大神官タブリタの系譜18 異界の家 下 -エリ-アスに与えられた力-
周辺の自然や食べ物といったことから自分でどこにいるのかという推測をするよりももっと早くエリーアスは自分の居場所を知ることになる。
それはエリーアスが自分でも驚くほどの速さでペルゼブ・ヤロミラらが使用する言葉を習得してきたからだ。
エリーアスは母語のドイツ語(正確には高地ドイツ語のバイエルン方言)以外にラテン語を自由に話せる。
さらにラテン語の知識があるのでラテン語から分岐したトスカナ方言のイタリア語で簡単な日常会話が出来る。
さらにチョコ語、ハンガリー語、スペイン語が片言ではあるがしゃべることが出来る。
同じインド・ヨーロッパ語族の言語ではあるが、日本人が日本語に近いといわれる韓国語を習得する程度の気合いを入れて年単位で学習しなければならない。
そして言語の学習の能力は十代半ば以降は急激に低下することを、十歳になる前にラテン語の学習を始めたエリーアスは知っていた。
エリーアスが二十歳を過ぎて学習し出した言語はかなり努力しても、ドイツ語と同じように身についたラテン語のレベルには遠く及ばなかった。
それであるのにペルゼブ・ヤロミラらのまったく聞き憶えのない言葉がまるで染み入るように身についてくるのがわかった。
一ヶ月半ほどでエリーアスは簡単な日常会話が出来るようになり、その半月後にはかなり自由にしゃべり、ペルゼブ・ヤロミラらの言っていることもまるで母語のように耳に入ってきた。
そして自分が驚くほどの言語習得能力はペルゼブ・ヤロミラから毎日与えられてい柔らかいチーズのようなモノの作用だと教えられた。
詳しい事はエリーアスは後で説明されたが、エリーアスが与えられていた柔らかいチーズのようなモノは祐司がリファニアに招聘されてた時に大巫術師スヴェアから与えられてのと同じ北極海に棲むステラーカイギュウの乳を加工したモノで言語習得能力を劇的に向上させる。
(第一章 旅路の始まり ”小さき花園”の女2 いわゆる主婦 参照)
それでも祐司はスヴェアと日常会話が出来るまでに半年、ほぼリファニア語を習得するまでには十ヶ月ほどもかかっている。
ただ日本語よりもリファニア語に近いドイツ語とラテン語が母語で、他の言語も多少習得した経験があるエリーアスは、さらに祐司より言語習得の応力に優れていたのか二ヶ月でかなり”言葉”を習得して文字も憶えた。
エリーアスは自分が軟禁されている部屋の机にペルゼブ・ヤロミラが朝食を運んで来た時に、一緒に来たヘファ・タブリタ神官に自分がどこにいるのか教えて欲しい、また自分がここにいる理由も教えて欲しいと頼んだ。
するとヘファ・タブリタ神官はその質問を無視するかのように「貴方は三位一体という教義を持つ宗教を信仰していると言っていましたが、三位一体とはどのような教えか教えてくれますか」と言った。
*話末注あり
そこでエリーアスは精霊という言葉をどうしたらリファニアの”言葉”の単語で言えばいいのかを精霊という概念をペルゼブ・ヤロミラに教えて貰ってから話し始めた。
実は正統派あるいは主流派ともいえるカトリック、プロテスタントの多数、正教会というキリスト教宗派にとって、三位一体は教義として根本に据えられながらも「三位一体というのは理解を超えており信じることである」とされるほど実は説明するのが難しい。
*話末注あり
そうして他者に説明するのが困難な三位一体について、エリーアスは三十分ほどかけてヘファ・タブリタ神官に三位一体の概念のようなことを伝えた。
するとヘファ・タブリタ神官は「貴方は神学に関する形而上学なことも話すことができるようになりました。十分に”言葉”を習得されたようですね。後でゼンド・カガザレスさんが来ますので一緒に話をいたしまよう」とにこやかに言った。
ヘファ・タブリタとペルゼブ・ヤロミラが部屋を出て行ったので、エリーアスは気分転換に表に出てみることにした。
廊下では数人の男が交代で見張っている。この男に声をかけるとすぐエリーアスの近くにはいるが一緒に表に出て家屋のすぐ近くなら歩き回ることが許されていた。
この日は外に出るといつにない寒気を感じた。
「冬にはここはどのくらい寒くなりますか」
エリーアスは監視役の男に声をかけた。
監視役の男達は最低限の挨拶を返すくらいで、言いくるめられているのか余計な事は一切口にしたことはなかった。
「はい、まだ冬のトバ口にもなっていません。真冬には寒さでフタをしていない井戸が凍ります」
意外な事に男が会話にのってきた。
「今日は話してもいいのですか」
エリーアスは驚いた。
「はい、ヘファ・タブリタ神官様が今日からは何か訊かれたら答えてやりなさいと。ただし訊かれた事だけに返事しろと言われています」
男は少し警戒の表情を示しながら言う。
「わたしが”今日は話していいのですか”と訊いたので、それに対する返答を今したのだということですな?」
エリーアスが男の表情や仕草を探るようにゆっくりとした口調で訊くと、男は簡潔に「そうです」と返した。
「そうですか。わたしはエリーアス・デューリングといいますが、貴方のお名前は?」
「ムガベン・エルシオといいます」
ムガベン・エルシオと名乗った男は自分で言ったようにエリ-アスの質問にすぐ答えた。
「ここは何処ですか。何故わたしはここに連れてこられたのですか」
エリーアスの問いかけに明らかに男の顔付きがするどくなった。そして黙り込んでしまった。
「言えないこともあるんですね」
エリーアスはムガベン・エルシオの警戒心を高めないように出来るだけ丁寧な口調で言った。
「はい、言えないことがあります」
ムガベン・エルシオはエリーアスが説明しなくとも納得してくれたことに、少しほっとしたような感じだった。
「貴方はムガベン・エルシオだそうですが、ムガベンは名前でエルシオは姓ですか?」
この時点でエリーアスはムガベンという単語がドン底という意味であることを知っており、自分で聞きながら名前としてはおかしな名だとは思った。
エリーアスは言葉を教えて貰う過程でペルゼブ・ヤロミラに姓名の名乗り方から自分がいる地域のヒントを得ようと思って、名のいわれを訊いたことがある。
ところがペルゼブ・ヤロミラは笑ってベゼブルは”虹色のトカゲ”の名だと言ってはぐらかされていた。
そこでエリーアスはガードが甘くなっていそうなムガベン・エルシオに訊いたのだ。
「いいえ、ムガベンは卑称です。だからムガベンです。名はエルシオです。仲間内なら名前だけでいいですか、あらたまった時や、目上の人に呼びかける時には卑称をつけます」
ムガベンとい単語ははリファニアの”言葉”では”ドン族”というような意味になる。その為にエリーアスは、少しやさぐれた感じで”ドン底のエルシオ”と名乗っているのかと思っていた。
ムガベン・エルシオの説明の中でインム・ヒセル(卑称)という単語はエリーアスにとって初めて聞いた単語であった。
しかしエリーアスはインムという単語はすでに知っており、卑しいという意味がヒセルで形容詞として名詞の後に来るときは正式な言い方という知識もあったので、ヨーロッパの言語では例がないような卑称という単語を推論で聞き取った。
名前の中に卑称などというモノを入れるという文化あるいは地域にエリーアスは心当たりがなかった。
「では貴方の姓は?」
エリーアスは有用な情報を得られると感じてやはり心のうちを見透かされないようにより丁寧な口調で訊いた。
「わたしは正しくはムガベン・エルシオ・ハル・ナサーン・フルダイ・ディ・レクタで、ナサーンは親父の名、姓というか家名はフルダイです」
ムガベン・エルシオが正式名を名乗ったことでエリーアスは大きな情報を得たと思った。
エリーアスの知識ではムガベン・エルシオの名の構成はアラビア人に代表されるセム系民族の名乗り方である。
*話末注あり
「最後のディ・レクタとは?」
「それはわたしがレクタ州の出身で…言えません」
*レクタ州は中央盆地南部の州
エリーアスの質問に答えかけたムガベン・エルシオは慌てて口をつぐんだ。どうも地名は口にするなと言われているようだった。
そしてこの出来事でエリーアスが気がついたことがあった。そしてそれを今の出来事で確信した。
エリーアスはワケのわかない世界に来てから、ペルゼブ・ヤロミラという中年女性から世話を受けていた。
その時に何となく内容はわからないが問いかけてくれる言葉や仕草以外に、彼女の厚情といったような気持ちがわかった。
それは今までエリーアスが経験したことのない感覚だった。なんとなく目の前にいる人物の感情の動きを感じるのである。
それは廊下で見張っている男達からも感じた。
男達はエリーアスを見ると見た目以上に緊張して、またエリーアスがなにか得体の知れないといったような気持ちを持っていた。
それは具体的に自分でも説明がつかない事であったので、見知らぬ世界に来て感覚が研ぎ澄まされたいるからか、自分の不安な気持ちがそういった感覚を見せている野のではないかと思っていた。
ところが言ってはいけないことを口にしたムガベン・エルシオの動揺した気持ちはエリーアスに明瞭に伝わった。
それは何か胸の辺りを触られたような感覚であるとも言えた。
エリーアスは人の感情と言った心の動きを感じられるようになったのだと確信した。そしてその力を利用してより詳細で正しい情報を得ようと思った。
「では、これは答えられますか。貴方はヘファ・タブリタ神官やペルゼブ・ヤロミラさんとはどのような関係ですか。それから長らくお顔を見ませんがゼンド・ガガザレスさんは?」
エリーアスは質問をかえた。
「わたしの頭目はゼンド・ガガザレスです。ガガザレス組長は他の差配もしなければいけませんのでしばらくは来られないのです。ヘファ・タブリタ神官様は客人で、ペルゼブ・ヤロミラさんは頭目のお内儀です」
ムガベン・エルシオは二度とヘマはしないとぞという感じで、言葉を句切って考えながら言った。
エリーアスにはそのムガベン・エルシオの気持ちが今までより強く伝わった。どうも先程の大きなムガベン・エルシオの心の動きが、エリーアスの力を本格的に解き放ったのではないかとエリーアスには思えた。
「では別のことを教えて下さい。ヘファ・タブリタ神官はどうような教えの神官ですか」
「”宗教”の神官様です」
ムガベン・エルシオはキョトンとした顔付きだった。
このムガンベ・エルシオの感覚は日本で「このお寺の僧侶は何教の僧侶ですか」ですかという質問をされたに等しい感覚がある。
そしてリファニアの宗教は”何でもあり”なので、意識的に名を持たずに”宗教”と名乗っている。
むしろ宗教名を名乗らないことで普遍性を維持しようとしている。
エリーアスはムガベン・エルシオが隠し事をしたり誤魔化しているのではなく本当にエリーアスの質問に真面目に答えていることがわかった。
「いや、何々教とか名があるでしょう。わたしはカトリックという教えの聖職者です」
エリーアスも混乱していた。
エリーアスの世界で彼はキリスト教カトリックの聖職者であるが、キリスト教には大きく分けてカトリック、プロテスタント、正教会の区別があり特に血を見る争いをする。
それ以外にイスラム教が大きな力を持っており、幾ら自分の信じる教えこそ正しいと思ってはいても他に宗教があることは否定していない。
エリーアスにとっては宗教という単語は幾つかもある信仰の形態の総称である。
そして細かなことを言えばこれはリファニア語の表現方法もエリーアスを混乱させていた。
リファニアの”宗教”と宗教が異なる概念でも、インド・ヨーロッパ語族の言葉なら冠詞があることが多いので、リファニアで信仰される特定の宗教なら「冠詞+宗教」とい形になるはずである。
ところが英語で人名、国名などの固有名詞には冠詞を用いないように、リファニア語でも何故か”宗教”は冠詞を使用しない特殊な固有名詞扱いで常に冠詞を使用しない。
そしてリファニア語で”宗教”以外の宗教を呼称するさいは冠詞をつけて「その宗教」という感じにする。
「”宗教”は”宗教”です。主神ノーマ様が一等ですが、神官様は人間の判断で神々に上下などつけるのは不敬と教えてくださいます。
そしてそれぞれ自分が信仰したい神を信仰しなさいと。でも他の神と他の神を信仰する人をないがしろにしてはいけないと教えてくださいます。
ですからわたしは個人でマレダラト神を一番信仰しています。マレダラト神は主神ノーマの化身であらせられます。そしてわたしの故郷の守護神です」
ムガベン・エルシオは最後の一言をより慎重に言った。
エリーアスはムガベン・エルシオはこの説明で、彼等の宗教は多神教であることを理解した。
そしてエリーアスは彼等は主イエスの教えについては何も知らないのではないかと感じた。
ここでエリーアスのカトリックの聖職者として異教徒に正しい教えを伝道するという使命感が蘇ってきた。
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この話ではエリーアスは目の前にいる人間の感情の動きがわかるという自分の能力に気がつきました。
同じようにリファニアに移転した祐司は巫術のエネルギーが視認出来るようになっており、人間が発する巫術のエネルギーによる光の変化で感情を読み取れます。
ところが十九世紀のアメリカ合衆国から来たサラエリザベスにはその種の能力は限定的です。
サラエリザベスの場合は相手が自分に悪意を持っているなど、あからさまにおとしいれようと考えている時に違和感として察知する程度なので自分でもそのような能力をリファニアに来て得たとは自覚していません。
さらにサラエリザベスはリファニに来て百五十年になり、記憶や自分の持っていた感覚につては忘れていることが多くアメリカ合衆国にいた時と異なった感覚があると気がつくこともありません。
同じようにリファニアに移転した来た人間でも、付加される能力に差があるようです。
三人が異なるのはサラエリザベスは全くの自然現象の偶然からリファニアに来たこと。
エリーアスは初めて巫術の力で手探りで召喚されたこと。祐司は召喚方法を研究した巫術師イェルケルによって召喚された事です。
その差による為かサラエリザベスとエリーアスは召喚された時にかなり長い間気絶していました。またエリーアスは数日は動けないほどの麻痺がありました。
それに比べて祐司は比較的短時間で意識が戻ったようです。
注:三位一体
三位一体は「父・父なる神」「子・神の子、イエス・キリスト」「霊・聖霊」が一体であるとする教義です。
イエスは神そのものではなく父なる神に従属するとしてその神性を否定するアリウス派と、イエスは子であるが父と同じ神であるとしてその神性を認めるアタナシウス派の両派が対立したニケーア公会議(325年)にアタナシウス派が勝利して、アリウス派が異端として追放されたことで確立しました。
注:アラビア人の名
アラビア人に氏族名はありますが日本の姓にあたるものはありません。そしてパーソナルネームに父、祖父の名を順次つけていきます。
元イラク大統領のサッダーム・フセインはフセイン家のサッダームではなく、フセインの息子サッダームということを表します。
サッダーム・フセインのフルネームはサッダーム・フセインム・フセイン・アブドゥル=マジード・アッ=ティクリーティーでフセインの息子、アブドゥル=マジードの孫でティクリーティー出身のサッダームということになります。
家名がないことを除けばこれはリファニアの名前の構成に似ています。
イスラム教の始祖ムハンマドのフルネームはムハンマド・イブン=アブドゥッラーフ・イブン=アブドゥルムッタリブでアブドゥルムッタリブの息子アブドゥッラーフの息子ムハンマドという意味になって息子という語が入りより丁寧になります。
そして日本の世界史の教科書にはムハンマドは、クライシュ族のハーシム家の出身と記されていることがあります。
クライシュ族は日本では氏族にあたる呼称で、源とか平、藤原に相当します。ただハーシム家は家名と聞いて連想される名字とは異なります。
ハーシムという名はムハンマドの曽祖父ハーシムの名に由来します。すなわちクライシュ族の中で有力だったハーシムの一党・血筋という認識になります。
この要領で徳川家康を名乗らせてみると、個人名は”清康の息子である忠広の息子である家康”で源氏族の長親(初代松平家当主)家の人間となります。
また以降の将軍は源氏族で家康が清康を遙かに凌ぐ有力者となったので、源氏族の家康家の人間と名乗ることになり、徳川家以外の松平家の者は清康家を家名とし続けたでしょう。
日本でも著名な落語家の弟子は米朝一門などといいますが、アラビア人の家名はこれに近いといえばより分かり易いかもしれません。
ちなみにアラビア人と同じセム系民族のユダヤ人はヨーロッパで生活していく中で姓を名乗るようになりましたが、本来はアラビア人と同様の名の構成になります。
最も有名なユダヤ人はイエスですが、現在では本名はイェシュア・べン・ヨセフもしくはヨシュア・バン・ヨセフと推測されます。
これはヨセフの息子イェシュアといった名の構成です。また当時はイェシュア(”唯一神ヤハウェは救い”という意味)という名は一般的であったので、出身地であるナザレをつけてナザレのイエスという表現もあります。
これは日本の”新田のお松”とか”森の石松”という名乗りと同様です。
さて父親名を名の構成に入れるのは他にスラブ系民族があります。
レフ・ニコラエヴィチ・トルストイはレフが名、ニコラエヴィチは父称、トルストイが家名で、トルストイ家のニコライの息子レフということになります。
父称は男女で変化して男性はニコライがニコラエヴィチ、女性だとニコラエヴナになります。
なお本文でムガベン・エルシオはムガベン・エルシオ・ハル・ナサーン・フルダイ・ディ・レクタと名乗った後でフルダイは家名だと言っていますか、日本の姓とリファニアの家名はまったく同一のモノではありません。
リファニアの家名は姓より適応範囲が広くまた一生変化しません。
この為に結婚しても家名の変化はありませんが、既婚女性であることを示す為に正式名は夫の家名を付け足します。
ただし重複した家名は子に受け継がれることはありませんが、本文では例外が出てきます。
イティレック州とサルナ・ロクシュナル州を統べるデデゼル・リューチル・ミラングラス・イティレック=サルナ・ロクシュナル=サルナ・ディ・イティレック女侯爵は結婚前はデデゼル・リューチル・ミラングラス・ハレ・ベランドゥアル・イティレック=サルナ・ディ・イティレックが正式名でした。
それがサルナ・ロクシュナル州の太守ヴェルゼデ・マセリュト・バルベルト・ハル・ダカンバルト
・ロクシュナル=サルナ・ディ・ロクシュナル=サルナと婚姻して両家が合同します。
この為に家名は二人ともイティレック=サルナ・ロクシュナル=サルナになりました。
これは歴代の家名を伝えながらも子々孫々受け継がれる新しい家名になります。ちなみに女性のミラングラスの家名の方が先になったのはイティレック=サルナ家の方が爵位の叙任が早かったからです。
ただ家名としてもイティレック=サルナ・ロクシュナル=サルナは長すぎるので、公式の場で無い限りはノヴェレ・サルナという略称を名乗っています。




