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千年巫女の代理人  作者: 夕暮パセリ
第三章  光の壁、風駈けるキリオキス山脈
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閑話 その7  リファニアの軍隊階級と準軍事組織

 この話を読み飛ばしても、本編の流れの理解には一切関係しません。解説のような部分は不用という方はスルーしてください。

 此処に記述したものは、リファニアの一般的な軍隊の階級であり、地域、領主、傭兵団によっては様々なバリエーションがある。


兵士補:

 見習い兵や農民の徴発により構成される臨時の輜重兵などが相当する。パートタイムの兵士である。

 一般には兵士の呼称で呼ばれる輜重の護衛や徴発農民の逃亡阻止の為の専門の輜重兵、軍楽隊(行軍時に士気高揚を行ったり太鼓やラッパで命令を伝達)や工兵などの特殊技能者もこれに分類されるが待遇は古参兵士並みである。


 戦闘に巻き込まれた時以外は暗黙の了解で兵士補は直接戦闘に投入されることはなく、志願して兵士補の部隊に属する者もその理由から志願する。ただ、指揮官の決心により戦闘に投入される場合がある。


 指揮官が兵士補を戦闘に投入するのは、最後の一撃に兵力が不足していると判断した場合と、敗戦必至になり撤退する部隊の後衛を任せる時に限られる。

 前者は、分捕り品や恩賞の可能性があるので、一応、有効な方法だが、後者はもともと戦闘に関わらないという認識で軍に所属している者が多いため、敵に接触すると、すぐさま崩れさって逃げ出すことの方が多い。


兵士

 一般兵、世間では「兵隊さん」と言ってそれなりに遇してくれる。領主軍に属する平民出身者は大概この階級のまま軍で過ごす。また、市民軍の兵士は、軍ではこの階級に扱われる。

 ただ、古参兵は兵士長という名誉称号で呼ばれ領主軍では給料も幾分良くなり、市民軍では一等高い扱いを受ける。日本の警察で古参巡査を巡査長とするのに似ている。兵士長は古参兵のモチベーションを落とさないための階級とも言える。


 また、所属する部隊によって暗黙の上下関係がある。


 リファニア王近衛隊>リファニア王一般部隊>ドノバ候などのような一州を統治する領主近衛隊>中小領主近衛隊=ドノバ候などのような一州を統治する領主一般隊>中小領主一般隊=市民軍>市民・農民などによる臨時編成部隊


 傭兵は所属する傭兵隊の格による。一般的には中小領主親衛隊程度の扱いである。


挿絵(By みてみん)



挿絵(By みてみん)



挿絵(By みてみん)



戦士

 勲功を上げた平民の兵士、あるいは郷士やその子息で構成された部隊の一般兵の名称である。郷士の戦士は士族戦士と呼ばれ、一般兵からは戦士長並みに敬われる。   

 ただし、指揮系統上は戦士である。平民の場合は伍長という名称で数名の兵士の長を勤める。近代軍では兵士は一等兵、二等兵に相当しており、戦士は上等兵、兵長に相当する。精兵が売り物の傭兵隊は、この階級から始まる。


挿絵(By みてみん)



戦士長補

 平民部隊を率いる郷士の次男以下が最初に就く階級で、平民出身者もかなりいる。小隊の郷士階級の者は副官役、平民階級のものは古参の軍曹役となる。

 弱小な郷士の長子は、この階級から始める。近代軍では伍長、軍曹といった下士官に相当する。傭兵隊では組長補佐と呼称されている。新米や下級の巫術師はこの階級待遇である。


戦士長

 郷士の長男が最初に就く階級。増強された分隊に相当する規模の兵を指揮下におくか、半隊や百人隊の副官となる。平民出身者の望み得る最高の階級で、郷士階級と同格になるため郷士格を叙位される。

 近代軍では特務曹長から准尉といった下士官と将校の中間役に相当する。傭兵隊では組長と呼称されている。一般的な巫術師は、加配を受けた上でこの階級である。


半隊長

 二三十から五十人の半隊を指揮する。郷士の長子は十年程度軍務を勤めると領地経営を継ぐような年齢になり軍を離れるためにポストを求める人間が減り、数年、戦士長として軍務を難なく勤めていれば昇任する。

 リファニアの戦闘単位は小隊(百人規模)で、その半数を指揮する。ヘルトナでキンガが勤めていた階級である。近代軍では少尉から中尉に相当する。上級の巫術師は加配を受けた上でこの階級待遇である。


百人長

 リファニアの基本的な編成単位である小隊の長。小隊という呼称であるが、近代軍では中隊規模である。一般人からは隊長と呼ばれる。百人長は、幅が大きく資金不足で半隊一隊のみを指揮下に置く百人長から、半隊を数個配下に置いた増強小隊を指揮する百人長もいる。

 大規模な部隊には巫術師が常駐する。指揮する部隊によって上下の関係が存在する。大きな編成の百人長は都市の独立守備隊と言った部隊に多い。ヘルトナ守備隊のジャベンジャ隊長は、その例である。


 都市の守備隊では行政権の一部も受け持つために、押しの効く貴族の次男以下が任命される。郷士の次男以下が目指す最高の階級である。


 近代軍に当てはめると、幅があり小規模な百人隊の長は中尉から大尉、大規模な百人隊隊の長は大尉から少佐、独立守備隊の長は中佐から大佐に相当する。

 傭兵部隊でも基本的な編成である。大規模な巫術師部隊を編成できる領主の筆頭巫術師は加配を受けた上でこの階級待遇である。


挿絵(By みてみん)



千人長

 数個の小隊で編成される千人隊の長である。リファニアの軍では、千人隊は補給部隊も包括しており戦略単位になる。大きな領主でないと編成できない。

 長は貴族の次男以下が多い。郷士の長子が望み得る最高の階級である。また、貴族の長子などが名誉隊長を勤める場合もある。近代軍では准将から少将に相当する。


 上記以上の階級は、戦国時代の武将に相当する。部隊の編成によって様々な名称で呼ばれる。家柄格式を基本に武勇のすぐれた貴族階級が任命される。

 傭兵隊では大規模な傭兵団長や雇用主から複数の傭兵団の指揮を任された団長が、この上位階級に相当する。



 準軍隊組織としては、農村と都市で編成される自主的な防衛隊がある。十八歳前後から四十代半までの男子で構成されることが多い。


 しいて言えば日本の消防団のようなものである。慢性的な戦乱状態のリファニアでは地域住民は必ず参加する義務を負うと考えられ、また、住民自身もそう考えている。

 階級としては一般兵<組長<組長頭<団長となる。団長は村長か、村長に委任された、傭兵隊の指揮官経験者が勤める。


 専門の居住地域ごとに、部隊編成が行われる。地域防衛組織であるので、本来は無給であるが労働力を奪われる家族の為に地域で、幾ばくかの支援を行ったり、戦死や戦傷を負った場合は手当が出る。元傭兵隊指揮官などは例外的に給与が出る。

 土地に根付いた農村部の防衛隊は強力な潜在的戦力を有しており、領主と言えども自分勝手な農民政策を実施できない要因である。


 農民自身もこのことはよく理解しており、若者集団による武芸の鍛錬や、年間に数回とは言え集団訓練を実施して練度を保ったり、領主や近隣の農村に対して示威行動を行っている。


 裕福な農村や都市では、使い回しになるが誂えの装備で、部隊としての統一感を持たせるために見た目は、正規軍?である領主軍と外見は区別がつかないような集団もある。


 領主が反対にこの兵力を自身が利用した場合は大きな力となるが、独立自治の風の強い農民を動員するためには大幅な年貢の軽減といった取引が必要になる。そのために、戦いは領主軍同士で行われることが大半である。


挿絵(By みてみん)



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