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千年巫女の代理人  作者: 夕暮パセリ
第二十一章 極北紀行
1019/1161

寂寞街道12 交易都市ツタデルハシワ 六 -奉公人の”競り”-

「では、私達は別の”競り”を見学に行きましょうか」


 マルデオンとその配下に付き添われて、”競り”の時に自分の思うような値がつかなかったために”競り”を妨害するような罵声を競り人に浴びせてしまったダンダス州の漁師だというメキトキが姿を消すとベランジェルが祐司とパーヴォットに言った。


「別の”競り”?まだここで”競りは”行われているのでは」


 パーヴォットが訊く。


「物品の”競り”は出て来た時は終わりかけでした」


 ベランジェルは涼しい顔で言った。


「え?四半刻(三十分)程の時間ですよ」


 パーヴォットは驚いた声を出す。


 ”競り”の前の荷の点検場所には数十ほどの”競り”にかけられる品が置かれていたからだ。


「”競り”は即決です。一回で短くて五息(十秒)、長くても一ミト(二分)で決まります。

 必要な品物を必要としている者に適正な値で渡るように、そして数をこなしながら行うには一番の方法です。


 この時期はまだ本格的に荷が持ち込まれていませんが、最盛期の七月頃には今日の数倍の品物が取引されされます。それでも”競り”に一刻半(三時間)はかかりません」


 相変わらずベランジェルは適切な説明をしてくれた。


「あのー、聞いて良いですか」


 パーヴォットが言った。


「何でしょう」


「この市場の”競り”をツタデルハシワの市の人間が回していることはわかりましたが、矢張りお金がかかると思うんですが」


 好奇心が旺盛で頭の回転が速いパーヴォットはすぐに疑問を見つける。


「”競り”で競り落とした者は、競り値の一分(1パーセント)から三分(三パーセント)を手数料として出して品物を引き渡して貰えます。手数料は競り値で変わります。


 それから先程、二回競りや無限競りにするのには売り手が先に手数料を出すといいましたね。それらが運営費になります。

毎年かなりの額が貯まりますので、余剰金はツタデルハシワの行政管理費になります。その分私達は税が安くなります。


 先程の”競り”で全部で金貨百数十枚は動いたと思います。売り手の手数料と併せてハシワ(市)には少なくとも金貨三四枚は入ったと思います」

 

「ご説明ありがとうございます。で、別の”競り”とは?」


 祐司は謝意を込めて訊いた。


「年季奉公人の”競り”です」


「年季奉公人の”競り”?」


 パーヴォットがまた驚いた声を上げた。


「年季奉公人を抱えている者が、別の者にその権利を売り渡して現金を得たい場合に行われます」


「それって年季奉公人が売り買いされるんですか。奴隷みたいじゃないですか」


 パーヴォットは露骨に嫌な顔をした。


 祐司とパーヴォットが知っている年季奉公人の”競り”は王都で行われている、捕縛されたヘロタイニア人の”競り”である。


 祐司とパーヴォットは見たことはなかったが、かつて”競り”に参加してヘロタイニア系の孤児を落札して彼等が自分で食べていけるように手に職をつけさせていたランブル元神官の話で様子は知っていた。


 ヘロタイニア人達は壇上に次々と上げられて、それこそ品物のように値がつけられて行くということだった。

 ただ家族は引き離さないなどの最低限の配慮はあるが、独り身の女性は落札者の性的な要求に応えさせられる場合がある。


 さらに祐司とパーヴォットが聞いた話では、種々の理由でいわゆる身を売らなければならなくなった女性をそれこそ売り買いする闇の人身売買の為の”競り”も存在している。



「ヘロタイニア人ではありませんので、そんな野蛮なことはいたしません。まあ、一回見ればわかります」


 ベランジェルがそう言ってにっこり笑った。


「私達に見て貰おうと言うのだからご厚意を無碍に出来ない」


 美人に微笑まれた祐司は悪い気分ではない。パーヴォットは無表情で祐司を横目で見ていた。

 パーヴォットは祐司が丸顔で利発な女性に惹かれることは重々承知で、また下心をいだかないことも理解しているが不安に陥りそうになる感情はコントロールできない。


 ベランジェルは「ではこちらへ」と言うと二階に上がる階段の方向へ歩き出した。

一階は二階分ほどの高さがあるので、二階はリファニアの平均的な建物からすれば三階相当になる。 


二階は北側に窓が並ぶ廊下があり南側に部屋が並んでいた。そして扉が開いている部屋の前で立ち止まった。

 扉の前には二人の男がいた。二人とも”競り”の一階の会場でシデワ(市)の係員が着用していたビブスのようなモノを着用しているが、一階で見た薄緑ではなく薄い褐色だった。また男達の雰囲気や目つきは堅気にしては鋭かった。


「お嬢さん、見回りご苦労様です」


 二人のうち年かさの男がそう言ってから頭を下げた。


「この二人はクルジャミ組の者です。時々頼まれて会場の警備をします」


 ベランジェルが説明した。


 聞くまでもなく、男達は臨時とか枠員外という扱いのために異色のビブスを着用しているようだった。


 ベランジェルは「父の客人です。中を見学します」と男達に言うと、部屋の中に入ろうとしたがすぐに立ち止まった。


「ああ、言い忘れるところでした。マルデオンは一階で起こった不始末の後始末で事務所にいってからここに来ます」


 祐司はベランジェルの些細な仕草と口調から彼女は明らかに忘れていたのではなく、最初からこのことを何気なく伝えようとしていたのだと感じた。

 そして祐司とパーヴォットを年季奉公人の”競り”会場へ向かわせたかったのはマルデオンが、そこへ来ることをベランジェルが知っていたからだと思った。


 部屋の中に入るとまるで企業説明会のような雰囲気だった。


 部屋の前半分は十ばかりの机が無造作に置かれて、机を挟んで二人から四人ほどの人間が対面で座って何やら話し込んでいた。


 部屋の後ろ半分は椅子が並べ置かれており、半分ほどの席に二十人ばかりの男女が座っており樹皮紙を読み込んでいたり、腕を組んで手持ち無沙汰にしていた。

 さらに部屋の廊下側の日当たりのいい壁には、十枚の樹皮紙が張ってあり二人の男が熱心に読んでいた。


 祐司は何となく机と樹皮紙の数が合うので今日”競り”がかかる年季奉公人は十人だろうと思った。


 部屋全体としては人間を対象にした”競り”だというのに、悲壮感や重苦しさというものは全くない。


 部屋の端には一階の”競り”の職員がつけていた緑色のビブスを着込んだ担当者と思われる男が三人居てこれは楕円形のテーブルの周囲に座っていた。テーブルの上には束ねられた樹皮紙や、羊皮紙が置かれていた。



挿絵(By みてみん)




「ベランジェルお嬢さん、参加者でしょうか。もう”競り”が始まりますので今からでは」


 職員の一人が立ち上がってベランジェルに近づいて来て言った。


「いいえ、見学の方です。父の客です」


 職員は「それはそれは」と言うと部屋の隅にあった椅子を運んできた。


「もう”競り”が始まるでしょう。座ってまっていましょう」


「向かい合って何を話しているのですか」


「ここの手順をおって話した方が分かり易いかと思います」


 ベランジェルの話は次のようなものだった。


 まず”競り”の前日までに種々の理由から自分が使用している年季奉公人を手放して現金を得たい者は、所定の書類に年季奉公人の氏名、年齢、元の身分、仕事内容、残りの年季、病歴、推薦すべき点などを記入して提出する。

 年季奉公人を得たい者は ”競り”の当日の午前中に会場に置かれた提出された書類を読んで自分の求める年季奉公人の当たりをつける。


 そして”競り”の二刻前から目星をつけた年季奉公人とその使用者と随時面談をして種々の情報を得る。

 現在机を挟んで行われているやり取りがそれに相当するので、祐司が初見で企業説明会と感じたのはまったく当て外れではなかった。


 ただ使用者と”競り”の参加者は代理人でもよいが、年季奉公者は必ず出席する必要がある。



「そんな仕組みなんですね。”競り”に参加する人や奉公人はどういった範囲で来るのですか」


 パーヴォットが意外に会場の雰囲気が重苦しくないこともあって普通の口調であった。


「もちろんこのツタデルハシワの者が一番多いですが、ムリリトの人も場合によっては多いこともあります。遠くてワザマやイァルマノルデあたりまででしょうか」


 ベランジェルが優しげな口調で答えてくれた。


 ワザマはバセナス州中央部沿岸の自治都市、イァルマノルデはバセナス州内陸部中央の自治都市で、ツタデルハシワはバセナス州北部内陸に位置するが全てバセナス州内の都市である。


 どちらの都市もツタデルハシワから歩いて三日ないし四日行程の距離にある。年季奉公人を兎も角も金にしようという者からすれば旅費を考えれば限界という距離だろうと祐司は思った。



「では、そろそろお時間ですので”競り”を始めます。奉公人の方は一旦隣室に退出して貰います」


 シデワの職員が目の前の大きな砂時計を横向きにすると大声を出した。


 まだ机を挟んで面談をしているグループに別の職員が近づいて、年季奉公人に退出を促した。


 二十代半ばから五十代間近と思える者で構成された男七人、女三人の年季奉公人達は、職員の案内で廊下ではなく部屋の奥にある扉をくぐっておそらく隣室に移動した。

その間にこれから年季奉公者を得ようとする者は部屋の前の方の椅子、そして年季奉公者の使用者達は目の前に並ぶ椅子とはやや距離をおいて部屋の後にある椅子に座った。


 祐司とパーヴォットはベランジェルに導かれて椅子を持って、年季奉公人の情報が書かれた樹皮紙が張ってある場所に移動した。

 そこはっや前方から”競り”の会場を見渡す位置になり、”競り人”と入札者の両方の顔付きや挙動を見るのに適した位置だった。



「では、始めます。”競り”は自由競りになります」


「まずキンザ・フェルデン、男、三十六歳からです。年季の残りは十三年二ヶ月となります」


 競り人役の職員が声を出した。


 祐司は”競り”にかけられる年季奉公者が別室に移動させられて、自分が”競り”にかけられる場面を見なくてすむようにしたのと、無機質な商品のような番号でなく名を呼んで紹介したことから人間味を感じた。


「では競り値の開始金額を言います。年季の残りは十三年二ヶ月ですから”競り値”は規定で金貨二十九枚と銀貨六枚からです。年季期間一月について銀貨三枚にかえることが出来ます」


 競り役の説明に祐司は”おや”と思った。


 金貨二十九枚と銀貨六枚で十三年二ヶ月を働かせると一日あたり銅貨四枚半ほどになる。

 ただ奴隷ではないのでその間休み無く働かせることは出来ず普通の使用人同様に休養日を与えると一日銅貨五枚程度になる。

 

 都市の平均的な職人の日給が銅貨三十枚から三十五枚程度と思われるので、かなり安く使えるという感覚だが、年季奉公人は原則住み込みで最低限の衣服と食事は補償しなければならないためその出費を見込むと全体で銅貨十枚以上は必要である。


 それでも格安の労働力だがこれから競りで上がっていく。年季奉公人が病気になればその間は無理に働かせることも出来ず、また感染症などであっけなく死んでしまうことも中世世界リファニアでは想定内の出来事となる。


 そのことから年季奉公人を”競り”で得るのはリスキーさが伴う。


 祐司が”おや”と思って感心したのは年季奉公の期間を差し引けば金額に換算してくれるという点である。

 年季奉公人からすれば自分の競り値があがってもそれまでの使用人の懐に入るだけであるが、”競り”で奉公期間が短くなればこれほど嬉しいことはないだろう。


 また競り落とそうする者にしてみれば、期間が短くなっても当面は安く使える人材を得るという旨味がある。


 現代日本の感覚からすれば目の前の出来事は人身売買であるが、リファニアが人権などという感覚が無い中世世界であることを考慮すれば人情味がある仕組みだと祐司は思った。


「始めます。まずは金貨二十九枚と銀貨六枚から。はい、石盤を上げてください」


 競り人の声で五枚の石盤が上がった。


「金貨三十六枚と銀貨八枚と六ヶ月が最高値です。十ミト(二十秒)で書き直してください」


 競り人が目で合図をすると部屋の再前方にいる職員が机の上の小さな砂時計を立てた。

 祐司は一目だけで金額から差し引く日数を計算して、すぐに誰が最高値であるか判断する競り人の能力に舌を巻いた。


「はい、どうぞ。金貨三十九枚と銀貨六枚、二年。書き直す方は十ミト後に」


 今度は四枚の石盤が上がる。一人はもう降りたようだった。


 この後、さらに二回の入札が行われて二人の一騎討ちになった。


「はい、金貨四十五枚、三年」


 競り人の声に次位の金額を出した者が石盤を床に置いて両手を振った。


「金貨四十五枚、三年。これ以上を提示したい方はいますか」


 競り人はそう声を出すと少しの間をおいて誰も動かないと見ると、ことさら大きな声を上げた。


「はい。六番の方がキンザ・フェルデンは金貨四十五枚、年季期間十年ニカ月で落札」


 キンザ・フェルデンという男を競り落としたのは、裕福そうな大店の女将という雰囲気の漂う中年の女性だった。


 祐司は年季奉公人を別室に移動させた正しい理由を”競り”の様子を見て理解した。


 実は落札した者が出した”金貨四十五枚、三年(の奉公期間短縮)-実質金貨五十四枚”の次位が”金貨三十八枚、五年(の奉公期間短縮)-実質金貨五十三枚”だったのだ。


 落札額は年季奉公人の使用者にとっては最大額で好ましいモノだが、奉公人としてはどれくらい奉公期間が短縮されるかが自分の人生にも関わる一番の関心事である。

 自分の年季をより短くしてくれた入札者がいるのに、他人が落札したとなるとそれ以降の入札者による奉公期間を不満を持って過ごすかも知れない。


 こうしたことを考えると年季奉公人の精神衛生上、さらに入札者が新しく得た年季奉公人を安心して使っていくには年季奉公人に”競り”を見せない方がよいのだろうと祐司は思った。



「では、次にバザ・リシュネ。女、四十九歳です。年季の残りは八年四ヶ月です。競り値の開始金額を言います。

 年季の残りは八年四ヶ月ですから規定で”競り値”は金貨十八枚と銀貨十枚からです。年季期間一月について銀貨三枚にかえることが出来ます」


 競り人が次の”競り”の説明を始めると、先程キンザ・フェルデンを競り落とした女性が次の”競り”には興味がないのか部屋の前に陣取る職員のいる場所に行って何やら手続きを始めた。


 そして次位の値をつけた男は首を軽く左右に振ると立ち上がって会場から出て行ってしまった。 


「では、始めます。金貨十八枚と銀貨十枚からです。はい石盤を上げて」


 競り人の呼びかけはあったが誰も石盤を上げなかった。


「今なら最低限の値で落札できます。誰かいませんか」


 競り人の呼びかけに矢張り誰も反応しなかった。


 祐司は背後の壁に貼ってある年季奉公人の紹介した樹皮紙を見てみた。


 最初に”競り”にかかったキンザ・フェルデンという男の仕事は料理人だった。働いているのはワザマの”アザミ亭”という料理屋で、その前はマルタンの”落葉松亭”で数年料理の修業をしていたと書いてあった。


 マルタンの”落葉松亭”は祐司とパーヴォットも一度行ったことがあるが、料理の質と格式ではマルタン第一の料理屋だった。

(第十九章 マルタンの東雲 光の歩み18 パーヴォット、祝ってもらう 参照)


 わざわざ店名が書いてあることから、その店を知る者からすればそれだけで実力がわかるのだろうと祐司は思った。


 そして驚くべき事に仕事をさせた日は、銅貨二十枚を別途支給することと書いてあった。年季奉公人は衣食住を保証されるから、平均的な職人が雇用される以上の待遇である。


 キンザ・フェルデンは特別な技能者ということで、厳しい条件がつきながも競り値が上がったことを祐司は理解した。

 どうもキンザ・フェルデンを年季奉公者として得る理由は、絶対に他者に引き抜かれない状態で年季の年数の間働かすことが出来ることだろうと祐司は思った。


 ただキンザ・フェルデンに大枚を出して欲しがるのは、それなりの財力がある料理屋か富裕者だろうと思われた。


 それに対してバザ・リシュネの仕事は女中で雑事一般と書いてある。特技があれば書いてあるだろうが性格は温厚で指示のように働くとだけ書かれてあった。


 反対にいえば細かく指示しなければならない働き手ということになる。


 祐司は王都とマルタンという比較的人件費が高いであろう都市での相場しか知らないが、雑用を行う通いの女中の日給は銅貨十枚程度である。

 通いの女中でも昼食は提供しなければならないが、他は女中の自弁である。バザ・リシュネを女中として使う場合は、”競り”の最低額でも残りの年季奉公期間に一日に銅貨四枚半は必要であるし、その上で衣食住は保証しなければならない。


 これではよくよく選別して普通に女中を雇った方がいいだろうし、バザ・リシュネの四十九歳という年齢も問題である。

 中世世界リファニアでは五十代は老境という感覚であるから、そういった年齢も入札を躊躇う要因となる。



「出品の方、いかがしますか。最適値を半分にする方法とまったく一から始めるか選ぶことが出来ます。またこのまま入札不調という事も出来ます。その場合は手数料の半分は返却します」


 慣れているのか競り人が落ち着いた声で、会場の奥隅にいる見るからに冴えない感じの服装の男に声をかけた。


「半額で」


 少し考え込んで男は力のない声で言った。


 年季奉公人を抱える者が急に落ちぶれて、年季奉公人を抱え切れなくなって年季解除にすることがある。

 更に困窮すれば年季奉公人を”競り”にかけて幾ばくかの金を得ようとするだろうが、力なく返事した男はその類だろうと祐司は思った。


「それでは、金貨九枚と銀貨五枚から始めます」


 競り人が声を上げる。


「では、石盤を上げてください」

 

 間を開けて競り人が軽い口調で言った。


 今度は二つの石盤が上がった。


「どちらも金貨九枚と銀貨五枚と一年。競り上げる方は石盤を書き直して」


 ようやく競り値がついて、バザ・リシュネを競りに出した男の顔が少し緩んだ。ところが誰も値を上げる石盤を上げなかった。


「金貨九枚と銀貨五枚、奉公期間七年四ヶ月で決まりました。ただし同額の為に規定によりどちらが入札したかはこの”競り”が終わった後でバザ・リシュネが決めます。入札予定の方はお帰りにならないように」


 祐司は競り人の説明に驚くとともに、中世世界リファニアの基準ではあるが競られた本人の意志を尊重できる人道的な方法だと思った。

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