閑話 その3 リファニアの気候・農業
リファニア世界の説明です。特に物語の理解には左右しません。話の流れを切りたくなければ、「霧雨の特許都市ヘルトナ その1」へ進んで下さい。
現実のリファニア(グリーンランド)はほぼ大陸氷河(氷床)で覆われています。しかし、物語のリファニアは、氷に覆われているのは、北東部の高山地帯だけです。
この理由は、物語が進行してから祐司が知るようになるので此処ではふれません。ちなみに物語の前半における祐司の活動場所はリファニア南部です。
リファニア(グリーンランド)は極北の高緯度といっても、南部の三分の一ほどは北極圏より南である。ヨーロッパでいえばノルウェーやスウェーデンにリファニア南部が当てはまる緯度である。(最南端は北緯六十度)
最北部端は、流石にユーラシア大陸では相当する所がなく、北極海のスバールバルランド諸島に相当する。(北緯八十度)ただ、スバールバルランド諸島はツンドラ気候で夏季はコケ類などが生育する。
リファニアも北極海に面した地域は概ねツンドラ気候であるが西部地域ほど気温が上がるために、ヤナギやハイマツのちょっとした森林も見られる。
南部は自然状態では針葉樹林に覆われる。樹種は北海道でも見られるトドマツに類似したモミ類が多い、日当たりのより南側の斜面などではカシ類が見られる。
南西部の沿岸はリファニアでも最も温暖な地域でニレなどの落葉広葉樹も見られるが、やはり、寒冷な気候のために、日本の山で見られるような多用な樹種の森ではない。そのため、リファニアの森林を見た日本人からは単調な印象を受けるだろう。
リファニア南部で、夏は日本の太平洋岸の四月中旬程度の気候で、最も高温になる時期で五月上旬の気候である。雨は定期的に降って気温の低さから干魃はめったなことでリファニアでは起こらない。
日本の夏を知っている人間からはひどく寒い夏だが、夏は太陽がほとんど沈まなくなるために夜間の冷え込みがなく意外に霜害は起きない。
しかし、作物の生育にはぎりぎりのラインであるために、少しの気温の差で大きく収量が変化する。ファニア南部の冬季は北海道南部沿岸ほどの気温である。
リファニア北部は夏でも、日本の太平洋岸の三月末から四月上旬程度までしか気温が上昇しない。冬季は南部よりも寒冷であるが、最低気温よりも真冬日(最高気温が零度以下)が多く人々の暮らしは厳しいものになる。
西部と東部を比べると西部ほど雨量が多く冬がより穏やかで、東部は雨量が少なく厳冬である。
おおざっぱに言えばリファニアは現在の北欧の気候を心持ち、温暖にしたような気候である。そのため南部地域は農業が可能で、北部では耐寒性の強いエン麦やジャガイモがなんとか栽培できる。
ただ南部も、小麦の栽培は地味が豊かな限られて地域でしか行えない。条件が悪くなるに従って大麦やライ麦に置き換わり、最も多く栽培されているのはライ麦である。麦類以外では、アメリカ大陸よりもたらされたジャガイモが広く栽培されている。
耐寒性さえあれば豆類も多用なものが栽培されており、大豆、レンズ豆、エンドウなどが主に食される。また、アメリカ大陸よりもたらされた重要作物にインゲン豆がある。
リファニアでは意外と作物の種類が多いが、これは気候の悪条件、地味の不足などから、その地にあった作物を丹念に栽培しているからである。




