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蒼月の覇者  作者: 鎖賦
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5章:護花烈騎バンシェルラック(完)

 

どうやら、それ以後の作業はバンじぃがやってくれるらしく、リッドは彼に2つの金属を渡したら、暇になった。


リッドはバンじぃの作業を見守る事にした。


「しかし、なかなかマニアックな金属を選んだのう…」

バンじぃは金属を石の壺に放り込み、蓋をした所だった。


「それはマニアックな金属なのか?」

リッドは尋ねた。


「さよう」

バンじぃは壺を窯に入れて、魔法で窯に火を点けた。

「『カットラ』と『キャメイ』など、選んだ者はお主が2人目じゃわい」


「てか、その2つ選ばなきゃ、俺、死んでただろ」


「いや、実は『感電死する』というのは嘘じゃ」


「何ぃ!?」


「そうでもしないと、集中して選ばんからのう」


「まぁ、ね………」

リッドは先程本気で怒っていた自分が恥ずかしくなった。


「集中して選んだ金属から作った剣だからこそ、自分の真価を発揮する事が出来るのじゃ」


「そういうもんかなぁ」


「無論じゃ」


バンじぃは熱くなった壺をなぜか素手で持ち、蓋を開けて、ドロドロになった金属を刀身の型に流し込んだ。

「さぁ、ここからが本番じゃ。しばらくわしに話しかけるなよ」



それから1時間後。


「よしっ、完成じゃ!!!」

バンじぃの手には、バンじぃの身長の3分の2はありそうな長剣が握られていた。


リッドは感嘆のあまり溜め息をついて、それを見つめていた。


「ほれ」

バンじぃは剣をリッドに手渡した。

「試し斬りでもしてみんか?」


バンじぃが再び指を鳴らすと、金属の置かれた棚が床下に消えてゆき、代わりに岩の巨人が姿を現した。


「…1つ訊いて良いか?」

リッドは新しい剣を構えながら、バンじぃに尋ねた。


「何じゃ?」


「バンじぃ、まさか、こういう魔物を飼ってるのか?」


「まぁのぅ。お主みたいな者を鍛えるためにな」


「そうか、納得したぜ」

と、リッドは剣を振り上げ、岩巨人に突進した。


そして、剣を思い切り振るう。


―――特に音はしなかった。


だが、岩の巨人は頭から股まで縦に真っ二つにされていた。

しかも、切口は滑らかで、凹凸1つ無かった。


ズシン、と、巨人は床に崩れた。


リッドはいつものように剣を腰に差そうとしたが、ある事に気付いた。

「バンじぃ、鞘が必要だ」



【5章:護花烈騎バンシェルラック】

―――《Fin》


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