイはゆっくり話す。

「ケレスが言われた所直せば、ストリガロも文句言わないさぁ」


「む…、確かにそうだ」

腕を組んで頷いたケレスは、ストリガロの方に顔を向けた。

「いや、悪かった。ちゃんと直すぜ」


「わかれば良いんだ」

ストリガロはなおも無表情だったが、その声には温かみがあった。


「…仲良しですね」

と、ヤイナはミリテラの耳元で囁いた。


それに対しミリテラは

「でしょ?」と答えた。


―――その時。


「うわあぁあぁあ!」

と、外から1人や2人でなく、大勢の人の叫び声が聞こえてきた。


「何だ!?」

テノースはベッドから立ち上がり、部屋のドアに向かった。

「見てこよう」


「私も!」とヤイナが後に続いたのを見て、シャルテオ、ミリテラ、ワノンと妖精6人も従った。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ