【短編小説】あの日みた夕焼けは今も胸の中に…
ある晴れた夕暮れ時に、裸足の女の子がブランコで泣いていました。
女の子「ヒグ…淋しいよぉ」グスン
実はこの女の子、両親を事故で失い、家と財産は親戚に奪い取られてしまって行くところすらなかったのです。
男の子「ねぇきみ!裸足で泣いてるなんて、何かあったの?」
そこに一人の男の子が話しかけてきました。
女の子「ヒグ…帰るところが…なくなっちゃったの…」グスン
男の子「帰るところってお家がないってこと?」
男の子は確認するように女の子に質問した。
女の子「うん…ヒグ…お母さんもお父さんも…死んじゃって…」グスン
そう応えた女の子に男の子はある提案をした。
男の子「そうなんだ…、じゃあ家においでよ!それで僕の妹になってほしいな!」
そう、男の子は小学生にして妹属性好きという性癖を持ってる。ある意味将来有望な少年だったのだ。
女の子「妹…?」
男の子「うん!僕ずっと妹が欲しかったんだ!だから僕の妹になってよ!」
女の子「お兄ちゃんは…ロリコンさん?」
女の子は泣き止んだ代わりに男の子をゴミを見るような目で見つめ少し引いていた。
男の子「ち、ちがう!僕はロリコンじゃない!」
女の子「うぅ~ロリコンさん怖いよぉ」
これが今から始まる物語の兄妹の出会いだった…。そして新たな伝説が今始まろうとしていた。
■プロローグ■
あれから8年後…男の子と女の子は義理の兄妹になり平和な高校生活を送っていた。
弘斗「夕希急げ急げ!」
弘斗と夕希はあの頃の二人のこと。二人は今、寝坊して慌てて家を出ているところだ。
夕希「兄さん待って!」
弘斗は自転車に乗り夕希を待っていた。
弘斗「いいから乗れ!俺のマックスブレイカーでぶっちぎるぞ!」
マックスブレイカーとは弘斗が乗っている自転車の名前。ミニ四駆のあれみたいに青いから弘斗が勝手に名前を付けたらしい。
夕希「お待たせ!」ガチャ
弘斗「しっかり掴まってろよ!行くぜ!マックスブレイカー!」
夕希が乗って弘斗はすぐに学校に向かって駆け抜け始めた。
まぁ遅刻には変わりないんですがね…。